心肺運動負荷試験をもとに行う
心臓リハビリテーションとは
岩槻南循環器クリニック
(さいたま市岩槻区/岩槻駅)
最終更新日:2024/11/29
- 保険診療
むくみ、息切れ、動悸などが気になりながらも、忙しい毎日の中で放置したままという人もいるだろう。しかし、このような症状の背後に心臓病が隠れているリスクもゼロではない。できれば早めに医師に相談したいところだ。「岩槻南循環器クリニック」は岩槻駅から徒歩1分という便利な場所にあり、多忙な人でも通いやすい。同院は循環器疾患の専門家が在籍し、検査機器やリハビリ設備などが充実。フィットネス施設を併設しており、心臓リハビリが必要な場合も心強い。再発予防の重要性が叫ばれる昨今、注目されつつある心臓リハビリ。誰を対象とし、どのようなことを行っているのか。大学病院の循環器内科に長年勤務し数多くの難症例も診てきた石川昌弘院長に、心臓リハビリいついて詳しく教えてもらった。
(取材日2024年10月17日)
目次
心臓や血管の病気の再発を予防するための心臓リハビリで健康寿命の延伸をめざす
- Qどのような人が心臓リハビリを受けるのでしょうか?
-
A
心不全、心筋梗塞、狭心症、閉塞性動脈硬化症などの病気をお持ちの方や、心臓手術後の方が対象です。例えば最も多い急性心筋梗塞では、ある日突然胸が痛くなって救急を受診。診断後にカテーテル手術となり、術後は集中治療室、一般病棟を経て退院という流れが一般的です。患者さんが集中治療室にいる時から心臓リハビリを始めるケースもありますが、治療後や退院後にも継続して受けていただくものです。入院中のリハビリは、入院前の生活に近い状態でお家へ帰れるようにする準備。そして外来のリハビリは、再発予防、心肺機能回復や、筋力アップなどの役目もあります。つまり、循環器疾患の入院患者さんの多くが心臓リハビリを必要としています。
- Q心臓リハビリはなぜ重要なのでしょうか。
-
A
循環器救急で治療ができた患者さんでも、その後に何の再発予防もしなければ再び悪化させてしまうケースも少なくありません。再発や再入院を防ぐためには心臓リハビリが必要です。薬や手術同様に心臓病の欠かせない治療法の一つとして確立されている心臓リハビリは、全身の筋肉量を増やすことが目的。骨格筋には血液を送る筋ポンプ作用があり、そのポンプが働くことで心臓の負担軽減につながるのです。また、運動でいい汗をかくとサウナでいう「整う」、すなわち自律神経が鎮静した状態になり、心臓をいたわることにもなります。
- Q具体的にどのようなことをするのでしょうか。
-
A
運動療法、食事指導、生活指導、カウンセリングなどを包括的に行う治療プログラムを実施します。中でも重要なのが運動療法ですが、有酸素運動と筋力トレーニングを合計1時間、週に1〜3回のペースで行います。当院はフィットネス施設を併設し、自転車エルゴメーター、筋トレマシン、天井から吊るしたひもで体幹などを鍛えるサスペンショントレーナーを完備。心臓リハビリを専門とする看護師、理学療法士などのスタッフと連携して、一人ひとりに合ったプログラムを組んでいきます。事前に心肺運動負荷検査(CPX)を行い、運動中は心電図でチェック。患者さんが安全かつ適切な運動をしているか見守ります。
- Q心肺運動負荷試験(CPX)について詳しく教えてください。
-
A
心肺運動負荷試験(CPX)とは、患者さんにマスクをつけて自転車エルゴメーターをこいでいただきつつ、血圧、心電図、呼気ガスを計測する検査です。これにより狭心症、運動誘発性不整脈などを検出することができます。不整脈は種類によっては突然死につながるものもあるので要注意です。また、身体がどれぐらいまでの運動に耐えられるかの能力を意味する運動耐容能もわかります。その人にとってふさわしい至適運動強度を把握し、適切なプログラムを作ることが重要です。心臓リハビリが始まった後も年に1回程度の心肺運動負荷試験(CPX)を行い、運動療法によって心肺機能の変化がどうあるかを検証していきます。
- Qどんな症状があったら受診すべきでしょうか。
-
A
むくみ、息切れ、疲れがとれない、階段をのぼると息切れするようになった……といった症状があるならば、もしかしたら心臓病が隠れているかもしれません。心当たりがある方はできるだけ早めに受診してください。心臓病だった場合、当院では密に連携している本院で手術や入院も可能です。その後、シームレスに心臓リハビリに進めるのも強みといえるでしょう。特に注意していただきたいのがご高齢の方です。食欲不振が続いていたら心臓病のサインだったという例も多いので、ご家族が注意して見ていただければと思います。