冨永 隆志 理事長の独自取材記事
日暮里眼科クリニック 武蔵浦和院
(さいたま市南区/武蔵浦和駅)
最終更新日:2024/06/03

武蔵浦和駅の西口を出てすぐ、2024年6月に開院した「医療法人社団隆昇会 日暮里眼科クリニック 武蔵浦和院」。白内障や硝子体手術など、さまざまな日帰り手術に対応可能なのが特徴。子どもの多い武蔵浦和で、若年層の近視矯正治療であるオルソケラトロジーにも力を入れるべく準備しているという。建物内の同じフロアや近隣にある他科とも連携予定。理事長の冨永隆志先生のモットーは「患者参加型治療」。丁寧な診療とわかりやすい説明を心がけ、患者に対しても自身の疾患への理解を促す。「白内障や硝子体手術は日帰りでも可能。そのことを知ってほしいと思います」と話す冨永理事長に、同院の特徴や力を入れていきたいと考えている治療など聞いた。
(取材日2024年3月21日/情報更新日2024年6月3日)
武蔵浦和の駅前で、日帰りの眼科手術に対応
駅から近くて便利な立地ですね。

武蔵浦和駅の西口を出てすぐですから、どなたでも通いやすいかと思います。当院は法人内で3院目のクリニックで、本院がある日暮里は私が学生時代を過ごした場所、2院目の鹿児島は出身地、当院がある武蔵浦和は医師として経験を積んだ場所と、すべて私自身が思い入れのある土地なんです。その中で当院の特徴は、さまざまな日帰り手術に対応できること。白内障手術では単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズのどちらを用いた手術も選ぶことができ、硝子体手術も可能な体制を整えています。大学病院や総合病院に行かなくても、身近なクリニックでこれらの手術を日帰りで受けられるのは、患者さんにとっても利便性が良いのではないでしょうか。ゆくゆくは緑内障の手術も院内で対応できるよう、設備や体制を整えていく予定です。
白内障手術や硝子体手術というのは、日帰りで受けられるものなのでしょうか?
国内では眼科の手術、特に硝子体手術ともなると入院を伴うケースが多いです。「入院しないと手術を受けられない」という認識をお持ちの患者さんもいらっしゃいますが、実は必ずしもそうではないんですよ。例えばアメリカでは、眼科の手術は基本的に日帰りで行います。患者さんは術後にご自宅に戻られたり近隣のホテルに宿泊し、翌日また検査を受けに来院されるのです。当院はそれと同じスタイルをめざしています。日暮里院と武蔵浦和院はそう遠くないため、日暮里院に通われている患者さんに当院で日帰り手術を受けていただくこともできます。通常、白内障手術はそこまで急を要するものではありません。患者さんのタイミングで手術を検討していただきたいですね。
先生も幼少期に眼科に通っていらしたと伺いました。

私は子どもの頃に弱視を患っていて、実家の鹿児島県から宮崎県まで電車で片道2時間半ほどかけて通っていたんです。病院での待ち時間も非常に長く、受診だけで1日仕事。毎回大変な思いをしていました。開業した3院ともアクセスの良さにこだわったのは、このような私の経験がもとになっています。眼科の医師になってからは、未熟児網膜症などさまざまな小児疾患の臨床経験にも携わってきました。自身の経験上、目のトラブルで悩んでいる子どもや親御さんたちの気持ちはとてもよくわかります。
疾患への理解を促し、ともに進める患者参加型治療
日帰り手術の他に、力を入れている分野はありますか?

