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野村 浩介 院長の独自取材記事

広尾クリニック 内科・消化器

(港区/広尾駅)

最終更新日:2023/10/13

野村浩介院長 広尾クリニック 内科・消化器 main

広尾駅3番出口からすぐ、有栖川公園からも徒歩4分の「広尾クリニック 内科・消化器」。院長の野村浩介先生は、長年にわたり虎の門病院の消化器内科で内視鏡の研鑽を積んできた。高度医療の現場に送られてくる重症患者を数多く診てきたが、それは「なぜ、もっと早期に発見できなかったのか」という、悔しい思いの連続でもあったという。だからこそ、生まれ持った職人気質も生かして内視鏡の手技、そしてわずかな初期がんも見極めるための読影力を地道に磨いてきたという野村院長。そんな野村院長に貴重な経験を地域医療に生かしたいと思ったきっかけや、内視鏡にかける思いなどを詳しく聞いた。

(取材日2023年10月2日)

内視鏡に魅せられて消化器内科へ。手と目の技術を鍛錬

まず、医師になったきっかけやご経歴を教えてください。

野村浩介院長 広尾クリニック 内科・消化器1

神経内科の勤務医だった父の姿を見て育ち、自然と同じ道をめざすようになりました。ところが、いざ医学の勉強を始めてみると神経内科よりも消化器内科に惹かれました。なぜならば、内視鏡に非常に魅せられたからです。消化器内科は内視鏡を用いることで、診断から治療まで一人で担当できる珍しい診療科です。患者さんに「治療できましたよ」と、言えるところにも憧れましたが、それだけに責任は重大で確かなスキルを身につけなければと思いました。卒業後に大学病院ではなく虎の門病院を選んだのは、医師として早い段階からたくさんの患者さんを担当できて、より速いスピードで成長できると考えたからです。内視鏡検査数も多い病院でしたし、咽頭、食道、胃、十二指腸、大腸などにできた初期のがんを内視鏡下で切除することをめざす先進技術など、有意義な経験を積めました。

虎の門病院での経験について詳しくお聞かせください。

内視鏡は操作する「手の技術」はもちろん、画像を適切に読影する「目の技術」も欠かせません。虎の門病院では週ごとに何十件もの検査画像を見ながらカンファレンスする機会がありましたが、自分で見つけた病変に加え、他の医師が見つけた病変もみんなで詳細に検討をするため、切磋琢磨しながら「目の技術」を磨けたのは良かったです。内視鏡の一通りの操作自体は半年ほどで習得できますが、そこから深めていくのが大事です。特に診断に関しては、内視鏡機器も日々進化し、診断も変化・更新するため、勉強は一生続くと思っております。虎の門病院では、最終的には精密検査を担当しておりました。がんと診断された方の病巣がどの範囲まで、どれくらいの深さまで広がっているかをチェックする、見逃しがあってはならない重要な係です。院内外でレクチャーする機会も増え「身につけるべき技術は習得できた」という手応えも、開業に踏み切るきっかけの一つでした。

こちらでは、どのような診療を行っていますか。

野村浩介院長 広尾クリニック 内科・消化器2

まず、一般的な内科クリニックとして、風邪、頭痛、腹痛などのお悩みから、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症といった生活習慣病にも対応しています。新型コロナウイルスやインフルエンザに関しても、最近はマスクをしていない方も増えているので、これまで以上に注意してトリアージ室で隔離するようにしています。もちろん、長く専門としてきた内視鏡の検査と治療にも注力しているのは言うまでもありません。虎の門病院で診ていた患者さんも多く、千葉や埼玉、神奈川などからも通ってくださっています。一方、だんだん近隣の方も増えてきたのはありがたいことです。地域柄、高齢の方も少なくないのですが、スタッフが丁寧に対応してくれていて助かっています。情報共有を密にするために診察室の隣に受付を配置したのですが、患者さんと笑い合ってる声が聞こえてくると僕もうれしいですね。

