高血圧症と高脂血症の進行を防ぐには
健康状態を知ることが第一歩
えん循環器内科クリニック
(福岡市早良区/西新駅)
最終更新日:2025/04/15


- 保険診療
生活習慣病の一つである高血圧症と高脂血症(脂質異常症)。何となく「よくあるもの」という認識から、健康健診で指摘されたとしても自覚症状がなければ、結果的に放置してしまっている人もいるのではないだろうか。しかし、これらは脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる大きな病気につながるケースも多いという。進行するまで症状がほぼ見られないからこそ、日頃から、自分の健康状態を客観的に把握しておくことが重要といえる。「生活習慣病は、生活習慣の改善が鍵を握るだけに、早めの介入が大切です」と話すのは、「えん循環器内科クリニック」の平田雄一郎院長。生活習慣病と密接に関係する循環器疾患を専門とする院長に、病気の基本的な知識や生活習慣のアドバイスなどについて、教えてもらった。
(取材日2023年10月14日)
目次
加齢、食生活の偏り、ストレスなどがリスクになる高血圧症と高脂血症。早めに治療に取り組み健康な未来を
- Q高血圧症とはどのような病気なのでしょうか?
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A
▲循環器内科と心臓血管外科で研鑽を積んできた平田院長
血圧が正常より高い場合をいいます。血圧が高いと動脈硬化を起こす可能性があり、その結果、さまざまな臓器や組織に影響が及び、最終的に脳梗塞や心筋梗塞、動脈閉塞、腎臓の機能低下などにつながりやすくなります。つまり高血圧症とは、循環器の中でも重篤な病気を引き起こしかねない根本的な原因にあたるところなんです。高血圧症になる理由は複数あるので、診断されたら、原因を特定するために血圧脈波検査で動脈硬化の度合いを測定するほか、エコー検査やエックス線撮影、心電図検査などを受け、現状どのような状態なのかを医師がきちんと見極めた上で、治療を実施すべきか否かを検討する必要があります。
- Q高脂血症はどのような病気なのでしょうか?
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A
▲症状がないまま進行し、脳梗塞や心疾患につながる可能性も
血液中の脂質の量が多くなっている状態をいいます。基本的に高脂血症には症状がなく、健康診断などで気づく方がほとんどです。そのまま放置すると、血液中にあふれている脂肪が血管の壁にたまり、油の塊ができあがっていきます。それが血栓を作り、脳梗塞や心筋梗塞などへつながってしまいます。高脂血症は年代問わず、不摂生が続くとなりやすい疾患です。そのため若い方であれば、生活習慣の改善のみを試みるケースもあり得ますね。一方で、加齢とともに脂質の代謝も落ちてきますので、高齢者の場合、痩せていても高脂血症になる方もいて、そういうケースでは投薬治療が中心となります。
- Q注意してほしい人や生活上のアドバイスについて教えてください。
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A
▲自分の健康状態を理解することが治療の第一歩と話す平田院長
動脈は加齢とともに硬くなるので、それに応じて高血圧症になりやすいといわれています。また、要因は血管だけでなく交感神経にもあるので、ストレスを日々抱えていらっしゃる方は要注意。体重が急増した人も気をつけてください。暴飲暴食を控えるのはもちろん、高脂血症ではコレステロールや脂肪の取りすぎに気をつけ、食生活を見直してみましょう。自炊でなくてもいいので油を控えるようにする、偏りなく食事を取り、動物性タンパク質の多く含まれた食品を食べるといったこともお勧めです。運動については、中強度の運動を行うのが大切で、少し息が上がる程度のジョギングやウォーキングをすると良いでしょう。
- Q高血圧症や高脂血症を放置するリスクについて教えてください。
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A
▲さまざまなシステムを導入し患者の健康状態を可視化できるように
高血圧症や高脂血症は「サイレントキラー」とも言われ、自覚症状がないまま進行していく病気です。そして、先述のとおりひどくなると脳梗塞や心筋梗塞などにつながりかねません。進行してしまうと半身不随になったり、思ったように喋れなくなったり、好きなものが食べられなくなったりと、生活がままならなくなることも珍しくありません。突然人生が大きく変わってしまうことのないよう、自分の体のメンテナンスには、ぜひ前向きに取り組んでほしいと思います。そのためにも、健康診断でひっかかった場合はもちろん、異常がなくても定期的に自分の体の調子をチェックする気持ちで通院していただけたらと思います。
- Qこちらのクリニックの治療の方針を教えてください。
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A
▲検査で問題がなくても気になることがあれば来院を
病気を理由に制限のかかる生活が長く続くのは、本当につらいことです。だからこそ、そのような制限が少なく済むように、生活を第一に考えて治療を進めていきたいというのが私の本心です。ストレスなく、自分のしたいように生きることが、本当の意味での長生きだと思いますから。当院では、患者さんの思いに応えることを大切にしているので、フレキシブルな対応ができることが強みだと思っています。患者さんはお薬をできる限り減らしたいはずですし、納得した治療を求めているはずです。そのために客観的な資料を提示するための検査機器をそろえ、結果をわかりやすく示しながら患者さんの生活・要望に応える治療を提供していきます。