目の悩みにはほぼ対応可能な体制を整えていますが、一つ挙げるならば「オルソケラトロジー」です。これは成長期のお子さんの近視を矯正するための治療法。就寝前に特殊なコンタクトレンズを装着することで、寝ている間に角膜の形状の矯正を図る仕組みです。眼軸長を正視に近づけ、裸眼視力を1.0以上に上げることをめざします。治療中、日中は裸眼で過ごせるのが大きな特徴です。角膜が比較的やわらかく、長時間の睡眠が可能な若年層の患者さんにお勧めできる治療法です。高額に見えますが医療費控除の対象になりますし、2~3年に1度の交換でいいのでランニングコストも抑えられるんですよ。
診療のモットーをお聞かせください。
当院では「患者参加型治療」に取り組んでいきます。患者参加型とは、患者さんにもご自身の疾患について理解していただき、一緒に考えながら治療を進めること。そのために治療前や治療中の説明を大切にし、目の模型を使って、「どんな仕組みで物が見えるのか」といった内容からお話しします。検査に関しても、どういう目的でどのように検査するのか、患者さんが来られるたびに何回でも説明させていただきます。患者さんの参加意識や協力が希薄だと、治療が長続きしないこともありますからね。時間と労力がかかったとしても、患者さんが疾患について理解をして治療に前向きになってくだされば、結果的に早い回復につなげることが期待できます。
予約はどのように取ればいいのでしょう?

土曜・日曜・祝日も休まず診療を行いますので、メール、メッセージアプリ、電話など、利用しやすい方法でご予約ください。完全予約制ではありませんので、予約なしで直接ご来院くださっても構いません。院内には、網膜の断層画像や血管の状態を撮影するOCTアンギオグラフィ、治療用レーザー機器、明るい場所で検査可能な視野検査器など、先進の検査・治療機器を導入しています。また、再来自動受付機や自動精算機も備えており、利便性の向上に努めています。
検査も手術も他科との連携も、一ヵ所で完結できる環境
先生は医師として診療に携わる傍ら、パイロットをめざす大学生の支援をされていると伺いました。

支援しているのは、航空会社と鹿児島大学が主催している操縦飛行体験プログラムです。私はパイロットになりたいと思ったことがありましたが、弱視のため、その夢は断念せざるを得ませんでした。ですから同じ夢を持つ大学生や大学院生の支援をしたいのです。現在、小学校や中学校などで色覚検査が義務化されていないため、自分に色覚異常があるとは知らずにパイロットを志望し、航空身体検査の時に初めて、自分の色覚異常を知る大学生や大学院生が少なからずいます。これはあまりに大きなショックで、彼らの今後の人生を左右しかねません。眼科の医師として視力検査や色覚検査などの相談に応じながら、学生たちの夢を応援しています。
プライベートはどのようにお過ごしですか? 健康維持のために実践していることなどあれば教えてください。
現在朝は比較的時間がありますし、帰宅後は子どもと一緒にお風呂に入ったりしています。休みの日には一日中、子どもと一緒に過ごしていますよ。健康の秘訣はよく寝ることでしょうか。しっかり寝ると体力も気力も回復します。実は昼寝も重要なのです。人は20分の仮眠を取ると、午後のパフォーマンスが向上するといわれていて、それ以上寝てしまうと逆に疲れが出てしまいます。ですので、なるべく私も時間を取って仮眠するようにしています。
最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

単焦点眼内レンズ・多焦点眼内レンズを使った白内障手術、専門的な技術を必要とする硝子体手術など、さまざまな日帰り手術に対応できるのが当院の大きな特徴です。近隣の総合病院、また同フロアにある内科や小児科とも連携を強化していく予定です。糖尿病網膜症など、眼科の病気には全身の状態が関係するものも多いですからね。眼科の検査や手術、また関連する内科や小児科などの診療も、大学病院のように一つ所で完結できる環境が武蔵浦和駅の目の前に整っています。ぜひお気軽にご来院いただき、治療や日帰り手術に関する疑問や不安があれば何でも聞いてください。正しい知識と理解を深めていただくことが、当院の掲げる「患者参加型治療」の実現につながります。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジーによる近視矯正/15万円(半年間の検査代含む)、多少点眼内レンズ/片眼30万円~