胃と大腸の同日内視鏡検査も
消化器内視鏡専門の医師による検査
津城山さとうクリニック
(津市/高茶屋駅)
最終更新日:2025/02/28


- 保険診療
加齢とともに増加する病気のリスク。特に近年、胃がんや大腸がんは罹患率が高まっており、早期発見が生死を分ける鍵となる。そこで大切なのが内視鏡検査。早い段階でさまざまな病気を見つけるために有用な手段である。しかし、「怖い」「つらい」といったイメージから、検査をためらう人も少なくない。一方で、できるだけ苦痛の少ない検査を受けたいと、慎重にクリニックを選ぶ人も増えている。「津城山さとうクリニック」の佐藤敏昭院長は、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医であり、これまで数多くの検査を行ってきた内視鏡検査のエキスパート。「患者さんの負担が少ない検査を心がけています」という佐藤院長に内視鏡検査を受けるタイミングや検査の流れなどについて話を聞いた。
(取材日2025年2月13日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qどのような人が胃や大腸の内視鏡検査を受けるべきですか?
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A
胃や大腸の症状を感じたら早めに検査を受けてください。胃の症状としては、上腹部の痛み、胃の不快感、胸やけや吐き気、嘔吐を繰り返している、喉や胸につかえ感がある、黒い便が出てきたなど。大腸の症状は、便秘や下痢が続く、血便が出た、腹痛や腹部膨満感が続いているなど。このような症状があれば、一度相談してください。また胃、大腸を問わず、貧血を指摘された、顔色が悪い、近頃急激に体重が減少したという人も注意が必要です。他には、胃のバリウム検査で異常が見つかった、便潜血検査が陽性、胃潰瘍や十二指腸潰瘍になったことがある、食道がんや胃がん、大腸ポリープや大腸がんの治療をした経験がある方などですね。
- Qこちらでは胃と大腸の同日検査にも対応されているとか。
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A
同日検査には多くのメリットがあります。一度で済みますので、通院の手間や時間的な負担が少なくなります。また、内視鏡検査は基本的に前日の夜9時以降は絶食となります。こうした検査前の準備も一度で済みます。鎮静剤を使用する場合も1回の投与で済むため、体への負担軽減につながります。内視鏡検査の当日は安静が必要なケースもありますが、1日休養するだけで済むため、スケジュール調整がしやすく、仕事や家事で忙しい方、高齢で付き添いが必要という方は、同日検査を検討されると良いでしょう。なお当院では当日の胃内視鏡検査にも対応しております。検査の予約状況や内服薬、食事の注意もありますので電話で事前にご連絡ください。
- Q佐藤院長は、内視鏡検査のご経験を積まれてきたそうですね。
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A
内視鏡の専門家として早期食道がんや早期胃がん、早期大腸がんの内視鏡的治療も行ってきました。勤務医時代には後輩医師の指導もしていましたし、難易度の高いESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)などの経験も積んできました。現在も総合病院の内視鏡検査を毎週担当しています。また、日本外科学会外科専門医として食道がんや胃がん、大腸がん、膵がんの手術も行っていました。患者さんの負担を減らすには、医師の技術が大きく影響しますので、これらの経験が生きていると思います。内視鏡検査は機器の性能により結果が左右されることもありますので、当院では精度にこだわって厳選した機器を使用しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1問診と事前説明を受ける
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問診では、いつからどのような症状があるのかを医師に伝える。服用している薬など疑問点などがあれば医師に相談しよう。検査時に病変が疑われる場合は、組織の一部を採取し、詳しく調べる生検の必要性があることなども伝えられる。その後、看護師から検査前の注意事項について説明を受ける。検査前日の食事は午後9時までで、原則として食事内容に制限はない。大腸内視鏡検査の場合は前日に検査食を食べるケースもある。
- 2検査前の準備
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当日は検査の準備が必要。朝は絶食。水分は、コップ1杯程度の水やお茶は2時間前までOK。乳製品はNGだ。来院後、胃内視鏡検査の場合、胃の中を観察しやすくするために消泡剤を飲む。基本的に経鼻内視鏡を使用するので鼻血が出にくくなるように血管収縮剤を使う。その後は麻酔用チューブを入れて局所麻酔を約5分間投与。大腸内視鏡検査は腸管洗浄剤約2リットルを自宅で飲む。どちらも鎮静剤を希望する場合は点滴で投与する。
- 3胃・大腸内視鏡検査を実施
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胃の検査は左側を下にして横になり、内視鏡を鼻から挿入。鼻から挿入できない人は口から入れる。経鼻の場合、検査中も医師に話しかけることもできる。検査時間は基本的に10分程度。大腸の検査は左側を下にしてベッドへ横たわり、肛門から内視鏡を挿入。10ミリ以下の小さなポリープはその場で切除を図り、クリップで止血する。通常10~20分で検査は終了するが、ポリープの数などによって時間が延びることもある。
- 4リカバリーエリアへ移動
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鎮静剤を使用しない場合は帰る身支度をして、医師から検査結果の説明を受ける。鎮静剤使用の場合はリカバリーエリアでしばらく休む。「できるだけ苦痛を軽減し、楽に検査を受けてほしい」というのが鎮静剤を勧める理由であると佐藤院長は語る。鎮静剤を怖がる患者もいるが、検査中は万が一に備え、血中の酸素濃度をモニタリングしているそう。同院では鎮静剤を希望する人が多いという。
- 5検査結果と今後の説明を受ける
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検査結果と検査後の注意点について説明を受ける。特に食事制限はないが生検をした場合、検査後2~3日はアルコールや香辛料などの刺激物は控えよう。大腸ポリープの切除を図ったときは、1週間程度は消化の悪いものを食べてはならない。激しい運動や、おなかに力の入る行動も避ける。鎮静剤を使用したら車やバイク、自転車などの運転は禁止。来院から帰宅までの時間は状況にもよるが、胃で1時間前後、大腸で2時間前後が目安だ。