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岡本 直子 院長の独自取材記事

馬車道ブレストクリニック

(横浜市中区/馬車道駅)

最終更新日:2024/06/06

岡本直子院長 馬車道ブレストクリニック main

多くの乳がん患者の診療経験を生かし、緊張や不安を抱える患者が少しでもリラックスして受診できるようにとの思いを形にして、「馬車道ブレストクリニック」を開業した岡本直子院長。大好きな街で地域の役に立ちたいと、馬車道を選んだという。診療では、不安な時間が少しでも短くなるように検査結果を迅速に伝える。病気が見つかり手術のできる病院に紹介する際も、患者が納得できるまで相談可能な体制を整えるなど、患者の不安や悩みに親身に寄り添う姿勢が印象的だ。乳がんは増えているのに検診受診率が低いことから、乳がん検診を啓発するピンクリボン活動にも積極的な岡本院長に、クリニックの特徴や乳腺外科診療への思いを聞いた。

(取材日2024年5月20日)

乳がん検診をはじめ乳腺外科診療を身近に快適に提供

とてもすてきな雰囲気ですね。

岡本直子院長 馬車道ブレストクリニック1

ありがとうございます。今まで、患者さんに安心して検査や診療を受けていただくために「こういうふうにできるといいな」と感じてきた思いや理想を詰め込みました。外待合と中待合があり、外待合にカウンセリングルームを設けて、付き添いの男性の方はここまで。中待合からは女性ばかりなので、検査着のままでも安心して過ごしていただけますし、中待合にも化粧室を設けました。検査着も着やすいタイプを選び、椅子は荷物が置けて座り心地の良いものにしました。ブレストクリニックというとハードルの高いイメージもありますので、何かあったらすぐに相談に行こうと思っていただけるような、居心地の良さにこだわっています。スタッフは全員女性ですし、土曜日は午後14時まで、火曜日は夜19時30分まで診療していますので、忙しい方も来ていただきやすいようにと考えています。

診療面ではどのような特徴がありますか。

乳がん検診から精密検査、術後フォローまで、幅広く対応できることでしょうか。検査結果がわかるまでの不安な気持ちで過ごす時間を長引かせないように、できるだけ当日に結果をお伝えして、必要な場合は速やかに専門的な医療機関を紹介する一連の流れを工夫しています。その後も基幹病院と連携を取りながら、ホルモン治療などを行います。開業前戸塚区の医療機関で院長を務めていた時に、横浜市、藤沢市、鎌倉市の基幹病院の先生方と顔の見える連携を組ませていただきましたので、当院でも継続させていただきたいと思っています。ここで診断した方が治療を受けて、明るい笑顔で戻ってこられたら私たちもうれしいですね。また、遺伝性乳がん・卵巣がんなどを心配される方には、専門的な検査やカウンセリングができる医療機関につなげるサポートをしたいと考えています。

乳腺炎の診療にも対応しているそうですね。

岡本直子院長 馬車道ブレストクリニック2

そうですね。急性の乳腺炎は授乳期に多く、助産師さんからご紹介いただくことが多いですね。助産師さんと連携して、母乳マッサージと並行して治療を進めることもあります。乳腺炎を診る医療機関は少なく、授乳中の場合は急性の病気で、しかも赤ちゃんのお世話で大変な時期でもありますから、医療機関を探すのに苦労される方も少なくないようです。当院は予約制ですが、急性乳腺炎の場合は、できるだけその日のうちに診療させていただくようにしていますので、まずは電話でご相談ください。また細菌感染が加わった化膿性乳腺炎や、断乳後に起こる慢性乳腺炎の治療にも対応しています。慢性乳腺炎の一つで、乳がんと紛らわしい腫瘤のできる難治性の肉芽腫性乳腺炎の診療も行っています。

大好きな街で、地域に役立つことをめざして

乳腺外科を専門とする医師となった経緯を教えてください。

岡本直子院長 馬車道ブレストクリニック3

子どもの頃から動物が大好きで獣医師になりたかったのですが、猫アレルギーであることがわかり断念することとなりました。しかしその頃読んだ本から、緩和医療の存在やインフォームドコンセントの概念を知り、感動し衝撃を受けて人間を診る医師になろうと考えるようになったのです。医学部卒業後は、外科的なほうが向いていると考えて外科系診療科に所属し各分野を回る中で、たまたま進行した転移性乳がんの患者さんを担当しました。その中で、乳がんの治療には手術の他にもさまざまな選択肢があり、複数の方法を組み合わせて行うことを知ったのです。そのような治療方針に興味を持ち、乳腺外科をめざすようになりました。乳がん治療は患者さんとの関係が長く続くのも、自分には合っているなと思いました。

