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安積 尚杜 院長の独自取材記事

あしやプラスクリニック

(芦屋市/芦屋駅)

最終更新日:2024/05/15

安積尚杜院長 あしやプラスクリニック main

芦屋市内の集合住宅群にある医療モールの2階で、2024年4月から診療をスタートさせた「あしやプラスクリニック」。午前中は内科の外来診療、午後は他の診療科と連携した訪問診療や往診という診療体制で、阪神間地域を中心に手厚い医療サービスを展開する。院長を務めるのは、まだ30代の安積尚杜(あさか・なおと)先生。「阪神間地域には健康意識の高い方が多く、それだけにやりがいを感じます」と、スタッフや複数人の非常勤ドクターとともに高レベルな医療提供の実現をめざし全力を注ぐ。そこにはどのようなコンセプトが秘められているのか、自身の描く地域医療の姿や患者への思いなど、安積院長の胸中にじっくりと迫った。

(取材日2024年4月25日)

外来と訪問診療の両面で、入院治療の前後をサポート

まずは開業場所として、こちらを選んだ経緯を教えてください。

安積尚杜院長 あしやプラスクリニック1

阪神間には昔から親戚が多く、この医療モールも近所に住む叔父がよく利用していました。その1室がたまたま空き、一つのご縁ということでここでの開業を決めました。当院では午後を訪問診療や往診にあて、午前中の内科外来は日曜も診療を行っています。例えば週末になって急に熱が出たような場合、受診先を見つけるのは結構大変でしょう。また、慢性疾患があるのに平日は仕事で通院できない方も大勢いらっしゃいます。そのような方にいつでも気軽に受診してもらいたいと、祝日以外はクリニックを開け、日によっては大学病院の教授など専門の先生方をお呼びして診療を担当してもらっています。建物のすぐ裏には当院専用の駐車スペースもありますから、急な場合は飛び込みであっても遠慮せずにお越しください。

そもそも安積院長が開業しようと考えた理由は?

勤務医時代は腎臓内科を専門に、大阪医科薬科大学病院や京都市内にある洛和会音羽病院など、いずれも三次救急や救命救急を担う医療機関に勤めました。搬送や紹介で診ることになった患者さんの中には基礎疾患が放置されたまま重症化し、もっと早くに病気を発見して適切な医療につなげていればと思う例も少なくありません。このような事態を、いっそ自分が地域の開業医になって未然に防ぐことができれば、皆さんの入院リスクを減らせるだろうと考えたわけです。もう一つの課題は、やむなく入院治療を受けられた患者さんの退院後のフォローですね。先回りでリスクや重症化を予防しつつ、退院した患者さんの在宅での生活もしっかりとサポートしていく。それが当院で行う外来診療と訪問診療の目標です。病院と同じ目線を持ちながら、病院の手が及ばない部分を私たちが担うという考え方です。

外来では、どのような診療に対応していますか?

安積尚杜院長 あしやプラスクリニック2

大学病院で私が師事した教授が糖尿病性腎症の専門家で、そのため私も腎臓病と糖尿病を特に得意分野としています。腎臓内科というのは病院内で「なんでも屋さん」と評されるとおり、全身的な視野での内科診療が基本スタンスです。いわば全身管理の専門家でもあるわけで、当院では慢性腎臓病や生活習慣病はもちろん、発熱や消化器、呼吸器といった一般的な内科疾患まで幅広く対応しています。また、血液検査や尿検査の他、心電図やホルター心電図、超音波検査、嚥下内視鏡検査など、エックス線撮影を含む各種検査が外来診療では可能です。新型コロナウイルス感染症のPCR検査や抗原検査、インフルエンザ迅速検査にも対応していますので、気になる症状があれば些細なことでも早めにご相談いただければと思います。

さまざまな専門家による「動く総合病院」をめざして

こちらの訪問診療には、さまざまな診療科のドクターが関わっているそうですね。

安積尚杜院長 あしやプラスクリニック3

病院で手術などの治療を受けて退院された後、できることならご自宅で過ごしたいと誰もが思うでしょう。医療機関に通院できない方の生活レベルを保つにはどうすればいいか。その答えの一つが訪問診療の導入でした。訪問診療は単に定期的に患者さんのもとへ行けばいいのではなく、提供する医療サービスのクオリティーが非常に重要です。そこで私が考えたのが、内科だけでなく眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科、心療内科や精神科といった各診療科を専門とするドクターと協力し、いわば「動く総合病院」のようにチーム全体で1人の患者さんの全身管理を行うシステムです。このような体制のクリニックは全国的にも珍しいと思いますが、新しい訪問診療のケースとしてぜひ注目いただければと思います。

