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心筋梗塞や脳卒中を招く高血圧
日々の血圧測定が発見のポイント

武蔵野内科

(武蔵野市/武蔵境駅)

最終更新日:2024/03/06

武蔵野内科 心筋梗塞や脳卒中を招く高血圧 日々の血圧測定が発見のポイント 武蔵野内科 心筋梗塞や脳卒中を招く高血圧 日々の血圧測定が発見のポイント
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高血圧は自覚症状がほとんどないため、気づきにくく放置されやすい。しかし「武蔵野内科」の宮本貴庸院長いわく、高血圧は動脈硬化につながり、さらに心筋梗塞や急性大動脈解離といった重い病気を引き起こすリスクがあるという。循環器専門の医師として、カテーテル手術など循環器疾患の治療に携わってきた宮本院長。武蔵野赤十字病院での勤務医時代には、高血圧症などの生活習慣病を放置して重い血管の病気を発症し、取り返しのつかなくなった事例を多く目にしてきたそうだ。「重篤な症状を防ぐためには、その一歩手前での早期発見・治療が大切です」と強く訴える。今回は宮本院長に、高血圧を放置する危険性や、日常生活で気をつけるべきポイントについて話を聞いた。

(取材日2023年11月29日)

高血圧が動脈硬化につながり、心筋梗塞など重い病気を招く。早期発見のポイントは1日1回の血圧測定

Q高血圧を放置するとどのような危険につながりますか?
A
武蔵野内科 高血圧のリスクについて話す宮本院長

▲高血圧のリスクについて話す宮本院長

高血圧の状態が続くと血管の壁に圧力をかけますから、線維化を促進させて血管を硬くしてしまいます。これが脳卒中、心不全、心筋梗塞、大動脈瘤などの動脈硬化に関連する疾患のリスクになるのです。また糖尿病や脂質異常症と並んで「生活習慣病」と呼ばれるように、高血圧の原因は遺伝の他に、運動や食事といった生活習慣の影響によるものが大半です。つまり高血圧の症状のある方は、同じく生活習慣の影響を受ける糖尿病や脂質異常症のリスクも高いといえますね。そしていずれも血管にダメージを与えたり詰まらせたりする要因となり得ます。

Q特に症状がなくても治療を開始すべきなのですね。
A
武蔵野内科 早期発見、早期治療が他の疾患のリスクを抑えることにつながる

▲早期発見、早期治療が他の疾患のリスクを抑えることにつながる

そのとおりです。進行して命に関わるような重い病気を引き起こすまで、ほぼ症状がないのが動脈硬化の怖いところです。病気を未然に防ぐためには高血圧の早期発見・治療がポイントとなりますが、動脈硬化に伴う病気の発症以降でも治療するのに遅くはありません。気づいた段階で積極的に治療することが大切です。動脈硬化が進行してくると、息切れや動悸といった循環器疾患に似た症状が現れることがあるのですが、実は血圧の治療と循環器の治療には直結する部分があるのです。そのため、循環器内科の医師は血圧のコントロールを重視しています。

Q高血圧の検査や治療について教えてください。
A
武蔵野内科 丁寧な検査を行い、治療方針を決める

▲丁寧な検査を行い、治療方針を決める

まずは原因を探るため、動脈硬化による臓器障害指標も踏まえながら検査を行います。もし問診や経過からホルモン異常などが疑われる場合には、体質や遺伝以外に原因のある二次性高血圧についての検査も行い、関連性のある疾患が見つかったらその治療を進めます。原因が体質や食生活など環境の問題である場合、必要に応じて薬を処方することもありますが、まずは減塩、適切な運動、食事、禁煙などの生活習慣の見直しが必要です。まだ高血圧と診断されていなくても、特にご家族に高血圧の方がいらっしゃる場合には、予防のためにも日頃からこれらを心がけておくと良いですね。

Q睡眠時無呼吸症候群も、重篤な病気に関係すると聞きました。
A
武蔵野内科 模型や図を用いて患者にわかりやすく説明

▲模型や図を用いて患者にわかりやすく説明

はい。睡眠時無呼吸症候群・高血圧・動脈硬化には関連性があるのです。睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に呼吸が止まる症状で、その際に一時的に血液内の酸素が減少します。これを何度か繰り返すのですが、その度に血圧が上昇してしまいます。このような低酸素と血圧上昇が動脈硬化を進行させ、さまざま血管障害の原因になり得るのです。また近年では、睡眠時無呼吸症候群と、脳梗塞の原因になる心房細動との関連も問題視されています。現代では睡眠時無呼吸症候群の検査や治療も受けやすくなっています。思いあたることがあれば、一度検査を受けることをお勧めします。ぜひご相談ください。

Q日常生活で気をつけるポイントはありますか?
A
武蔵野内科 日常生活上の注意点や食事についてもアドバイス

▲日常生活上の注意点や食事についてもアドバイス

先ほど挙げた生活習慣の見直し、特に減塩は大切です。食生活の改善は、糖尿病や脂質異常症の予防・改善にもつながります。ですが、何も症状がないうちから減塩を徹底することは難しいでしょう。食生活のことも頭の片隅に置きながら、適度な運動や血圧を測る習慣を日常に取り入れてみてください。「健康診断で測っている」という方もいらっしゃいますが、血圧は日々の推移を見ていくもの。毎日同じ条件下での数値を確認することで、ちょっとした異常にも気づきやすくなるでしょう。血圧は常に変動するものですが、収縮期血圧(最高血圧)で140以上が記録されたら、専門家に一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

ドクターからのメッセージ

宮本 貴庸院長

高血圧に自覚症状はほぼありませんが、それが進行すると動脈硬化につながり、さらに心筋梗塞や急性大動脈解離といった重い病気を引き起こしかねません。当院では動脈硬化による臓器障害についても、目に見えるかたちでわかりやすい説明を心がけています。自覚症状がない段階でも、普段から食生活が偏っている方やご家族に高血圧の方がいる場合は特に、今回の記事をきっかけに「血圧」に目を向けていただきたいと思います。少し塩分を意識して、同じ条件下で1日1回の血圧測定。まずはそこから始めてみてください。

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