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荻野 枝里子 院長の独自取材記事

耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前

(京都市下京区/京都駅)

最終更新日:2024/02/29

荻野枝里子院長 耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前 main

「耳鼻咽喉科・アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前」は、JR京都線・京都駅から徒歩約1分という便利な場所にある。大きな窓から京都駅ビルを望む待合室は、木目調のインテリアで統一され、リラックスできる雰囲気が心地良い。院長を務める荻野枝里子先生は、副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、喘息、嗅覚障害など、「空気の通り道」のトラブルに、より専門性の高い医療で対応したいと同院を開院した。一人ひとりの患者に合わせた治療の提供をモットーに、患者に寄り添った診療を、日々実践している。難治性の疾患を抱える患者にも根気強く向き合う荻野院長に、診療のポリシーや力を入れている診療、今後の目標などについて話を聞いた。

(取材日2024年2月7日)

便利な場所に副鼻腔炎と嗅覚障害のクリニックを開院

副鼻腔炎と嗅覚障害を専門領域とされているそうですね。

荻野枝里子院長 耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前1

はい。京都大学で副鼻腔炎の手術を担当していた当時、好酸球性副鼻腔炎と呼ばれる難治性の患者さんの中には、従来の手術では改善が見込めないケースや、手術をしても再発するケースもありました。それまでは副鼻腔に膿がたまる蓄膿(ちくのう)症と呼ばれる症状が中心でしたが、近年はアレルギー性鼻炎や喘息と合併したアレルギー性の副鼻腔炎が増えたことがその要因です。難治性の副鼻腔炎の方の中には嗅覚に問題を抱えておられる方も多く、そうした方々に対してしっかりとした知識をもとにした治療を提供したいと考えて、嗅覚やアレルギー、気管支喘息についての研鑽を積んでまいりました。

現在の場所で開院された理由を教えてください。

嗅覚を専門にしているクリニックはそれほど多くないため、遠方の患者さんでも受診しやすい場所として京都駅前を選びました。この場所なら、京都市内に生活の中心がある方はもちろん、京都府内や滋賀、大阪、奈良から通われる方にも便利な場所だと思います。また、副鼻腔炎は働き盛りの方に多いのにもかかわらず、忙しくて受診できない方が少なくありません。そうした方々のために、仕事をしながらでも通いやすいクリニック、設備の整った手術室を備えて、診療から手術までトータルに対応できるクリニックをめざして開院しました。

嗅覚障害はどのようにして起こるのですか?

荻野枝里子院長 耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前2

嗅覚障害の原因で最も多いのは副鼻腔炎ですが、風邪をひいた後に起こる感冒後嗅覚障害や加齢、交通事故が原因で起こる場合もあります。聴覚などと違い、周囲の人に気づいてもらえないことが多く、それが患者さんを苦しめています。さらに、嗅覚がダメージを受けると、食事をおいしいと感じられなくなり、中には「色彩を感じられなくなった」と表現される患者さんもおられたことを覚えています。また、ある患者さんは、散歩の時に蝋梅(ろうばい)の香りを感じられなくなったと来院されました。蝋梅は一般的な梅の花よりも早く咲き、優しい香りが特徴の花です。その患者さんを診療して以来、私も散歩の際は、季節ごとの花の香りを楽しむようになり、暮らしの中で香りが楽しめるありがたみや嗅覚を取り戻すための治療の大切さ、医師としてのやりがいを実感しています。

嗅覚障害にはどのようなアプローチをするのですか?

副鼻腔炎が原因の場合、内服薬の治療の効果がない場合は手術治療を検討します。その他の嗅覚障害に対しては嗅覚トレーニングを取り入れています。匂いを感じる嗅神経の一部がダメージを受けて嗅覚の機能が不完全な状態でも、脳は以前に嗅いだ匂いを記憶しているので、トレーニングによって嗅神経と脳との間のネットワークの再構築を促していくのです。例えば、「レモンと唱えながら嗅いでください」とレモンの匂いがしたアロマオイルを渡します。「レモン、レモン」と唱えながら嗅ぐことで、脳に入る嗅覚の情報と記憶の中のレモンの匂いを統合させていくことができます。まずは1年、その後も年月をかけて根気強くトレーニングを行います。

