稲田 大悟 院長の独自取材記事
入船整形外科リハビリテーションクリニック
(浦安市/新浦安駅)
最終更新日:2025/09/12
JR京葉線・新浦安駅から徒歩5分。「入船整形外科リハビリテーションクリニック」は、地元、浦安市で育った稲田大悟院長が前院長から引き継ぎ、2023年12月に開業したクリニックだ。リニューアルに伴い、運動療法スペースを新設し、理学療法士によるリハビリテーションも開始した。稲田院長の専門は脊椎で、10年以上救急医療に携わった経験から、患者の体全体をスクリーニングする視点で診察できることが同院の強みとなっている。忙しい日々の合間には、子どもをプールに連れて行ったり、スキーを教えたりと優しい父親の一面も持つ稲田院長に、診療の特徴や運動療法によるリハビリテーションについて話を聞いた。
(取材日2025年5月27日)
自身が育った街で地域医療に貢献
前院を引き継ぎ、リニューアル開業をされて2年目になります。

当院は、20年の歴史があった前院である整形外科を継承し、新たに運動療法のリハビリテーションを取り入れた形で、2023年に開業しました。それに伴い名称を「入船整形外科リハビリテーションクリニック」と変更した他、院内も全面改装いたしました。前院長が地元で築かれた信頼を大切にし、地域の方々の健康を守るために日々尽力しています。前院も一般外来の他にリハビリテーションを行っていたのですが、けん引や超音波治療など器具を使う物理療法がメインでした。当院は、それら物理療法に加え、3人の理学療法士による運動療法も開始しました。この地域はファミリー層が多くお子さんも多いため、お子さんのケガにも積極的に対応しています。そのため院内には、お子さんの待合室となるキッズスペースも設けています。
開業までのご経歴を教えてください。
琉球大学を卒業し、千葉大学附属病院や関連病院で勤務した後、2015年からは千葉県総合救急災害医療センターに勤務し、2019年からは同センターの整形外科部長を務めました。重症の患者さんを救命する仕事には非常にやりがいを感じていたのですが、今後は一般的な整形外科疾患も診ていきたいと思っていたところ、このクリニックを継承するお話をいただき、お受けしたのです。前職では手術がメインでしたが、手術ですべての症例の改善が図れるわけではありません。患者さんがリハビリテーションや通院によって回復するためのお手伝いをしたかったことが、開業の決め手となりました。
こちらのクリニックでは、どのような治療が受けられますか?

腰、首、肩、膝などの骨や関節、筋肉の痛みやしびれなど、多様な症状に対応しています。不調の原因を突き止め、痛みや不快な症状を軽減していくためのサポートをします。外傷、骨折、関節痛、腰痛、スポーツ障害など適切な診断をした上で、患者さん一人ひとりの社会的な背景や、その方がめざす治療のゴールを丁寧に聞きながら、ニーズやライフスタイルに即した治療方針を提案します。日常生活においてそれぞれの体の部位が最大限に機能できることをめざして、けん引や電気治療をはじめとする物理療法、理学療法士による運動療法も必要に応じて取り入れながら、患者さんが抱えているお悩みの症状を少しずつでも解決できるような治療を目標としています。当院で対応できない手術が必要な患者さんなどには、近隣の連携病院にスムーズに紹介できるように連携を取っています。
理学療法士と前向きに取り組むリハビリテーションを
患者さんの年齢層や、多く見られる症例は何でしょうか。

