宮本 貴庸 院長の独自取材記事
武蔵野内科
(武蔵野市/武蔵境駅)
最終更新日:2026/06/12
武蔵野赤十字病院のすぐ目の前で、2023年9月より診療を行う「武蔵野内科」。宮本貴庸(みやもと・たかみち)院長は日本循環器学会循環器専門医として大学病院や地域の基幹病院で研鑽を積んできたドクターで、健康診断や一般内科の診療経験も豊富な日本内科学会総合内科専門医でもある。クリニックでは、これまでの経験を生かし、動悸・息切れ・胸痛・むくみといった循環器疾患や、生活習慣病の早期発見・早期治療に注力。軽い症状の患者の中に紛れる重篤なケースを見逃さないように、診断の根拠となる検査も重視しているという。「病院の目前にあるクリニックとして、病気や異変を見落とさないことを使命として診療に取り組んでいきます」と語る宮本院長に、開業から2年たった今の状況や、診療の特徴などをインタビューした。
(取材日2026年4月3日)
重症患者を見逃さない検査を重視。病診連携をより密に
開業から2年、クリニックの近況を教えてください。

地域の方からの認知が進んできたように感じます。特に、武蔵野赤十字病院の目の前ということもあり、「病院に行くほどではないけれど具合が悪い」「病院に行ったほうがいいのか迷っている」と言って来る方も増えています。そのような訴えの方の中には、心臓や肺の緊急疾患により救急車で搬送した方もいました。軽い症状やご本人が深刻に思っていない症状でも、緊急搬送が必要な方が紛れていますので、医師だけではなく、クリニック全体で見落とさないことを使命として診療に取り組んでいます。近況としては、新たに循環器内科が専門で生活習慣病の診療にも精通する原信博先生が着任し、週1日診療を担当しています。併せて、休診日だった水曜の診療を開始しました。診療を拡充し、より患者さんが受診しやすい体制をつくっていきたいと思います。
病気の見落としを防ぐために行っていることはありますか?
診断を裏打ちする検査を大事にしています。Dダイマー検査やトロポニン検査など、心臓疾患や肺の血栓症に対する専門的な採血検査は、院内ですぐに答えが出せる仕組みがあります。心電図やエックス線検査機器もあり、心臓・頸動脈・下肢静脈・腹部・甲状腺などをすべて診られる先進の超音波検査機器も導入しました。心臓のエコーは動画でも記録できます。検査を行うのは、私が信頼する経験豊富な臨床検査技師で、常勤で診療に携わってもらっているので、迅速に検査結果を導くことができるようになりました。また、私も原先生も、日本超音波医学会超音波専門医ですから、知識と経験を生かして精度の高い画像検査を行い、小さな違和感に対しても見落としがないよう向き合っていきたいと思います。
病院との連携はクリニックの特徴でもありますね。

武蔵野赤十字病院がリニューアルし、外来部門の受け入れが広がりました。当院とは電話をするとすぐに紹介できる関係性ができています。患者さんも病院との連携を頼って来られる方も多いですから、その責任は果たしていきたいと思います。もう一つ、精度の高い診断で患者さんをある程度トリアージすることも当院の大事な役目です。緊急の場合はすぐに紹介状を書いて病院へ、少し時間をおいても大丈夫な場合は通常どおり紹介して、クリニックで診療可能ならば当院、または別の適したクリニックへと、適切な行き先とタイミングのご案内も行っています。
循環器疾患から生活習慣病や頭痛まで幅広く診療
先生の専門である循環器疾患の診療について教えてください。

