外来と遜色ない医療を自宅で
重症・軽症を問わない訪問診療
在宅クリニック らぽーる
(北九州市戸畑区/戸畑駅)
最終更新日:2026/08/31
- 保険診療
超高齢社会を迎え、在宅医療への関心が高まっている。その一方で、対象者や利用方法がわからない、わざわざ来てもらうのは申し訳ないという声も多いと、「在宅クリニック らぽーる」の御厨彰義(みくりや・あきよし)院長は話す。病状が重いと在宅では診きれない、逆に軽いと対象にならないのではないかと思われがちだが、「独居のがん末期の方にも対応可能です」と御厨院長はほほ笑む。訪問診療だけでは難しいことも、訪問看護師や薬剤師、介護スタッフ、ケアマネジャーがチームとなって力を合わせることで、できることがあるのだという。また、病状が軽くても認知症や老老介護で通院が困難な場合の利用など、患者の背景は実にさまざま。多様なニーズに応えるべく奔走する御厨院長に、同院が実施している訪問診療について一歩踏み込んだ話を聞いた。
(取材日2026年6月23日)
目次
さまざまな事情で通院困難な患者が利用できる訪問診療は、多職種連携により一人の患者を支えていく
- Q訪問診療はどのような方が対象となるのでしょうか。
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A
▲まずは気軽に訪問診療について相談してほしいと話す院長
さまざまな事情で通院困難な方の自宅や施設に定期的に訪問し、その方に必要な処置や管理などを行うのが訪問診療です。「往診」と混同されている方もいますが、往診は必要な時のみ行う突発的な診療のため、在宅療養の計画を立てて定期的に訪問する訪問診療とは異なります。そのため訪問診療の対象は、通院困難な方というのが基本ですが、寝たきりや重病の方だけではありません。例えば、認知症で道に迷うことがある、老老介護の介護する側だけれど通院する余力がないといった方も対象です。中には「わざわざ来てもらうのは申し訳ない」と利用をためらう方もいますが、必要な方のための制度ですので、躊躇せずにご利用いただきたいなと思います。
- Q外来診療との違いや訪問診療では行えないことはありますか?
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A
▲チームで患者や家族とのコミュニケーションを大切にしている
外来との主な違いは診療を行う場所と特殊な検査ができるか否か。訪問診療では、ポータブルの超音波や心電図の検査機器を持参してご自宅で検査を行います。在宅であってもクリニックの外来で行う処置はほぼ行えますし、検査もMRIやCTなどの大がかりなもの以外は対応できるといって良いでしょう。ただし、血液検査は検体を持ち帰るため、結果は外来のように即日ではなく最短で翌日になります。とはいえ、皆さんの想像以上に在宅で行えることは多く、外来と遜色ないと感じていただけるのではないでしょうか。在宅ではできることが限られている、そんなイメージを持つ方が多いため、そうではないことをたくさんの方に知っていただきたいです。
- Q具体的な訪問診療の流れについても教えてください。
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A
▲多職種連携を図り、多角的でスピーディーに患者を支える
基本的にご依頼はお電話で受けつけております。ご本人、ご家族、ケアマネジャーさん、訪問看護ステーション、地域の基幹病院などのソーシャルワーカーさんからお電話いただくのが最初のステップ。直接ご連絡いただいても構いませんし、ケアマネジャーさんなど頼れる方を経由しても大丈夫です。当院はお電話いただいた時点でお断りすることはまずありません。「断らない」というモットーを掲げているので、どうすれば在宅療養が可能になるかを考えます。訪問頻度は2週間に1度が基本。状態によって毎週の場合も。また、多職種連携で生活も含め一人の患者さんを支えていきますので、独居の高齢の方のご利用も可能です。諦めずにご相談ください。
- Qこちらならではの訪問診療の特徴はありますか?
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A
▲スタッフの丁寧な対応も医院の魅力の一つ
先ほどのお話とも関連しますが、当院のモットーは「断らない」こと。最後の砦のような存在に感じていただけるのなら本望です。患者さんが在宅を希望されているのであれば、どんな状態であっても、まず可能になる方法を模索します。重病の方については、ご家族や病院の連携室の方も依頼先を探しあぐねて、わらにもすがる思いでご相談くださることもあります。残された時間が少なければなおさらですよね。そのお気持ちをどうにかかなえられるよう知恵を振り絞る。それは医師としてのポリシーでもあります。各分野のプロフェッショナルが連携し、一人の患者さんを支えていくのが在宅医療。チームで解決策を追求します。
- Q訪問診療を検討されている方へお伝えしたいことはありますか?
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A
▲家族の不安にも寄り添い、普段どおりの生活を大切にする在宅医療
当院は、在宅では敬遠されがちな外科的な処置や輸血、腹膜透析、腎ろうや膀胱ろうのカテーテル交換・管理なども行っています。在宅医療と聞くと、生活を大きく変えなくてはならないのではとご不安になるご家族も多くいらっしゃいます。しかし実際はその逆。いつもと変わらない生活をお続けください。今の在宅医療はその体制が整っています。例えば、夜間に診療し薬が必要となった場合でも、連携している調剤薬局が薬を届けてくれます。また、介護申請をしていないと訪問診療を受けられないと思っている方もいますが、そのようなことはありません。申請が必要になった場合もケアマネジャーなどがサポートしますのでご安心いただければと思います。