では、この馬車道で開業されたのはどうしてですか。

聖路加国際病院などを経て、2017年から戸塚区の医療機関で院長として診療を行っていました。そもそも私は大阪府生まれの奈良県育ちで、山と田畑を見て育ったので海に憧れがあり、中でも歴史が感じられる馬車道が好きだったので、ちょうど戸塚区で働くことが決まるのと同時期に転居していたのです。開業するなら、自分の好きな場所でお役に立ちたいとこの地域を選んだというわけです。スタッフにも恵まれているんですよ。看護師は乳腺外科診療の経験が豊富で、クリニックの立ち上げにも尽力してくれました。診療放射線技師は、私が今も非常勤医を務める西横浜国際総合病院から交代で来てくれています。地域の先生方や皆さんにとてもお世話になったので、こちらで診療することで恩返しができればと思っています。

診療する上でどのようなことを大切にされていますか。

岡本直子院長 馬車道ブレストクリニック4

乳がんは早期発見が重要ですから、まずは適切な診断を重視しながら、患者さんの心の面もサポートできればと思っています。乳腺外科に来られる患者さんは不安な気持ちが大きく緊張されているので、言いたいことが言えない方も多いと思います。ですからまずは心を開いていただくために、しっかり目を見てお話を聞くことを大切にしています。病気とわかった時に感じる心配事は、ご家族や仕事、経済的負担など患者さんによってさまざまです。ですから、検査結果や治療方針を説明する時には、医師としてだけではなく、同じ女性として、母であり娘でもある立場でも向き合い、患者さんがもし自分だったら、家族や友達だったら、治療をどう勧めていくだろうかと考えながら、診療にあたっています。そうした思いを伝えて、一緒に考えていければいいなと思っています。

女性の胸の悩みを気軽に相談できるクリニックとして

診療とは別に、相談室もあるのですね。

岡本直子院長 馬車道ブレストクリニック5

診療の中で私や看護師も患者さんの悩みや不安の解決に努めますが、限られた診療時間の中では気持ちが晴れない場合もありますので、予約制でカウンセラーによる相談室を設けています。カウンセラーは乳がん検診の啓発活動にも長く取り組まれてきたピンクリボン上級アドバイザーです。カウンセラーやスタッフを含めた多職種のチームで、診断をつけるだけではなく、患者さんの気持ちの面にも寄り添うような診療を行っていきたいですね。病気が見つかり、手術などができる病院に紹介する際も、単に紹介状を渡すだけではなく、何に対して心配されているのかじっくりとお話を聞くようにしています。患者さんがその問題にしっかり向き合って、治療に臨まれるまでの期間を一緒に歩むように、一人ひとりに寄り添った診療を心がけたいと考えています。

今後の展望について聞かせてください。

日本では乳がんが増加傾向にありますが、検診受診率は50パーセント未満という現状があります。一方で、乳がんは早期発見、早期治療で完治が望める病気です。ですから、できるだけ多くの方に乳がん検診を受けていただけるように啓発していきたいと思っています。またこの近辺は、精密検査や術後のフォローまでできる医療機関が多くはありません。当院は乳がん検診から精密検査まで幅広く、他の乳腺のさまざまなトラブルや病気も含めて相談できるところだと地域の方に知っていただけけるように努めていきたいと思っています。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

岡本直子院長 馬車道ブレストクリニック6

ブレストクリニックは、乳がんをはじめ、女性の胸の病気や悩みをなんでも相談できるクリニックと考えていただければと思います。乳がんになりやすい世代は、仕事や子育て、介護などに忙しい世代でもあり、ご自分のことは後回しにしがちな方が多いようです。乳がんは早期に発見・治療ができれば完治も見込める病気です。ご自分のため、ご家族のため、大切な人のため、ご自身の体と向き合って、異常がなくても30~40代のうちから検診を受けてください。当院は女性の皆さんにとって何よりも受診しやすいクリニックをめざしています。乳がん検診はもちろん、異常が見つかった場合や気になることがあれば、気軽に相談いただければと思います。

自由診療費用の目安

自由診療とは

乳がん検診:問診・視触診+マンモグラフィ検査/6600円、問診・視触診+マンモグラフィ検査+超音波検査/1万1000円 、問診・視触診+超音波検査/4950円

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