身体の機能面からアプローチ
専門のトレーナーによる予防医療
あやこいとうクリニック
(渋谷区/代官山駅)
最終更新日:2021/10/12


予防医療に力を入れる「あやこいとうクリニック」では、フランス・パリ生まれのフロアバレエメソッドと、スポーツコンディショントレーニングを取り入れている。院内には専用スタジオを設け、それぞれ専門のトレーナーが指導。自身も長くスキーに親しみ、スポーツ医療にも詳しい伊藤史子院長は、自らフロアバレエメソッドを体験し、柔軟性の向上や肩凝りの改善、体の左右差に気づき、ゆがみが矯正されていくプロセスを理解したという。身体機能の向上は、スポーツ選手だけでなく高齢者にとっても重要だ。けがの予防だけでなく、関節磨耗や腰痛の軽減、呼吸機能の向上や筋力低下予防にも役立つという。体の機能面からアプローチする予防医療について、伊藤院長に話を聞いた。
(取材日2017年11月13日)
目次
自分に合ったトレーニングで筋肉を動かし「5年前より若い5年後の自分」を維持する
- Q身体機能向上のためのトレーニングとはどのようなものですか?
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A
▲患者の話に耳を傾け、その人に合った提案を行っている伊藤院長
体の機能面からアプローチする予防医療の一環として、フロアバレエメソッドとスポーツコンディショントレーニングを取り入れています。フロアバレエメソッドは、床の上で重力を逃がしてバレエを行うレッスンで、フランス式のバレリーナの育成方法の一つ。ずっと爪先で立っているため膝や腰などを壊しやすいバレリーナをなるべく故障させず、バレリーナとしての寿命をできるだけ長くするという目標で始まったメソッドです。自分の動かしたい筋肉、一つ一つの筋肉を別々に動かせるぐらいの感覚を養うことで、背筋と腹筋のバランス、横隔膜を上下しウエストを絞る、どの体勢でも身体がぶれなくなることで捻挫なども予防します。
- Qフロアバレエメソッドはどのような人に適応されるのですか?
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A
▲トレーニングルーム。スポーツ選手も来院する
ヨーロッパではプロのサッカー選手や野球選手のけが予防として取り入れられ始めていますし、70歳くらいのリタイヤしたバレリーナが体作りのために行うこともあります。年齢が高いからできないということはないんですね。いつもと違う体の動きをすることで、忘れていたシナプスがつながってくるんです。当院にもスポーツ選手や若い方も来院しますが、それだけでなく高齢者がけがをしないで健康に過ごせる「身体機能」維持のためにも取り入れています。自分が行きたい所に自分の足で行く、やりたいことが自分の体でできる。あらゆる年代のそれぞれの目標達成のために行うメソッドです。
- Qスポーツコンディショントレーニングはどのようなものですか?
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A
▲自分の体と向き合うことができる
故障した野球選手を再び1軍に戻したり、駅伝やマラソン選手のメンテナンスを手がけたりしてきたトレーナーが指導しているトレーニングです。彼女は、歩くとか何かを拾うなど体の動きを見ただけで、バランスの悪い箇所や痛みの原因がだいたい判断がつくそうです。コンセプトはフロアバレエメソッドと同じく、筋肉一つ一つを少ない力で一緒に動かせるよう導くこと。統合的に筋肉を使いこなせると効率的な動きが可能となり、パフォーマンスが上がるのです。その表現がフランス風か、日本風かの違いだけ。学校のサッカーチームでレギュラーになりたい、けがばかりするから何とかしたい、ひどい腰痛を治したいなど、さまざまな目的で来院されます。
- Qフロアバレエとトレーニング、どちらが適応かの判断は?
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A
▲日差しが差し込み、気持ちのいい環境でトレーニングできる
フロアバレエメソッドは、バレリーナ経験があるトレーナーが指導していて女子力が高いんですね。きれいに楽しく、「日常の仕草も良くなればいいな」と考えていたり、バレエをしていたベースがある、柔軟性を上げたいなどの場合はフロアバレエメソッドをお勧めします。けがばかりする、あるいは何かスポーツをしているのだけれども、これをやるのが苦手といった明確な分析がある場合はスポーツトレーニングをお勧めしますね。両方のトレーナーさんには、連携して解剖学的なことも把握していただいていますし、当院の整形外科のスポーツドクターに判定してもらい、必要があればスポーツ選手を専門に診ている連携病院にフォローしてもらっています。