歯を失う根本原因に着目
矯正歯科医が行うインプラント治療
もこもこ歯科・矯正歯科
(西宮市/甲陽園駅)
最終更新日:2025/03/14


- 自由診療
虫歯や歯周病、歯並びの不良などの不正咬合による歯の破折などで不幸にも歯を失ってしまった場合、それを治療で補うには相応の時間や費用がかかるもの。今後は長期にわたって口腔内を健康に保ち、トラブルの再発を回避することが何よりも重要な目標となる。こうした予防的な観点からインプラント治療に臨み、それと並行して矯正治療の専門家としてもさまざまな症例に対応しているのが「もこもこ歯科・矯正歯科」の山田哲也院長。インプラントと矯正という2つの治療にはどのような相関関係があるのか、これから治療を受けようとするならぜひ知っておきたい知識や選択の重要ポイントを山田哲也院長に聞いてみた。
(取材日2025年2月21日)
目次
メリットの多いインプラント治療。先に歯列矯正を行うことで、効率的に理想の口内環境へと近づけてゆく
- Qまずはインプラント治療のメリットデメリットを教えてください。
-
A
▲技術の進歩とともに、より患者の負担を抑えた治療が可能に
インプラント治療は生体親和性の高いチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め、その土台の上に人工歯を形成します。天然歯のような噛み心地と見た目が期待でき、部分入れ歯やブリッジのように周りの歯に負担をかけることもありません。外科手術を伴いますが、技術の進歩もあって痛みや腫れなどは大幅に軽減し、親知らずを抜くより楽と表現されることも。ただし、自由診療のため相応の費用負担を伴うこと、全身疾患や長期間のステロイド服用があると適応しない場合があることなどがデメリットとして挙げられます。以前は顎の骨が不足している場合も禁忌とされていましたが、骨造成を行うことで治療可能な状態になることが期待できる場合もあります。
- Qどのような人に適していますか?
-
A
▲80歳以降も24本の歯を保つためにも、早めの予防が重要
もし不幸にして歯を失ったとしても、治療でしっかりと補い、残りの健康な歯とともに良好な口内環境を末永く保っていきたい。そうした思いが強い方にこそインプラント治療がお勧めです。80歳を過ぎても20本の歯を保とうという「8020運動」がありますが、現代の食生活や健康寿命などを考えると大臼歯を含めて24本は必要で、それを実現するには若いうちからの予防が極めて重要です。20〜40代でも、いつ歯が割れてもおかしくないような状態の方は意外に多いもの。まずは将来に起こり得るトラブルを予測し、万が一歯を失った場合は安易な方法で解決しようとせず、しっかりと再構築していくことが何より大切なポイントといえるでしょう。
- Q矯正とインプラント、両方の専門的視点が重要と聞きました。
-
A
▲2つの専門的な知識があるからこそ、多角的な対処が可能に
治療に先立って必要なのは、その歯を失った原因を解明し、よく理解した上で対処すること。若くして歯が割れるのは事故でもない限り主に歯並びに原因があり、そこを解決しない限り、インプラントを入れても同じことの繰り返しになってしまいがちです。清掃性が悪いために歯周病や虫歯が悪化し、歯が抜け落ちたケースも同様です。そこで必要となるのが歯列矯正。歯列と噛み合わせに最初にアプローチして、その後にインプラント治療を行うことで、生涯にわたって保てるような理想的な口内環境をめざします。この順番が逆で、インプラントを入れた後に矯正をしても動かせませんから、矯正とインプラント、両方に知識のある歯科医院に相談しましょう。
- Q費用面についてお聞きします。
-
A
▲患者一人ひとりの背景に寄り添った提案を行っている同院
インプラント治療は人工歯の種類によっても費用は異なりますが、自由診療ですし、そこに矯正のコストが重なると確かにかなりの出費となります。しかし人の天然歯は安く見積もっても1本100万円以上の価値があるといわれており、特に若い方の場合は今後の永い人生をよく考えた上で結論を出す必要があるでしょう。また、例えばご高齢で矯正までは難しいという方には、歯ぎしりや噛みしめでの歯の破折を防止するマウスピースを就寝時にだけ装着してもらうなどの改善策も存在します。要は、皆さんがどのような生活を望まれるか。人それぞれに生活スタイルや価値観がありますから、それに添ってご提案していくのも私たち歯科医師の務めです。
- Q治療期間や治療後のメンテナンスについて教えてください。
-
A
▲患者にしっかりと伝わるよう、時には模型も用いながら説明を行う
インプラント体の埋入手術後、顎の骨と結合するまでに原則は下顎で約3ヵ月、上顎で約4ヵ月が必要で、治療期間全体で半年程度。骨造成などを伴う場合は1年がかりになるとお考えください。そして治療が終わった後も、歯科医院での定期検診が絶対に欠かせません。人の歯は横になって寝たり左右非対称の運動をしたりするだけで位置が微妙に変化しますが、インプラント歯だけは動かないので歯並びの狂いから大きなトラブルを起こすケースも。従って、メンテナンスではクリーニングだけでなく、歯並びのチェックが重要な項目となります。なぜ歯を失ったのか、何のためにインプラント治療を受けたのか、それだけはどうか忘れずにいてください。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/税込み45万円/1本、骨造成/税込み8万8000円~、大人全顎矯正(マウスピース型装置を用いた矯正)/税込み86万9000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。