馬場 健 院長の独自取材記事
MYメディカルクリニック田町三田
(港区/田町駅)
最終更新日:2025/11/07
大型複合ビル4階に2023年12月1日に開院した「MYメディカルクリニック田町三田」。都営三田線・三田駅A6出入り口に直結する他、JR山手線・田町駅ともペデストリアンデッキでつながる便利な立地を生かし、近隣住民はもちろんのこと、周辺で働くビジネスパーソンから旅行者まで、幅広い層に医療を提供する。「医師として、クリニックとして、お困りの際にアクセスしやすい存在でありたい」と話すのは、馬場健院長。同院では、健康診断を軸とする予防医療や総合診療を広く提供する傍ら、専門診療や日帰り手術も展開。MYメディカルクリニック全体の統括も担う馬場院長に、クリニックの特徴とめざす医療について話を聞いた。
(取材日2025年10月10日)
予防医療・総合診療に、日帰り手術や渡航前ワクチンも
クリニックの特徴を教えてください。

「MYメディカルクリニック」は、皆さまが心身ともに健やかに過ごすためのサポートを行うクリニックです。特に都会で就労されるビジネスパーソンとそのご家族に向けて、健康診断や予防接種を軸とした予防医療の提供や、内科を中心とする外来診療を行っています。渋谷、大手町、横浜みなとみらい、田町三田、新宿と5つのグループ院がありますが、その中で4つ目の拠点として開院したのが当院です。予防医療、総合診療、日帰り手術の3つの柱を設けております。内科の総合診療と健診部門に加え、働く世代をサポートすべく日帰り手術設備を完備し、鼠径ヘルニア手術(腹腔鏡下)やバスキュラーアクセス手術、下肢静脈瘤手術、CVポート留置術などの日帰り手術も積極的に行っています。羽田や成田といった国際空港からのアクセスも良好な田町、各国の大使館がある港区という立地から、多言語診療の体制も整え、出張や旅行にあたっての渡航前相談にも対応します。
ご自身はどのような診療を担当されますか?
内科診療部門とトラベラーズクリニック部門に加え、日帰り手術や内視鏡診療を行っています。内科の外来では、発熱、頭痛、胃腸症状といった症状に対する診療に加え、皆さまの身近なかかりつけ医として、高血圧症、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病や気管支喘息などの慢性疾患の診療も行います。また、渡航先に合わせた予防接種などを勧める渡航前相談では訪問先や期間、目的などを伺い医療上のアドバイスを行いますが、同じ国でも都市部と農村部では滞在リスクが異なるなど、きめ細かい対応が求められます。渡航医学に詳しい医師や経験豊富な看護師らのスタッフとともにお役に立てればと思います。
インバウンドや海外渡航の増加でグローバルな医療のニーズも高まりそうですね。

新型コロナウイルス感染症の影響で自粛していたが、そろそろ海外旅行を、という方も多いですし、ビジネスで海外出張に行かれる方もいらっしゃいます。ただ、世界的に見ても医療アクセスが良く衛生環境も整っている日本から一歩海外に出る際には、そのリスクを再確認しておかなくてはなりません。例えば、国内では狂犬病の発生がないため予防接種の必要がありませんが、狂犬病フリーな国は世界中でも日本とニュージーランドなどごく一部に限られます。万一発症してしまえば効果が見込める治療はほとんどなく、ほとんどの場合死に至るとされていますからリスクのある国を訪れる際には予防が必要なのです。旅行や出張、留学などで海外に渡る前には、ぜひご相談いただきたいですね。
血管外科で医師としてのアイデンティティーを確立
医師になったきっかけやご経歴をお聞かせください。

