その抜歯は本当に必要?
歯を抜かずに行う歯列矯正
にじのそら矯正歯科・鈴鹿
(鈴鹿市/玉垣駅)
最終更新日:2024/09/26
- 自由診療
出っ歯や受け口、でこぼこした前歯などの不正咬合に対し、装置を用いてアプローチする矯正。噛み合わせや審美面への悩みに対応する一方で、健康な歯を抜かなければいけないというイメージから、矯正に躊躇している人もいるのではないだろうか。「にじのそら矯正歯科・鈴鹿」は、歯を抜かない歯列矯正に注力する矯正専門の歯科医院だ。院長を務める石本和也先生も、子どもの時分に矯正を受けたことがあるという。生えたばかりの永久歯を抜かざるを得なかった自身の経験を振り返り、「自分と同じようなつらい思いをさせたくない」と、患者にとって負担の少ない矯正方法を追求。健康な歯を1本でも多く残せるよう、患者に寄り添った診療を行っている。そこで今回は石本院長に、非抜歯で行う矯正について、話を聞いた。
(取材日2024年8月21日)
目次
歯列矯正計画は歯科医師によって判断が異なるため、一度立ち止まりセカンドオピニオンを求めることが重要
- Qできるだけ歯を抜かない矯正をモットーにしているそうですね。
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A
現在の歯列矯正では、抜歯してできたスペースに歯を並べていくことをめざす方法が多く用いられていますが、当院ではなるべく歯を抜きたくないと考えています。本来なら抜く必要がない健康な歯を上下左右で1本ずつ、合計4本も抜くのは患者さんにとって負担がかかります。残された歯に負荷がかかる上に、麻酔が切れれば痛みも感じるでしょうし、歯茎が腫れたりもしますからね。特にお子さんにとっては歯を抜くこと自体、ショッキングな出来事です。僕自身、小学校高学年の頃に永久歯を4本抜いて矯正を行いましたが、その時のつらい記憶が今も脳裏に残っているんです。自分と同じような嫌な思いを患者さんにはしてもらいたくないと考えています。
- Q歯を抜かない歯列矯正のメリットを教えてください。
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A
一番のメリットは、先述のように健康な歯を失うことがない点です。虫歯などで残っている歯の本数が少ない方は、矯正によってさらに少なくなってしまいますからね。歯の1本1本には、それぞれ食べ物をすりつぶしたり噛み砕いたりという役割があり、臓器の一種だといえると思うのです。症例によっては抜歯が必要なケースもありますが、健康な歯を残せるなら、それに越したことはないと思います。マウスピース型装置を用いた矯正は装置自体が比較的やわらかいため支える歯が必要ですので、残っている歯が少ない方はワイヤー装置を選択せざるを得ない場合もあります。
- Q歯を抜かなければいけない場合もあるのでしょうか?
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A
噛み合わせのずれがある場合や歯が重なって生えている、歯茎が下がっているなどの症例では、歯を誘導しやすくするために抜歯をすることがあります。Eラインを美しくしたいといった審美面への希望がある場合も、抜歯矯正が適しているでしょう。このように、患者さんの状況や希望次第では抜歯をしますが、実際には「できれば歯を抜きたくない方」が多いかもしれません。抜歯せずに済めば、患者さんの矯正への納得感にもつながると思っています。
- Q抜歯の診断が下りても、抜かずに矯正できる可能性はありますか?
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A
開業前、非抜歯での矯正に力を入れている歯科医院に勤めていた経験から、一般的には難しいとされる症例でも非抜歯で矯正が可能なケースがあるという視点に立ち、矯正にあたっています。ある歯科医師に「抜歯が必要」と言われても、その視点に立った歯科医師が見れば、歯を抜かない矯正が見込めることもあると考えています。抜歯をして矯正した経験がある方から、「もっと早く先生に出会えていたら良かった」と残念がられることもあります。抜歯するかしないかなどの矯正計画は歯科医師によって判断が異なりますので、いくつかの歯科医院を受診し、よく話し合ってから矯正方法を決めてください。
- Q具体的にどんな方法で矯正を行うのでしょうか?
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A
矯正前の診断では先進の機器が役立ちます。マウスピース型装置を用いた矯正用の機器とCTを使用し、シミュレーションを実施。骨の厚みなどのデータをもとに矯正計画を立て、精密な矯正へとつなげています。出っ歯や歯並びがガタガタしているケースでは歯列を横に広げるための装置で隙間を作るよう導き、前に出ている歯を下げるよう促すなどして歯並びにアプローチします。受け口のケースでは上顎を出すための矯正を行いますが、手術が必要になることもあります。その場合は、口腔外科が専門の歯科医院と連携して行います。いずれも症例によって抜歯が必要な人とそうでない人とに分かれますが、当院では多くの方が非抜歯での矯正を選ばれます。
自由診療費用の目安
自由診療とはマウスピース型装置を用いた矯正/80万円~、ワイヤー矯正/74万8000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。