患者さんからすれば、ずいぶんとメリットを感じられそうなシステムですね。

医療は全身に必要ですから、「内科以外のことは専門のクリニックへ行ってください」では在宅医療を受ける意味が半減してしまいます。普段は内科の医師として私が診療を担当し、専門的な処置が必要な場合は他の診療科の先生の力をお借りしながら訪問診療を継続するのが合理的と考えました。協力をいただく先生方は、普段から親交のある信頼できるドクターばかり。ご自身の休日返上で訪問診療に参加していただくため、賛同してくださる皆さんには深く感謝しています。こうした体制をせっかく用意していますから、どんなことでも遠慮せず、気軽に相談してほしいですね。それが患者さんのみならず、ご家族の大きな助けにもなると信じています。

患者さんと接する際に心がけていることを教えてください。

安積尚杜院長 あしやプラスクリニック4

やはりしっかりと患者さんの訴えをお聞きして、その上で本当に必要な検査や薬の処方などを相談させていただくことを心がけていますね。その方にとって本当に必要な薬を必要な量だけお出しすることは、外来診療においても訪問診療においても大切なポイントです。検査にしても同じこと。むやみやたらにお勧めするのではなく、必要な検査だけを患者さんと相談の上で実施することが医師としてのモラルといえるでしょう。じっくりと問診するため診察時間がどうしても長くなり、時にはお待ちいただくことがあるかもしれません。しかし誰にも平等に丁寧に向き合う必要があると考えていますので、どうかご理解いただければと思います。時間を気にして医療の質を下げたくはありません。それは外来でも訪問でも変わらない、当院の診療のモットーです。

本物の健康について、一緒に考える存在でありたい

安積院長が医師や腎臓内科をめざした経緯をお聞かせください。

安積尚杜院長 あしやプラスクリニック5

父が消化器外科の医師だったこともあり、小さな頃から心のどこかに医師という選択肢があったのは事実です。そのため関西医科大学医学部に進み、卒業後は全身管理ができる内科をめざすことになりました。腎臓内科を専門としたのは、大阪医科薬科大学病院で出会った教授の影響が大きかったですね。「病院の顔となるのは外来診療。知識だけでなく患者さんへの接し方も大切」ということを、その先生から教わりました。また、京都市の音羽病院の腎臓内科では自分から手を挙げて手術の執刀を経験し、外科処置に関することも多く学ばせてもらいました。今から思えば勤務医時代は職場環境や先生方との出会いにも恵まれ、医師として働く上での基本や自信を身につけることができたとつくづく感謝しています。

ご多忙の中、どのようにリフレッシュされていますか?

今は忙しくてあまり行けていませんが、もともと旅行が好きなのと、大学までサッカー部にいたのでスポーツ観戦が目下の楽しみです。最近はサウナで汗を流すことで、仕事疲れの体や頭もずいぶん整えていますね。それとスタッフには内緒なのですが、実は甘い物が好物で、阪神間地域にはおいしいパティスリーやスイーツショップがたくさんありますから、暇を見つけて巡ってみたいと画策しています。糖尿病が専門なのにという声が聞こえてきそうですが、少なくとも甘い物が好きな方の気持ちはよくわかります。糖分は控えましょうなどと冷徹に言い放つだけでなく、きっと親身なアドバイスができると思いますよ。

最後に、読者へ向けたメッセージをお願いします。

安積尚杜院長 あしやプラスクリニック6

まだ開業して日が浅いですが、良い先生方やスタッフやが集まってくれて、私としては勇気百倍。自分の考えを信じつつ、慢心することなく前へ進んでいきたいと考えています。この機会に当院のことを知っていただき、ぜひ一度足を運んでみてください。受診さえいただければ、最大限のパフォーマンスでお応えすることを約束いたします。本物の健康をめざすためには体だけでなく、精神面でも健康でなくてはなりません。そんな皆さんの健康について、一緒にじっくりと考えていきたいですね。末永くお付き合いできるクリニックでありたいと思っています。少しでも良い人生を送るためのお手伝いを、ぜひ私たちにお任せください。

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