小さい頃、中耳炎を頻繁に患い、たびたび病院のお世話になるうちに、耳鼻咽喉科の器具類に強く興味を惹かれていました。先生と仲良くなり、鼻鏡などを触らせてもらい、心躍らせていたことを鮮明に覚えています。漠然と、人を救う医師という職業に憧れつつも、高校までは勉強よりもサッカーに夢中でした。その後、当時の思いを初志貫徹し東京慈恵会医科大学に入学。大学4年生くらいまでは耳鼻咽喉科の志望でしたが、初期研修を受けたNTT東日本関東病院で、外科のダイナミックさにすっかり魅了されました。誰かの人生にダイレクトに関わる大きな手術もできるからこそ、外科に挑戦してみようと思ったんです。中でも血管外科の手術にやりがいを感じたのは、ステントグラフト術や大動脈瘤切除術など、特に良性疾患の手術成否に外科医の手技が直結すると感じたためです。執刀した手術が患者さんのその後の人生に直接大きく影響することは医者冥利に尽きます。
大学病院でも10年以上にわたり研鑽を積まれました。
東京慈恵会医科大学血管外科は血管外科教室で特に知られており、そこでは大木隆生先生のもとで貴重な経験を重ねました。現在はMYメディカルクリニックの顧問もしていただいているのですが、大木先生は血管外科一筋のエキスパートで、日本のみならず各国での手術経験も豊富な方です。難しい症例の患者さんが全国から集まってくる状況の中で、どうにかすべてを勝ち戦にしていかなくてはいけない厳しい現場でした。やりがいもあり、常にやりきる覚悟も必要でした。手術には経験と下準備が大事だと思い知る日々は、今でも忘れがたいです。病状が進展してから紹介いただく症例をたくさん経験したこともあり、予防医療・健康診断に注力する当院に参画するきっかけの一つにもなりました。これからも、一人の外科医として患者さんに貢献していきたいと思っています。
現在はグループの総院長も務められていますね。

当法人の水谷佑毅理事長とは高校時代の同級生なんです。10年ほど前からクリニックの経営や医師派遣に関する相談を受けていました。当院を開院する際、当法人初の日帰り手術室を設けることになり、外科医である自分が役に立てるのではないかと考えました。理事長とは将来的に急性期病院を立ち上げ、緩和医療にも取り組みたいという夢を語り合うこともあります。健康診断で重大な病気が見つかった患者さんを他院に委ねるのではなく、手術も含めて治療が行えるようにしていきたいんです。個人的には、患者さんからの感謝をいただいた時と同じくらい、自分の経験を後輩医師に伝えることができた時、医師としての充実感と達成感を強く感じます。一つ一つの事業を大きくしながら若手医師が研鑽できる場にして、指導にあたることができるようにしていきたいです。
健診から手術まで、気軽に通えるかかりつけ医に
診療にあたって大切にしていることを教えてください。

患者さんと真摯に向き合い、しっかりとコミュニケーションを図って一人ひとりに適する医療を提供することを大切にしています。健康診断での問診・身体診察では、可能な限り情報を抽出できるように努め、受診者さんの小さなSOSを見逃さないように気を配り、外来診療では、必要な検査や説明を省略せず、患者さんが納得するまで丁寧に説明することを心がけています。とりわけ手術分野では患者さんは大きな不安に包まれて来院されます。患者さんの抱える不安を少しでも私が請け負うことで、可能な限り患者さんがリラックスできる環境づくりを心がけています。
最後に読者へのメッセージをお願いします。

健康診断と総合診療、充実した日帰り手術で、忙しい毎日を過ごす皆さんの健康を守りたいと思っています。健診は受けるだけではなくアフターフォローもぜひ活用してください。「まだ症状が出ていないから」といった油断は禁物です。症状を自覚するようになる頃にはかなり進行している病気も少なくありません。そうなる前に生活習慣の改善などを一緒にしていきましょう。一方、日帰り手術は今後ともさらに拡充していく予定です。従来は入院手術が必要だった疾患に関しても、どんどん日帰り手術ができるようになっています。これまでの経験を生かしたカテーテル関連の手術はもちろん、腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術、大腸ポリープ切除などにも力を入れています。けがの縫合などもしていますので、気軽に通えるかかりつけとしてぜひ利用していただければうれしいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは人間ドック/4万9500円~、内視鏡検査(健康診断と合わせて受診の場合)/1万9800円~