鎮静剤も使用。胃カメラと大腸カメラの同日検査も可能

こちらでは、どのような内視鏡検査や治療が受けられますか。

野村浩介院長 広尾クリニック 内科・消化器3

経口・経鼻両方の上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と、下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ)を行っていて、同日検査も可能です。大腸カメラではポリープ切除の日帰り手術も行っています。下剤を飲むのは自宅でも院内でもどちらでも構いません。胃カメラは食事を取っていないことが確認できれば、即日検査にも対応できます。血液検査でピロリ菌が見つかったら除菌にも対応しています。その他、咽頭に刺さった魚の骨を取ってほしいと耳鼻咽喉科から紹介されて来る方や、アニサキスを疑い緊急で内視鏡を行いアニサキスを除去する方が毎月いらっしゃいます。内視鏡というと胃や腸の大きな病気のためのものというイメージもあるかもしれませんが、実はこういった悩みにも対応しているので、気軽にご相談ください。

内視鏡検査はどのタイミングで受けるべきですか。

バリウム検査や定期健診などで問題点を指摘されたら、すぐに検査を受けてほしいと思います。上部消化管内視鏡検査では胃だけではなく食道にがんがないかどうかも見ているのですが、食道がんは何もないところから出現するのが早いので、一度でも指摘されたことがある人は半年に一度は来てください。胃が荒れている人は原則毎年ごとの検査をお勧めしています。下部消化管内視鏡検査はポリープがある人は2年に一度、特にポリープがないようならば3~4年ごとで問題ありません。毎年の検査をご希望の方も多いので、対応するようにしています。毎年にしたほうが、より見逃しを防ぐことにつながると思います。

内視鏡を使う時、どのような点に気をつけていますか。

野村浩介院長 広尾クリニック 内科・消化器4

いかに痛みを少なくするかというのは非常に大切にしています。なぜならば、内視鏡検査は定期的に行うべきものなので、患者さんに嫌な経験をさせて「二度とやりたくない」と、思わせてはいけないからです。そのため、患者さんの希望がありましたら、当院では鎮痛剤や鎮静剤(静脈麻酔)の注射を使用しています。施術後は1時間ほど休憩できるスペースも作りました。患者さんにより安心できる方法を選んでいただくのが第一なので、特にこちらから強くお勧めすることはありません。虎の門病院では鎮静剤をあまり使わないため、痛みをあまり感じないようにするための技術も磨いてきました。また、「十二指腸に入るので圧迫感が来ますよ」などと、なるべく声をかけながら、患者さんの不安を取りのぞくようにして対応します。

時代ごとの先進の内視鏡を正しく使い続けたい

今後の展望についてお聞かせください。

野村浩介院長 広尾クリニック 内科・消化器5

先進の内視鏡カメラを導入していますが、時代とともにバージョンアップしていきたいと思っています。10年、20年と使用できなくもないのですが、より良い機械を正しく使用しているかどうかは非常に重要ですからね。そして、検査をしておしまいではなく、レポート作成も続けていきたいです。当院では、画像も入れた診断レポートを患者さんに必ずお渡しするようにしています。例えば、患者さんが引っ越したとしても、新しい町のクリニックにレポートを持って行き、定期的に検査することを続けてほしいんです。だからこそ、どの先生に見せても恥ずかしくない品質の画像の提供と、間違いのない診断ができるように、設備を整え、スキルも維持していきたいです。

お忙しい毎日ですがリフレッシュできる趣味などはありますか。

勤務医時代は論文執筆が趣味のようなものでした(笑)。すべてが内視鏡に関するもので、新しい手技、見込める治療効果、3D内視鏡、病巣の見落とし例などさまざまなテーマに取り組んできました。もし、またやり直せるとしても、この道を選びますね。でも、息抜きも大事と妻にも心配されています。実は2児の父でもあるのですが、最近は子どもたちと公園などで遊ぶのがリフレッシュになっていますね。この前は西表島でマングローブの林をカヌーで探検するツアーに出かけたのですが、子どもたちも喜んでました。自然体験をしたり、日本の伝統行事を味わったり、妻との子育ても大切にしていきたいです。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

野村浩介院長 広尾クリニック 内科・消化器6

苦痛の少ない内視鏡検査を大事にしています。昔、どこかで何かしらのトラウマを受けたのか、検査は絶対に嫌だという方も結構いらっしゃると思います。よほどの症状がある方はそれでも検査を受けられると思いますが、実は自覚症状がない時こそ早期発見のために検査を受けてほしいと思っています。せっかくの早期治療の機会を逃して、大規模病院に送られてくる方をたくさん見てきました。だからこそ、そんな方を一人でもなくすため、この町でゲートキーパーとして尽力していきたいと思っています。少しでもお悩みがあるならば、気軽にご相談ください。

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