循環器の専門家が診断
狭心症の検査・治療について
MY内科クリニックせんげん台
(越谷市/せんげん台駅)
最終更新日:2024/05/14


- 保険診療
胸部付近に痛みや重苦しさを感じたとき、それは狭心症の兆候かもしれない。一過性の痛みだからと放っておくと、悪化して心筋梗塞に至り、日常生活に大きな影響を及ぼしてしまうことも。生活習慣病が原因となることも多い狭心症、診断や治療はどのように行われるのだろうか。循環器内科を専門とする「MY内科クリニックせんげん台」の神山崇院長に、狭心症のしくみや症状、治療法、予防のためにめざすべき生活習慣などについて詳しく話を聞いた。
(取材日2024年4月11日/更新日2024年5月8日)
目次
胸周辺の重苦しさは大事なサイン。治療には食生活や運動習慣も大切に
- Q狭心症とはどのような病気でしょうか?
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A
▲2024年5月に開院したクリニック
コレステロールの増えすぎや糖尿病の影響で、心臓の動脈である冠動脈が狭くなると、血液の流れが悪くなり心臓が酸素不足になってしまいます。それが痛みや苦しみとして感じられる疾患を狭心症と呼びます。少し休むと楽になりますが、動くとまた苦しくなるという状態が繰り返されるのが典型的な症状です。その他に、血管が一時的にけいれんを起こして狭くなってしまう冠攣縮性(かんれんしゅくせい)狭心症と呼ばれるものもあります。この場合はけいれんが起きてない状態では発見できないため、小型の心電計で24時間記録するホルター心電図で調べることができます。通常の狭心症より頻度は少ないですが、若い方にも起こる可能性はあります。
- Qどのような症状のときに、狭心症を疑うべきですか?
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A
▲病状を説明するときは、丁寧な説明を欠かさない
症状のイメージとしては、胸周辺が痛いというよりも「重苦しい」といった感覚です。しばしば「象に踏まれたような」と表現するのですが、グーッと押されたような苦しさが狭心症の代表的な症状です。胸周りだけでなく首から肩、顎にかけて重苦しさを感じられる場合もあり、整形外科の症状かと思っていたら、実は心臓が原因だったということも。また、高齢で糖尿病をお持ちの方などは神経障害が起きていて痛さや苦しさをあまり感じず、少しだるいなくらいの自覚症状のこともあるので注意が必要です。
- Q狭心症の検査はどのように行うのですか?
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A
▲患者の病状に合わせた検査の提案を行う
まずは心電図の検査です。狭心症以前に、血管が詰まって心筋梗塞が起きていたらすぐに大きな病院など適切な医療機関に送る必要がありますから、そのための診断を素早く行います。心電図の他に検査に用いる機器はエックス線撮影装置や心エコー、また先ほどご説明した冠攣縮性狭心症などを見つけるためにホルター心電図が用いられます。それから血液検査も行いますが、これは血糖値やコレステロール値を調べ、糖尿病や脂質異常症などの基礎疾患の有無を確認するためにも有用です。
- Q狭心症の治療はどのように行うのでしょうか?
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A
▲検査画像を確認しながら、結果・治療方針をわかりやすく説明
緊急性が高く、すぐに治療が必要な場合は大きな病院に送り、カテーテル治療やバイパス手術が行われます。そこまで悪化していない患者さんの場合、抗血小板薬などによる投薬治療を行います。また、狭心症は生活習慣病の結果であることが多いですから、食事や運動など生活の改善も重要になります。タバコを吸っている人であれば、喫煙量を減らすのではなくゼロにしてもらいます。こうしたことは、ご本人が本当に治そうと意識しなければ続きません。そのためのモチベーターになることも医師の大事な役割ですので、必要なときは厳しく指導しつつ、褒めたり励ましたりしながら意識づけのためのサポートをいたします。
- Q狭心症予防のため、日常生活では何に気をつけるべきですか?
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A
▲健康管理のために、手帳を活用
オーソドックスなことではありますが、健康的な食生活と運動習慣を心がけることです。体重や血圧はご自宅でも測れますから、太ってきたかどうかなど自分で目安にしやすいですよね。タバコをよく吸う方もリスクは大きくなります。また、ご家族に循環器の疾患を経験した人が多い場合、ご自身もそうした疾患になりやすい傾向があるので、意識しておくと良いかもしれません。そして、何か違和感があれば早めに受診することが大切です。