難治性疾患の患者にも根気強く寄り添い続ける

先生の診療ポリシーを教えてください。

荻野枝里子院長 耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前3

「諦めない医療」を大切にしています。当院には難治性の疾病を抱える方も受診されますが、「治らないから諦めてください」とは言えません。患者さんはご自身の病気を諦めるわけにはいかないですから、私たちも根気強く寄り添って、どの治療が良いのか、日常生活での過ごし方やケアの方法も含めともに考え実践していきたいと思っています。時には励ましたりすることも医師の大切な役目です。患者さんには、「ここに来れば病気にともに向き合い続ける医師がいる」という安心感を少しでも持ってもらえたらと思っています。

日帰り手術にも力を入れていらっしゃいますね。

難治性の好酸球性副鼻腔炎の患者さんの割合が高いのが特徴です。麻酔科の医師の管理のもと、患者さんに合わせて全身麻酔もしくは局所麻酔をして手術を行います。当院の場合、鼻の日帰り手術の経験が豊富な看護師などスタッフ体制が充実しており、患者さんにとって安心材料になるのではないでしょうか。自身が鼻の手術を経験したスタッフもおり、患者さんの気持ちに寄り添うことができるかと思っています。また、平日は忙しい、休みが取れないという方も受診しやすいように、土曜日の手術にも対応しています。日帰りで手術を行った場合でも、数日は注意が必要です。このため、すべての方が週明けの月曜日から仕事にしっかり復帰できるとは限りませんが、土曜・日曜があることで平日に仕事をセーブしなければならない負担を軽減できるのがメリットです。

喘息の治療にも熱心に取り組まれていると伺いました。

荻野枝里子院長 耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前4

喘息というと、耳鼻咽喉科の領域ではないように思われますが、副鼻腔炎と合併するケースがとても多く、鼻の状態が悪くて喘息になる方もおられます。このため、開院前から呼吸器内科の先生と協力して治療に取り組んでいきたいと考えていました。難治性の副鼻腔炎や喘息は30〜50代の働き盛りの方に多いので、通院のために時間を取るのが難しいのが現状です。平日の昼間は通院が難しいという方も多いため、耳鼻咽喉科と呼吸器内科の専門的な診療を、働き盛りの人が通いやすい場所・時間に提供したいという思いがありました。現在は週1回、土曜の午後に喘息を専門とする呼吸器内科の医師に来ていただき、喘息で悩んでおられる患者さんを診てもらっています。隣り合った診療室で患者さんを診ることで、私自身の喘息治療もより精度の高いものとなり、呼吸器内科医にとっては鼻の症状を合併している患者さんへの対応をスムーズに行うことができる良さがあります。

一人ひとりにとってより良い治療を考える

医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

荻野枝里子院長 耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前5

幼い頃によく遊んでくれた曽祖母を病気で亡くしたことが直接のきっかけです。医師になるまでに何度もくじけそうになりましたが、そのたびに、「お医者さんになっておばあちゃんを治すよ」と、約束したことを思い出して頑張りました。耳鼻咽喉科を専門に選んだのは、内科的アプローチと外科的アプローチの両方で患者さんを診ることができ、さまざまな治療法の中から、その患者さんに合った治療を検討できるところに魅力を感じたからです。

どのようなクリニックをめざしていますか?

花粉症やアレルギー性鼻炎、喘息、副鼻腔炎といった「空気の通り道」の疾患をトータルに診療できるクリニックをめざしています。手術だけではなく、年々進化しているお薬を使った治療など幅広い治療の選択肢に対応して、患者さんとしっかり相談した上で、その方に合った治療を提供できるクリニックでありたいと考えています。これまでは、疾患ごとに段階的な治療の手順が決められていましたが、近年は一人ひとりの患者さんの状態はもちろん、お仕事の内容や家庭環境などさまざまな条件に合わせて治療を提供するオーダーメイドの診療が主流になっています。とりわけアレルギー疾患は上手に付き合っていくことが求められるため、病気が生活にできるだけ支障を及ぼさないように、複数の治療を組み合わせるなどしてより良い治療を考えていきたいと思います。

何か将来的な目標はありますか?

荻野枝里子院長 耳鼻咽喉科 アレルギー科 おぎのクリニック京都駅前6

私がめざす医療は一人では実践できません。専門的な知識を持った医師やスタッフの協力が不可欠なので、当院をチーム医療を実践できるクリニックにすることが目標です。複数の専門家の意見を反映させることで、信頼性の高い診療の提供にもつながると思います。患者さんにとってより良い方向性を考える、ナビゲーター役になりたいと考えておりますので、治らないと諦めておられる方も、ぜひ一度ご相談にいらしてください。

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