患者さんの年齢層は、お子さんからご高齢の方まで幅広いですね。症例についてもお悩みは人それぞれです。傾向としては、高齢になると腰痛や膝の痛みがどうしても多くなりますね。お子さんのケガですと、小学生くらいからスポーツ疾患が増えてきます。昔と同じく、サッカーと野球によるケガが多い他、この頃は激しいダンスが流行っているせいか、ダンスによるケガが増えてきました。20代~30代の若い世代は、腰痛や首の痛みが多く見られます。長時間のデスクワークが影響していることはもちろん、スマートフォンの普及により、多くの方がストレートネックになっていることが気になっています。首や首周りの筋肉の緊張が顕著となるのが、この疾患の特徴です。
得意な診療を教えてください。
専門である脊椎の多くの症例を診てきた経験や、長年救命救急診療に携わってきたことをもとに、幅広い視点で診療できることです。また、脊椎疾患の治療の一つとして、痛みを和らげるために神経ブロック注射を取り入れています。当院はエックス線透視撮影装置を導入しており、それを用いて関節や神経の通り道などを透視しながら、患部に注射を打つ方法を行っています。骨の影になっている部分にも注射薬を届けやすく、幅広い部位に行うことができ、痛みの軽減が期待できます。さらに、DXA法を用いた機器で骨密度を測定しています。性能の高さにこだわった検査機器で骨密度を精密に計測することで、患者さんご自身に骨の状態を把握していただき、骨折などから身を守るための生活習慣をアドバイスしています。
運動療法のリハビリテーションに力を入れていらっしゃいます。

現在3人の理学療法士が運動療法を行っているのですが、もう1人増やして4人体制にしていきたいと思っています。当院の理学療法士は、患者さんの身体の状態を把握し、問題点を指摘して適切な指導を行うため、患者さんからの支持が高いことが特徴です。リハビリテーションはマッサージと異なり、理学療法士から指導されたことを患者さんご自身が続けていくことに意味があります。保険診療に、リハビリテーションは初診日から150日間という制限が設けてあるのも、そのための目安と考えています。リハビリテーションを通しても筋肉をつけるには時間がかかりますし、痛みを感じることもあると思いますが、コミュニケーション能力の高い当院の理学療法士のもとで、明るく前向きな気持ちでリハビリテーションに取り組んでいただきたいと願っています。
日常の些細な困り事の相談先に
診療時に心がけていることを教えてください。

患者さんの話をしっかり聞くことと、症状がある箇所を触ることです。エックス線撮影での画像も確認しますが、患部に直接触れることでわかることは多く、それが適切な診断につながるのです。整形外科の領域は、加齢とともに症状が増えていくものです。しかし根治は難しくても日々の生活でうまく付き合い快適に過ごせる方法を考えて、患者さんに提案しています。
診察は効率性重視のために予約制を採用しているそうですね。
一般外来の診察は「時間帯予約制」を導入しています。基本は予約制ですが、急な痛みやケガの場合は飛び込みの患者さんも受けつけています。予約の方の間の診察となりますので、場合によっては長くお待ちいただく可能性もあります。また、理学療法士による運動療法は、ウェブ予約ではなくクリニックでの直接予約のみで受け付けています。
医師をめざしたきっかけと、整形外科を選ばれた理由は何ですか?
医師家系ではなかったのですが、理系の学問が好きで、将来は何か手に職をつけたいと思い、医学部受験を決めました。幸いなことに合格することができ、医学を学び始めて内科系と外科系のどちらが自分に向いているか考えた時に、性格的には外科系が向いていると思ったので、最終的に整形外科を選びました。日本整形外科学会整形外科専門医を取得後、さらなる専門性を高めるために千葉大学附属病院時代は脊椎を専門に学びました。周りの環境に影響を受けながら学びを重ねてきましたが、世のため人のためになる素晴らしい職業につくことができて、感慨深く思っています。
今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

来院されるのは、痛みを抱えている方や、今までできていたことができなくなってしまった方で、その症状にお悩みの方です。命に直結する症状ではなくとも、慢性的な疾患は患者さんにとって大きなストレスとなります。患者さんの痛みの緩和を図り、患部がスムーズに動かせるようになるために、一人ひとりに適した診察と治療を提供し続けることが目標ですね。些細なことでも構いませんので、日常生活での困り事があったり、少しでも痛みが気になる部位があったりする場合には、お気軽に当院にご相談に来ていただければと思います。スタッフ一同でお待ちしています。地元の皆さんの日常が少しでも快適なものになるよう、これからも地域のかかりつけ医としての役割を果たしてまいります。

