浦島 崇 院長の独自取材記事
うらちるクリニック
(港区/神谷町駅)
最終更新日:2025/09/25
ビジネス街のイメージが強い神谷町だが、近年、タワーマンションが増え、子育て世代が増加している。一方、地域に小児科のクリニックは少ないため、浦島崇院長は、「地域住民の役に立てるのではないか」という想いで、2023年、神谷町駅から徒歩1分の高層複合タワー内に「うらちるクリニック」を開院した。クリニック名の由来は、「うらしまチルドレンクリニック」を略したものだという。同院では、東京慈恵会医科大学附属病院や総合母子保健センター愛育病院の小児科で経験を積んだ浦島院長が、小児科全般の診療から、心疾患や内分泌疾患、発達段階での悩みまで幅広く対応。充実の健診体制も特徴で、小児の健康診断として「学童健診」や「ジュニアアスリートチェック」を提供している。浦島院長に、これまでの歩みやクリニックの特徴を聞いた。
(取材日2025年8月28日)
幅広く小児科診療に対応し、健診も充実
どのようなお悩みでの受診が多いですか? 地域性はありますか?

小児科全般に幅広く対応していますので、さまざまな症状、お悩みの患者さんがいらっしゃいますが、特に発熱や風邪、下痢症状などを訴える保育園児のお子さんが多い印象です。このエリアにお住まいの方は共働き世帯が多いので、お子さんが幼い頃から保育園での集団生活を送る中で、感染症に罹患しやすいんですね。ですから、付き添いのご家族には、感染症対策のアドバイスをお話ししています。また、地域性という点では、インターナショナルスクールに通うお子さんや、留学、小学校受験をされるお子さん、海外赴任をなさるご家庭も多いことから、自由診療での健康診断「学童健診」も実施しています。
「学童健診」について、詳しくお聞かせください。
学校教育法第一条に規定される学校では、毎学年定期に健康診断を行わなくてはならないと定められていますが、インターナショナルスクールなど第一条に規定されていない学校では行われないことも多く、海外の学校も同様です。そのため、インターナショナルスクールに通っていたり、海外在住で一時帰国されたお子さんの健康管理のために健診を希望される方が多いです。また、小学校受験や長期海外渡航の際に健康診断書の提出を求められることもあります。当院では、そういったお子さんを対象にした健診を「学童健診」として提供しています。問診・聴診・血圧・脈拍・身長・体重といった一般健診、胸部エックス線検査、心電図検査が基本コースになります。追加項目として、心臓超音波検査、尿検査・血液検査、アレルギー検査、甲状腺検査、微量元素検査、簡易視力検査が可能です。
「ジュニアアスリートチェック」という運動する子どものためのメディカルチェックも行っているそうですね。

自分自身、スポーツが好きで、学生時代から続けている剣道は六段、マラソンも好きで東京マラソンも何度も完走しています。子どもにスポーツを安全に楽しんでほしいという想いで取り組んでいる健康診断が「ジュニアアスリートチェック」で、運動ができる健康状態かどうか、心電図検査や心臓超音波検査でチェックするというものです。また、アスリートは大会や試合に出場する際などに医師によるメディカルチェックが求められることが通例ですが、子どもたちもクラブチーム加入のタイミングなどに突然死を含む重大な事故を防ぐ目的でメディカルチェックが求められることがあり、そういった目的で検査を受けるお子さんもおられます。
患者家族と信頼関係を築き、高度医療機関と密接に連携
医師としての歩みをお聞かせください。

