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杉本 直也 院長の独自取材記事

金町すぎもと内科クリニック

(葛飾区/金町駅)

最終更新日:2024/04/02

杉本直也院長 金町すぎもと内科クリニック main

金町駅南口を出て左手すぐ。これまで「おおとし内科クリニック」が診療を行っていた場所で、2024年4月に継承開院の「金町すぎもと内科クリニック」。杉本直也院長は、10年以上前からこの場所で大利隆行先生とともに診療にあたってきたドクターだ。咳やアレルギーを中心とした診療内容はこれまで同様に、さらに日本呼吸器学会呼吸器専門医である杉本院長の知識と経験を生かし、より専門性の高い診療をめざしている。杉本院長が「当院の自慢です」と紹介するスタッフたちの顔ぶれもそのまま、大利先生も水曜と金曜の診療を担当。体制は変わったが、一人ひとりの患者に丁寧に向き合う姿勢は変わらない。明るく相談しやすい雰囲気の杉本院長に、咳やアレルギーの検査・治療について、また今後の展望についても話を聞いた。

(取材日2024年3月19日/情報更新日2024年4月1日)

呼吸器の専門家として咳とアレルギーを中心に広く対応

こちらは2024年4月に継承開院のクリニックだと伺いました。

杉本直也院長 金町すぎもと内科クリニック1

はい。3月まではこの場所に「おおとし内科クリニック」があり、私も10年以上前から大利隆行先生とともに診療にあたっていました。4月に継承開院し、モットーは「患者さま一人ひとりに寄り添った診療、納得のいく治療」です。目の前の患者さんを大切に思い、丁寧に診療を行う姿勢は大利先生から学びました。先生は時間を惜しまず患者さんに向き合う方で、そのお人柄を慕って通われる患者さんも多いです。これからも水曜と金曜は大利先生が診療を担当してくださり、頼もしい限りです。私もさらに精進し、地域の皆さんに頼られるドクターをめざしていきたいですね。

診療内容はこれまでと変わるのでしょうか?

基本的には変わりませんが「呼吸器」という私の専門性を生かしていきたいと思っています。当院には気管支喘息やアトピー性皮膚炎、じんましん、アレルギー性鼻炎、食物のアレルギー、また一般内科や生活習慣病などの患者さんがいらっしゃいます。中でも多いのは「咳」に関するお悩みで、近年は乾いた咳が長期間続く咳喘息の患者さんも多くみられます。これらの診療はこれまでどおり、診察券も「おおとし内科クリニック」のものを引き続き使用可能です。スタッフの顔ぶれも変わりません。知識が豊富で気配りのできるスタッフたちは当院の自慢、患者さんにも安心していただけるのではないでしょうか。予約システムは変わりまして、従来の電話や窓口での予約に加え、オンライン予約が可能になりました。

先生は呼吸器の分野で研鑽を積まれてきたのですね。

杉本直也院長 金町すぎもと内科クリニック2

私は帝京大学を卒業後、同大学病院の呼吸器・アレルギー学講座で主に喘息に関する臨床や研究を行ってきました。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎、肺がん、結核など重い病気の診療も数多く経験し、そちらでは医局長兼講師として従事しておりました。現在も週1回、大学での外来診療を続けております。また、「おおとし内科クリニック」では2014年から勤務しており、丸10年がたちました。金町エリアとのお付き合いも10年になりますが、下町風情の残る温かい町です。駅からすぐという立地もあり、喘息やアレルギーの専門的な診療を求めて遠方から来られる患者さんもいらっしゃいます。日本呼吸器学会呼吸器専門医としての知識を生かし、これからも「咳」のお悩みを中心に広く対応してまいります。

自己判断NGの喘息治療。きちんと続けることが大切

検査の流れについて教えてください。

杉本直也院長 金町すぎもと内科クリニック3

当院の症例の中でも多い「気管支喘息」を例に挙げると、まずは丁寧な問診から始めます。これで診断がつくことも多いのですが、確認の意味を込めて胸部エックス線、肺機能検査、アレルギー反応を調べるための血液検査などを行います。呼気中一酸化化窒素(NO)測定器も喘息の診断・治療のために導入。これは一般のクリニックではあまり導入されていないものですが、症状を見極める上で有用です。血液検査は結果が出るまでに数日かかりますが、他の2つは当日中に結果がわかりますので、初診日に問診・検査・再度診察という流れになります。多少時間がかかることはありますが、初診で検査結果をお伝えできて早く症状に合わせたお薬を処方できるのは、患者さんにとってメリットが大きいと思います。もしCTでの検査を必要とする際も、隣接する医療モールに紹介状を書きますので検査はスムーズです。

呼吸器疾患やアレルギーの治療では、どのような点に気を配っていらっしゃいますか?