主訴として多いのは、動悸・息切れ・胸痛・浮腫(むくみ)です。軽い動悸があると受診された方にお話を伺うと、軽度な胸痛も頻発しており、重症な狭心症だったということもあります。安静にしていても息切れが起こる場合には、心臓や肺の機能低下や、貧血や甲状腺疾患も疑われます。もし患者さんが胸痛を訴える場合には、急性心筋梗塞・急性大動脈解離・急性肺血栓塞栓症をまず念頭に入れて診察しています。また、浮腫の診察で、心疾患、肺疾患、腎疾患などの問題が明らかになることも。このように心疾患の症状は多様で、命に関わる重い病気が隠れていることもあります。おへそから上の症状で気になることがあれば、まずは循環器内科を受診してください。普段お薬を飲まれている方は、お薬手帳も忘れずにお持ちください。
生活習慣病や睡眠時無呼吸症候群の治療にも取り組まれているそうですね。
心筋梗塞や血栓症で運ばれてくる患者さんの中には、高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病を患っていた方がとても多いです。そのため、循環器内科としても生活習慣病の治療は重要な項目として取り組んでいます。睡眠時無呼吸症候群は生活習慣病の巣窟でもあり、放置すると夜間に繰り返す低酸素血症と高血圧症により動脈硬化が進行し、不整脈の原因になるともいわれています。検査は、病院での1泊2日の検査のほか、ご自宅での簡易測定も可能です。適応がある方には、CPAP療法にも対応しています。今は検査や治療方法が確立されてきていますので、日中の強い眠気など思い当たることがあれば、一度検査にいらしてください。
超音波を用いて血栓症の診断もされているとお聞きしました。

Dダイマー検査を含む採血検査と下肢静脈エコー検査を実施して、血栓症の診断を行っています。血栓症の自覚症状としてはむくみが挙げられるものの、肺血栓塞栓症が起こる前に特徴的なサインを見つけるのは難しいため、当院では血栓症の予防に取り組んでいます。例えば、弾性ストッキングで下肢の圧力を上げながら、歩行や足の関節運動を行うことを推奨しています。また、ピルを服用している女性が抱える足の不調の相談にも応じています。血栓の有無や下肢静脈瘤などのリスクを確認しながら、薬物療法だけに頼らず、足の運動などの理学療法も提案しています。
片頭痛も診ているそうですね。
片頭痛に悩んでいらっしゃる方は非常に多く、当院では、頓服の鎮痛薬のほか、発作の発症を抑制するための薬も処方しています。この薬には、てんかんの薬、不整脈の薬、うつ病の薬があり、患者さんそれぞれに合ったものを一緒に選び、調整していきます。また、発症を抑制するための注射薬にも対応可能です。ここで紹介した薬は保険適用で、鎮痛薬の使いすぎを防ぐうえでも有用なものですので、頻繁に鎮痛薬を飲んでいる方や、頭痛に困っている方は相談してほしいですね。
第二の故郷ともいえる武蔵野で、心のこもった診療を
こちらに開業するまでのご経歴を教えてください。

山形大学を卒業して麻酔科に進み、2年間学んだ後に、友人からの誘いもあって母校の循環器内科に移り、カテーテル手術などにも携わりました。1999年に武蔵野赤十字病院に入職し、心臓や血管の病気を診る循環器科や、全身疾患を診る総合診療部門で部長を務めてきました。その後、健康診断や各種検診に力を入れる千代田区の三楽病院や都内の開業医の先生のもとで、一般内科も含めてさまざまな症状に向き合ってきました。開業に踏みきったのは、これらの経験を生かして生活習慣病などの早期発見・早期治療に努め、重い病気を未然に防ぎたいと思ったからです。武蔵野赤十字病院には開業後も籍を置き、週に1日診療を行っています。
診療の際、大切にしていることは?
検査をしっかりと行い、客観的データに基づく診断を大切にしています。開業からの2年間で、病院での治療が必要となる方を多く診てきましたので、軽い症状からでもヒントを見逃さず、検査をもとに診断することがとても大事だとあらためて実感しています。客観的なデータをお見せすることで、患者さんのご不安も解消していきたいですね。また、心臓や血管の病気を扱っていますから、時にはネガティブな内容をお伝えしなくてはならないときもあります。そのような場合も、ただ事務的にお伝えするのではなく、患者さんの気持ちを大切にできる医師でありたいと思っています。
最後に、地域の方々へのメッセージをお願いします。

私は循環器内科を専門としていますが、日本内科学会認定総合内科専門医でもあります。当院では一般内科の診療にも力を入れ、生活習慣病に関しても治療・管理に努めていきますので、何かお困り事があれば気軽に相談していただけるとうれしいです。場所的な特性を生かして、武蔵野赤十字病院や杏林大学医学部付属病院などの大きな病院と、これからも密に連携を取っていきます。第二の故郷ともいえる武蔵野エリアで、地域の皆さんに安心していただけるような医療の提供に尽力いたします。

