長引く咳の放置はNG
適切な治療を継続して受けることが大切
金町すぎもと内科クリニック
(葛飾区/金町駅)
最終更新日:2024/04/01


- 保険診療
咳が出て困った経験は誰にでもあるだろう。自然に治ることもあれば、今もなお悩んでいる人もいるかもしれない。咳とアレルギーを中心に診療を行う「金町すぎもと内科クリニック」でも、そのような悩みを抱えた患者を受け入れる。杉本直也院長は、気管支喘息やアレルギーの診療に数多く携わってきた日本呼吸器学会呼吸器専門医。慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺がん、結核などの重い病気も視野に入れながら、咳の原因を慎重に見極めている。吸入薬や飲み薬のほか、生物学的製剤を用いた治療に対応できる体制も同院の特徴だ。今回は杉本院長に、咳症状を生じる病気や、その一つである気管支喘息について話を聞いた。
(取材日2024年3月19日/情報更新日2024年4月1日)
目次
咳を引き起こす原因はさまざま。アレルギー科や呼吸器内科を受診して適切な治療につなげることが大切
- Q咳症状がある場合、どのような病気が疑われますか?
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A
▲生物学的製剤を用いた治療も行っている
風邪や気管支喘息だけでなく、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺炎、肺がん、結核などの重い病気でも、咳や息苦しさを感じることが多いです。そのほか、副鼻腔気管支症候群や逆流性食道炎が咳の原因になることもあります。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症に感染し、他の症状が治まった後に咳だけが長く残っている方もいらっしゃいます。当然ながら、それぞれの原因に応じた処置を行わなければ、症状は改善につながりません。私は日本呼吸器学会呼吸器専門医として、さまざまな可能性を考えながら検査・診断を行っています。
- Q気管支喘息とはどのような病気ですか?
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A
▲咳が長く続いたら、アレルギー科や呼吸器内科を受診しよう
一言でいうと、気道が炎症を起こしている状態です。空気の通り道である「気道」が、冷たい空気や埃など異物を吸い込んだ時に過敏に反応して収縮し、咳・息苦しさ・喘鳴(ぜんめい)などが生じます。息苦しさを感じず咳だけが続く「咳喘息」という病気もあります。主にアレルギーが原因となりますが、風邪などの気道感染症の繰り返し、受動喫煙も含めたタバコ、ストレスや睡眠不足、大気汚染などが関係して発症もしくは悪化することも。風邪のように自然に治ることはまれですので、咳が長く続くようでしたら一度検査にいらしてください。
- Q気管支喘息の検査や治療について教えてください。
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A
▲日本呼吸器学会呼吸器専門医の資格を持つ杉本院長
まずはその咳が喘息によるものかどうかを見極めるため、丁寧に問診を行います。次に確認の意味を込めて、胸部エックス線、スパイロメトリー(肺機能検査)、アレルギー反応を調べるための血液検査、呼気中一酸化窒素(NO)測定などを行います。CTでの検査を必要とする際も、隣接する医療モールに紹介状を書きますので検査はスムーズです。治療では吸入薬や飲み薬を主に使用し、当院では生物学的製剤を用いた治療も可能です。安定した状態であればこれらで対応が可能ですが、症状が重かったり入院を伴う治療が必要だったりする場合には、設備の整った病院をご紹介します。
- Q喘息の治療中、患者が心がけることはありますか?
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A
▲薬を正しく使いながら治療を続けていくことが大切
タバコ、お酒、睡眠不足、ストレス、花粉など、リスク因子をできるだけ避けてください。ただ何が要因になるかは人それぞれですし、季節の変わり目の空気、気候による気圧変動といった避けようのないことで悪化する方もいらっしゃいます。そのようなときにも安定した状態を保つためには、普段からの治療が大切。そして「もう症状が出ていないから」といって治療をやめてしまうのはいけません。その結果、逆に治療が長引くことにもなってしまいます。喘息は症状が出たり出なかったりを繰り返す病気ですから、医師の指示どおりに治療を受けることが大切です。