患者さんが呼吸器やアレルギー性の原因を疑って受診される場合でも、実はアレルギーではなく、喫煙やストレス、肺の炎症などに起因する症状だったということもあります。同じ「咳」であっても、その原因はさまざま。副鼻腔気管支症候群や逆流性食道炎が咳の原因になることもあれば、結核のように感染する病気の可能性もあります。当然ながら、その原因に応じた処置を行わなければ症状は改善につながりません。もし肺がんや膠原病に伴う肺炎などであったとすれば、速やかに専門的な治療が受けられる医療機関を紹介する必要もあります。また、じんましんで目や皮膚に症状が出た方が、皮膚科や眼科を受診しても原因がわからず困り果てて来院されることも。そのような症状を細かく分析し原因を見極め、適切な診断ができるように気を配っています。

喘息の治療を受ける上で、患者が知っておくべきことを教えてください。

杉本直也院長 金町すぎもと内科クリニック4

咳などの症状が軽くなり息苦しさがなくなると、通院をやめてしまう方が少なからずいらっしゃいます。ですが喘息というのは、慢性の炎症性疾患と考えられている病気。症状が良くなっても薬を飲み続けなければならないんです。これが自然治癒する風邪とはまったく異なる点です。喘息には、長期間のコントロールをめざすコントローラー(長期管理薬)と、症状が出た時に一時的にその症状を抑える目的のリリーバー(発作治療薬)という2種の薬があります。症状が出た時だけリリーバーに頼るのではなく、日頃からコントローラーを服用することで、薬自体を使わずに済むようになることもめざせます。

患者の信頼に応えられるようなクリニックをめざす

先生が得意とされている生物学的製剤を用いた治療とはどのようなものですか?

杉本直也院長 金町すぎもと内科クリニック5

一般的な薬は広く炎症を抑えるための働きを持ちますが、生物学的製剤はそれよりももっと細かく、細胞に炎症のシグナルを送る原因物質に働きかけるもので、重症喘息の方に使用されます。薬剤の選択に専門知識が必要なことと、薬価が高いことからまだ取り扱っているクリニックはそう多くはありません。私はこの場所が「おおとし内科クリニック」だった頃から、この方法を治療に取り入れています。患者さんの症状や体質と薬の選択とがぴたりと合えば効果も期待できるのと、副作用が少ないのも利点だと思います。

診療の際に心がけていることや工夫していることをお聞かせください。

患者さんが納得して治療を続けられるよう、わかりやすい説明を心がけています。というのも、先にも挙げたとおり呼吸器疾患の治療は続けることがとても大切。これは生物学的製剤を用いた治療であっても同じです。そのためには患者さんに「なぜこの治療が必要なのか」を理解してもらう必要があります。私はよく、医学的な事象を患者さんの身近なものに置き換えて「たとえ話」を用います。専門用語はできるだけ使わず、写真やパンフレットもお見せしながら、わかりやすい言葉で。もし疑問があれば、何でも質問してもらえるとうれしいです。

お忙しい日々の中、どのような方法でリフレッシュされていますか?

杉本直也院長 金町すぎもと内科クリニック6

昔から体を動かすことが好きで、高校生の頃は空手で体を鍛えていました。また中学から始めたテニスは大人になった今でも続けており、たまに母校の後輩たちと練習試合をしているんです。教鞭をとる頻度は今後は少し減りますが、講義でもテニスでも学生たちとの交流は楽しいものです。彼らには人の気持ちがわかるドクターになってほしいと思っています。

最後に、今後の展望をお願いします。

地域の皆さんにとってのかかりつけ医と、咳やアレルギーの診療に高い専門性を持つクリニックとして、「おおとし内科クリニック」はほぼ完成された形だったように思います。今後は私の持つ呼吸器内科の知識も取り入れながら、これまでに培われた患者さんとの信頼関係を大切に、期待に応えられるような治療を提供すべく努力してまいります。

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