年の離れた兄が小児科医になったことに影響を受け、医師をめざすようになりました。医学部入学当初は小児科に行くことを決めていなかったのですが、研修医時代に、お子さん本人や親御さんが喜んで帰っていく姿をたくさん目にし、そこにやりがいを感じて、小児科医の道を選びました。中でも循環器を専門分野とし、米国留学で心臓病の基礎研究も行いました。東京慈恵会医科大学附属病院や埼玉県立小児医療センター、総合母子保健センター愛育病院で、心疾患や内分泌疾患の診療も経験し、重症例も診てきました。
大学病院との連携も、クリニックの強みの一つだそうですね。
これまで私が勤務してきた東京慈恵会医科大学附属病院や総合母子保健センター愛育病院に加え、虎の門病院とも連携して診療しています。愛育病院や東京慈恵会医科大学附属病院には信頼できる後輩医師たちがいますので、安心して紹介することができます。当院を受診した結果、もしそういった病院での診療が必要になった場合は、速やかにご紹介します。例えば、肺炎や喘息を発症していて入院が必要なケースや、まれなことではありますが先天性心疾患などが発見された場合は、提携病院にバトンタッチいたします。逆に言えば、そういったケース以外、だいたいのことは当院で対応できると思っています。
診療の際には、どのようなことを心がけていますか?

和気あいあいとした雰囲気で、お子さんが怖がらないように、スタッフ一同、対応しています。診察で最も大切にしているのは、保護者の方々としっかりコミュニケーションを取ることです。病気のことだけでなく、お子さんの性格や発達歴、親御さんの仕事環境、家族的なバックグラウンドなども聞きながら診療し、治療計画を考案しています。ですから、当院では雑談しながら診療することが多いかもしれませんね。気軽に雑談ができて、お子さんにも泣かれないように、和やかな雰囲気を意識しています。スタッフも、患者さんのご家族のお名前を覚えたり、兄弟姉妹なども把握して接しています。こうした取り組みが、患者さんやご家族との信頼関係に結びつくと思うんです。
発達の相談や生活習慣のアドバイスで成長をサポート
発達段階での悩みにも対応していると聞きました。

これまで東京慈恵会医科大学病院と愛育病院で数多くの乳幼児健診と急性期疾患を長年担当してきた診療実績を生かし、お子さんの発達についての相談に応じています。当院では乳幼児健診を行っていますので、生まれてすぐの頃から診させていただき、何かあれば適切にフォローいたします。当院には、発達や内分泌疾患など、小児医療の各分野を専門とする医師も非常勤で診察にあたっており、さまざまなお悩みに対応可能です。身長が伸びない・体重が増えないといった成長障害や、思春期早発症などの内分泌疾患の悩みだけでなく「他の子よりも親離れが遅いかもしれない」といったご相談でも構いません。何でも気兼ねなくおっしゃっていただきたいです。
最近のお子さんの発育などについて、何かアドバイスはありますか?
運動は心身の健康、発達に不可欠だと考えています。しかし、運動不足のお子さんが増えていると感じます。今はゲームなどインドアの遊びが好まれる上、特に都心では、屋外で思いきり体を動かして遊ぶ場所も少なく、中学受験をするお子さんが増えて、勉強時間が増えることも運動不足の原因になっています。さらに、夜遅くに塾から帰った後に夕食を食べるというような生活により、食生活が乱れていることもあるでしょう。そういうお子さんに何か治療をすることはないですが、短時間でもできる運動法をお伝えするなど、生活習慣についてアドバイスするなどして健全な発育をサポートできればと思っています。
最後に、読者の皆さんへのメッセージをお願いします。

これまで大きな病院で、重症の患者さんを治療することにもやりがいを感じていましたが、当院で診察する中で、自分が担当した患者さんの成長を見守ることができることが、地域のクリニックのやりがいだと感じています。お子さんの健康と成長を、保護者の皆さんと一緒に長く見届けられる存在になりたいですね。そして、何か不安なことがあったら、どんなことでも気軽に相談していただきたいです。必要であれば連携する病院へご紹介できますので、大きな病院へ行くかどうか迷ったときの橋渡しのような存在も担えればと思っています。20年以上、港区内で小児科の診療に携わってきた経験をもとに、患者さんとそのご家族に安心して受診していただける医療を提供していきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは学童健診/1万780円~

