四十肩・五十肩など
長引く肩の痛みや肩こりにもアプローチ
そぶえ整形外科日野
(日野市/日野駅)
最終更新日:2024/05/08
- 保険診療
肩凝りは、普段の生活の中での行動が大きく関係するため、なかなか改善せずに長くその症状と付き合っている人も多い。腕が上がらなかったり、腕が背中に回らなかったりする四十肩や五十肩をはじめとする方の痛みも、クリニックにかかるほどではないと放置している人はいるのではないだろうか。実際、整形外科ではどのように改善をめざすのか、大学病院での専門治療にも携わってきた「そぶえ整形外科日野」の祖父江省吾院長に話を聞いた。「肩の痛みの原因に多い姿勢の悪さを修正するため、当院では肩だけではなく、下半身、体幹、体の使い方など全身にアプローチします」と教えてくれた祖父江院長に、その内容についてや肩の痛みの原因、予防方法に至るまで解説してもらった。
(取材日2024年4月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q肩に痛みを感じる原因としてどのようなものがあげられますか?
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A
肩は骨と筋肉、靱帯、神経で構成されているのですが、エックス線画像を見ると骨に異常のある方は少なく、筋肉や靱帯が原因の方がほとんどです。筋肉や靱帯に問題が起こる原因の多くは、普段の姿勢です。姿勢が悪くなると肩をスムーズに動かせなくなり、痛みが出てきます。痛いところをかばって動かさなくなると硬くなり、硬くなったものを動かそうとするとより負担がかかって痛みを感じるという、良くないサイクルになってしまうのです。四十肩・五十肩は肩関節周囲炎または凍結肩と言い、肩の関節周りの炎症が原因で、痛みなどが生じます。また、肩の痛みの中には腱板断裂といったケガをしている場合のほか、首のほうに問題がある方もいます。
- Qどれくらいの痛みを感じたら受診すればよいでしょうか。
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A
動かすと痛い、ある動作をすると毎回痛いといった症状があったり、日常生活に不便が出ているようならば受診を検討してください。もちろん、動かさなくても痛い、痛くて夜も眠れないといったときもいらしていただきたいです。肩の痛みは放っておくと「拘縮(こうしゅく)」といって、関節が硬くなり、関節周りの筋肉も硬くなって、正常な動きができない状態になってしまいます。拘縮を起こすと改善をめざすのにも時間がかかりますから、拘縮を起こす前に来ていただきたいですね。
- Qこちらでは肩の痛みに対してどのような診療を行っていますか?
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A
当院では体に大きな負担を与えずに行える保存療法によって改善をめざしています。まずは問診、触診を行いますが、一番重視しているのはどういう動作で痛いのか知ることです。それが治療のターゲットとなります。そして、エックス線検査や超音波検査で原因を探ります。原因によっていくつか治療の選択肢がありますが、肩の痛みが強い場合は、炎症が強いため、炎症を抑える目的の注射を打ちます。腱板断裂などがある場合は、リハビリテーションへとつなぎます。肩の症状に悩まされている方は多いのですが、実は、肩は整形外科の中でも難しい関節なんです。私は大学病院などで肩の治療経験を重ねてきましたので、さまざまな肩の症状に対応できます。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1医師の問診、触診を受ける
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肩の痛みがどのようなときに出るのか、睡眠を妨げるほどの痛みがあるのかなど、症状についての質問から、普段の姿勢や肩の痛みにつながりやすい行動がないかなど、日常生活、仕事の環境のことまで、問診で聞かれる内容は幅広い。触診を受け、実際どのようなときに痛みが出やすいのかなどの動作も確認。それらから、治療の方向性が決まる。
- 2検査を受けて治療計画を聞く
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肩の検査ではエックス線検査、超音波検査の2つが行われる。エックス線検査は骨、超音波検査では筋肉や靱帯を評価。超音波検査機器は各診療室内に設置されており、放射線被ばく量を気にすることなく受けられる。問診と検査結果に基づき、治療計画が提案される。治療は主に2つの段階に分かれていて、痛みが出ているときはまず痛みを抑えることをめざし、その後に必要に応じてリハビリに移る。
- 3医師と理学療法士が連携
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診療室内での治療は医師が対応するが、同院の2階で行うリハビリの段階は理学療法士と連携して治療が進められる。理学療法士は医師からリハビリのオーダーを聞き、理学療法士自らも患者にヒアリングや関節の状態を確認した上で、リハビリを進めていく。今後の痛みの軽減を図るためには、肩だけの改善をめざすのではなく、肩以外の全身の動きも修正することも重要なため、理学療法士によるリハビリが重要な役目を担う。
- 4痛みの軽減をめざすリハビリ
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痛みの軽減をめざしてリハビリを行う、併せて、どのような時に肩が痛くなるのか、実際の動きを理学療法士が確認。本来の体の動き方と患者の動き方との差を見て、正常な動きから逸脱しているところがあるかチェックする。姿勢の悪さが肩に負担をかけている場合は、足の筋力トレーニングやストレッチの指導を受けることもある。肩だけではなく、下半身へのアプローチも行い、体幹、日頃の姿勢、体の使い方なども修正していく。
- 5定期的な通院と予防
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継続して通院し、全身の動かし方から肩の痛みの軽減をめざしていく。予防に関しても医師や理学療法士から指導が受けられる。例えばデスクワークをしている患者の場合、体が前のめりになったり、目線や頭が下がったりすることは肩や首に良くない姿勢だ。何時間も同じ姿勢を続けることも肩の痛みにつながるため、パソコン画面の高さを上げる、10分に1回でも体を動かすなど、実践しやすい予防方法も指導。