スポーツの外傷と障害に
全身を診る治療とリハビリテーション
そぶえ整形外科日野
(日野市/日野駅)
最終更新日:2025/03/07


- 保険診療
スポーツ中のケガや、テニス肘などスポーツを行う際の長年の癖が原因となって痛みが現れるスポーツ障害には、スポーツ整形外科に対応する整形外科クリニックが回復の助けになるのではないだろうか。一般的な整形外科が日常生活に戻るための治療を行うのに対し、スポーツ整形外科では、スポーツの現場に復帰することをめざした治療やリハビリを提供。「痛みが出ている部分だけではなく、プレー中の動作などを確認し、全身を診ることで原因を探ります」と語る「そぶえ整形外科日野」の祖父江省吾院長は、学生時代からスポーツに親しみ、現在はアスリートたちの診療に注力する、スポーツ整形外科のスペシャリストだ。同院のスポーツ整形外科では、どのように治療やリハビリを行うのか、患者にどんな指導をしているのか、詳しく教えてもらった。
(取材日2024年4月8日)
目次
スポーツを行う子どもから大人まで、ケガの回復や機能向上に向け指導。重要なのは、体の正しい使い方
- Qこちらはスポーツ整形外科を強みとするクリニックだそうですね。
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A
▲患者のスポーツ状況を聞いて治療を進めていく
私自身が学生時代にラグビーやサッカーをやってきたことに加えて、現在、地域のラグビーチームのチームドクターを務めていることもあって、スポーツ整形外科に力を入れています。スポーツ整形外科とは、スポーツをしていてぶつかったり転んだりした際に負った外傷と、スポーツをする度に小さい組織の損傷を繰り返して蓄積し、ある時大きな痛みとして現れる「スポーツ障害」、主にこの2つの治療にあたっています。骨折や脱臼、テニス肘、腱鞘炎、疲労骨折などもスポーツ整形外科で扱う症状です。当院ではラグビーの選手以外にも、部活動でスポーツをしている中高生、趣味でテニスやゴルフをしている年配の方も多く診ています。
- Q中高生から選手の方まで広く対応されているのですね。
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A
▲広々としたリハビリテーション室
スポーツの種目もさまざまですから、まずは何のスポーツをしているのかをお聞きし、どのポジションなのか、どういう動きが多いのかなども確認します。スポーツ障害の場合は痛みが出やすい動作や、プレーしてすぐに痛いのか、プレーしていなくても痛いのかといったことも細かくお聞きします。痛みが出てしまうのは、スポーツ中の動きに何かしらの原因があるため、問診がとても重要なんです。痛みの出る原因を見つけ、きれいなフォームを作れる正しい体の動かし方を、理学療法士とも連携して探っていきます。どこも痛めずにスポーツができている方は、その競技が上手な人という印象がありますので、パフォーマンス向上にもつなげていきたいですね。
- Qこちらで行っているリハビリはどのようなものでしょうか。
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A
▲体のバランスを確認して、指導を行う
一般的な整形外科では痛みの出ている局所の治療になるケースが多いですが、当院では原因を探り、姿勢や動作など全身を診て治療を行うことを大事にしています。リハビリも同様です。2階にあるリハビリ室で、理学療法士が症状につながる全身の姿勢や動かし方などを確認し、ケガの回復に向けて筋力トレーニングやストレッチ、先進の物理療法の機器を使用して、姿勢と動作の指導をします。併せて、パフォーマンスの向上と再発予防のための体づくりも行います。トレーニングを行う際は、なぜその場所のトレーニングが必要なのかも説明しています。患者さんの理解を得ると、よりスムーズにリハビリが行えるのです。
- Q理学療法士さんとの連携について教えてください。
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A
▲理学療法士である平田誠さんとの連携を大切にしている
診療室で行う注射治療など、一時的に改善が見込めても再発する可能性がある場合、リハビリのオーダーを理学療法士に出します。そのオーダーをもとに、理学療法士がスポーツの現場への復帰をめざしたリハビリを行います。当院の理学療法士はサッカー経験者で、私と一緒にスポーツの現場に帯同したこともあり、とても信頼を置いています。「局所だけではなく全身を診る」という点も共有し、トレーニングメニューなどを書いて患者さんに渡すなど、説明も丁寧です。また、作業療法士が在籍していることも当院の特徴です。特に手、肘、肩の疾患へのアプローチを得意としていて、理学療法士と連携しながら現場復帰をサポートしています。
- Q患者さんにどのような指導をされていますか?
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A
▲正しいフォームの指導もセルフケアにおいて重要となる
体が硬いと正しいフォームが取れずに負担がかかり、スポーツ障害につながってしまいます。リハビリではそれを改善することを目的に、トレーニングやストレッチを指導するのですが、痛みなどの症状がなくなったからといってトレーニングやストレッチを止めてしまう方が多いんです。すると再発し、同じ症状を繰り返してしまいます。ですので、良くなっても続けることが、長くパフォーマンスを保つ秘訣であることをお伝えしています。また、早期復帰に関しても手助けをしたいと考えています。患部の治療期間を早めるのは難しいですが、治療後、スムーズに元のパフォーマンスに戻れるよう、治療中にもできるトレーニングの指導を行っています。