時間制約も少なく、心身の負担軽減も図る
日帰りで行える外科手術
MYメディカルクリニック田町三田
(港区/田町駅)
最終更新日:2023/12/01
- 保険診療
外科手術というと、数日の入院が必要な場合が多いが、最近では医療技術の進歩に伴いクリニックで日帰りの外科手術を行えるケースが増えている。2023年12月開業の「MYメディカルクリニック田町三田」では、これまでMYメディカルクリニックグループ内のクリニックになかった手術室を設置し、日帰りの外科手術に対応する。執刀するのはMYメディカルクリニックグループの総院長を務める馬場健先生だ。馬場先生はこれまで東京慈恵会医科大学の血管外科で、難症例含め数多くの手術に携わってきたドクター。その経験を生かし、同院にて得意とするバスキュラーアクセスの手術や、女性に多い下肢静脈瘤に対する手術を行う。同院での日帰り外科手術について馬場先生に話を聞いた。
(取材日2023年11月9日/情報更新日2023年12月1日)
目次
バスキュラーアクセスや下肢静脈瘤に対し、血管外科の専門性を生かした質の高い手術を追究
- Q日帰り外科手術に対応されるそうですが、経緯について伺います。
-
A
私はこれまで東京慈恵会医科大学の血管外科で大木隆生教授のもと、大動脈瘤や頸動脈狭窄症などの高難度の手術に携わってきました。2023年7月にMYメディカルクリニックグループの総院長に就任したことを契機に、培ってきた技術を地域の方々に広く還元していきたいと考え、当院で日帰り外科手術を行えるよう体制を整えました。現在は医療技術の進歩に伴い、日帰りで外科手術を受けられる症例が増えており、ニーズも高くなっています。グループ全体として「働く世代」とそのご家族の健康サポートを主眼に予防医療や疾患の早期診断・早期治療に努めていますが、今後は日帰り外科手術も含めて、より幅広くサポートしていきたいと思ったのです。
- Q日帰り手術のメリットについて教えてください。
-
A
その日のうちに手術を終えて帰ることができますので、職場や自宅を長時間空けずに済みます。病院に入院となりますと、入院に備えて仕事や家事の段取りや宿泊用の着替えの用意などをしなくてはなりませんが、そういった煩わしいことも必要ありません。入院費用もかかりませんので医療費も軽減できます。また、気分的に入院というと構えてしまいがちですが、クリニックでの日帰り手術であれば、より身近に感じられると思います。当院ではおもてなしの心を大切にしているので、患者さんとは常にコミュニケーションを取りながら、安心して手術を受けていただけるよう配慮します。
- Q具体的にどのような日帰り手術が受けられるのでしょう。
-
A
私が得意とする血管カテーテル治療の技術を生かせる下肢静脈瘤、バスキュラーアクセス、CVポート留置術などを中心に行います。下肢静脈瘤は女性に多く、また立ち仕事の方がなりやすい疾患です。治療はレーザーによる血管内焼灼術やグルーと呼ばれる接着剤を用いる血管内塞栓術などがあります。この疾患は直接命には関わらない良性の疾患ではありますが、それだけにどの段階で治療すべきか、その診断が非常に重要となります。当院では重症度、将来の進行予測などを精査し、適切な治療時期を判断します。また、午前中に手術を受ければ、午後には職場復帰も可能ですので、働く世代の方々のサポートとして有用だと思います。
- Q中でも先生はバスキュラーアクセスが得意と聞きました。
-
A
バスキュラーアクセスは血液透析の際、透析装置と患者さんとの間の血液循環を可能にするための仕組みで、その作製方法は多岐にわたります。バスキュラーアクセスで重要な点は、動脈化した静脈をいかに開存・維持していくかであり、そのためにどの治療が適切なのか、その診断が非常に重要です。ご自身の血管もしくは人工血管でシャントを造設するか、カテーテルを留置するのか、太い動脈を皮膚の浅い層へ持ち上げるかなど実にバリエーションに富んでいます。その分、経験が問われる難しい分野でもあります。これまでの経験から治療の選択肢が多く、質の高い治療につなげられるという点も当院の強みになると思いますので、力を入れていきたいです。
- Q手術後のアフターフォローについて教えてください。
-
A
下肢静脈瘤の場合は、手術の1~2日後から1週間後に一度確認し、その後、1ヵ月後、半年後というように経過観察を行い合併症の有無や血管の状態を確認していきます。バスキュラーアクセスの患者さんに対しては、血管の細さや血管閉塞のリスクなどそれぞれの状態を確認しながら次回の外来予約を決めます。シャントトラブルを未然に防ぐためには、日頃からシャントや皮膚の状態について関心を寄せて観察していただくと、より早くトラブルに対応できると思います。また、透析を受けられる方は車いすの方やご高齢の方が多いため、ご自宅や透析施設との送迎サービスなどを行うことで、より多くの方々により良い医療を提供できればと考えています。