瀬古口 良樹 院長の独自取材記事
せこぐち歯科クリニック
(堺市西区/上野芝駅)
最終更新日:2025/02/04

阪和線の上野芝駅、津久野駅から徒歩10分。大阪府堺市西区にある「せこぐち歯科クリニック」は、2023年10月に開業した。白を基調とした清潔感のある空間に、色鮮やかなアクセントを加えるのは「十人十色」をイメージした多彩なカラー。「幅広い世代に歯科医療を提供したい」という瀬古口良樹院長の思いを表しているという。同クリニックでは、予防歯科や虫歯治療、歯周病治療などの一般診療から、小児歯科や入れ歯治療など、小さな子どもから高齢者まで、一人ひとりに適した治療を提案している。「通院のハードルを下げ、誰もが気軽に通えるような歯科クリニックをめざしています」と、語る瀬古口院長に、クリニックのコンセプトや開業にあたりこだわったポイント、診療にかける思いなどについて話を聞いた。
(取材日2023年9月19日/再取材日2025年2月4日)
専門性にとらわれず、幅広い世代に歯科医療を提供
初めにクリニックのコンセプトを教えていただけますか?

クリニックのコンセプトは「あらゆる世代に歯科医療を」です。昨今、歯科クリニックが多様化していて、それぞれの専門性を打ち出す歯科クリニックが多い中、当院はホームぺージなど患者さんがご覧になるものに「こんな治療が得意です」とは一切書いていないんですよね。その理由は、当院の母体である医療法人精良会は、地域医療に携わり30年以上の歴史があり、地域のかかりつけであることを第一の理念としていることにあるんです。この理念は私にも引き継がれていて、十人十色の皆さんのお口のお悩みを気軽に相談していただけるように、あえて専門性を前面に打ち出さないことにしました。
「あらゆる世代に歯科医療を」というコンセプトはクリニックづくりにも表されていますか?
はい。患者さんそれぞれのライフステージに左右されることのない設備の充実は、幅広い世代に歯科医療を提供するために不可欠だと考えました。院内は土足制、段差なしといったバリアフリー設計はもちろん、全体的にスペースを広く取り、車いすやベビーカーでもスムーズに移動できるようにしています。また、トイレにはおむつ交換台やベビーチェアを設置し、小さなお子さん連れの患者さんもお迎えできるようにしました。また、当院ならではの特徴として、ご家族で一緒に受診できるファミリー向けの診療室があります。お父さんやお母さんの治療中は同じ部屋でお子さんが遊べたり、きょうだいで入れ替わりに治療を受けられたり。絶賛子育て中の私なりのこだわりです。もちろんファミリー向け診療室だけでなく、スタイリッシュでどこかかわいらしさもある開放的な半個室の診療室や、プライバシーを重視した落ち着いた雰囲気の完全個室の診療室も備えました。
先生が歯科医師をめざしたきっかけとこれまでのご経歴を教えてください。

当法人の理事長である私の父が、堺市南区で「せこぐち歯科」を開院しております。父親に憧れるというのは誰しもが通る道だと思うのですが、多分その影響で、幼少期から「将来は歯医者になる」と、豪語していましたね。比較的手先が器用であるという自覚と美術が得意なこともあって、周りから歯科医師に向いていると言われたこともこの道へ進むのを後押ししてくれたのかもしれません。経歴としては、大阪大学歯学部を卒業後、大阪府内の複数の医療法人にてさまざまな歯科診療に従事した後、2023年10月に当院を開業するに至りました。
適切に見極め、できる限り患者自身の歯を残したい
治療の際に大切にしていることはありますか?

本当に治療すべきかをしっかり見極めることですね。医療は早期治療が大事だと思うのですが、歯は二度と再生しない組織なんです。だからなんでも早いうちに削って治療すれば良い、とは私には考えにくいんです。なので、当院では早期治療ばかりでなく、定期管理を大切にしています。今まさに進行している病変なのか、停滞して慢性化している病変なのか。患者さんそれぞれの背景と、歯の状態を総合的に考えて、治療するかどうかを含め、お一人お一人に合った方針を提案します。私は、「歯をできるだけ残す、削る量を少なく治療する」という保存的な歯科治療に力を入れているのですが、それゆえの考え方かもしれません。
患者さんとのコミュニケーションも大切にされているそうですね。
私たちが治療するのは患者さんの体の一部ですから、患者さんが本当に納得された上で治療を受けていただくことは当然だと思うんです。チェアサイドで時間を気にしながらよりも、面と向かってしっかりとお話しするため、院内にはカウンセリングルームも設けました。歯科医師として、治療の道筋を立てて、ゴールを決めていくことが職務ですが、そこにしっかり患者さんそれぞれの考えを反映し、「一緒に」ゴールに向かうことが大切だと考えています。そうすることで患者さんも不安なく、心から納得して治療を受けていただけると思います。
子どもの患者さんへの接し方で気をつけていることはありますか?

お子さんの場合は、まずは歯科医院に慣れることから始めます。早い段階からスムーズにできる子もたしかにいますが、大半は難しいです。嫌がっている状態で無理に治療などをすると、間違いなくトラウマになってさらに歯科医院が嫌いになります。「あそこの歯医者さんに行ったらキッズスペースで遊べる」みたいな動機でいいので、小さい頃からご家族で歯科医院に通う習慣をまずはつけてほしいと思います。そのうちチェアに座れるようになったとか、徐々に成功体験を重ねてできることを増やしていけば、仮に何か治療を要するタイミングを迎えたとしても、乗り越えることができると思います。また、当院はお子さんに限らず、原則的に歯科衛生士を担当制にしています。患者さんのお口の中の変化に気づきやすいというメリットに加えて、いつも同じ人が診てくれる安心感にもつながると考えています。お子さんのお口の健康管理を、ご家族と一緒に頑張りたいですね。
適切な診断のもと丁寧な治療を実践する
歯科医師として大切にしていることを教えてください。

歯科医師としてはやはり責任を持って、きちんと治療したいという気持ちがあります。人さまの口の中を触るわけですから、保険診療だから、自由診療だからとか、そういう枠組みに左右されず、しっかりとした技術を提供していきたいと考えています。歯科医師としてどのような治療にも全力投球するのが、私自身の考えです。これまで一緒に働いてきたスタッフからは「丁寧すぎ」と言われることも多いですが、そこは絶対に譲ることはできないので、どのような治療に対しても自分は全力で取り組みたいと思っています。
新たに口腔外科診療もスタートされたそうですね。
2024年10月より土曜日に、月1回ではありますが、口腔外科分野を専門として治療している歯科医師が診療しております。これまで総合病院などの口腔外科へご紹介することも多かった、歯茎の中に埋まっている親知らずの抜歯や小さなお子さんに多い上唇小帯の切除術など、外来で対応可能な小手術は当院で治療が受けられるようになりました。治療を担当する歯科医師は2人で、私と同じく大阪大学歯学部を卒業しています。知識や経験が豊富で、非常に優秀だと思います。当院の診療方針もよく理解してくれていますし、何より治療に関する診査診断は事前に私が行い、彼らときちんと情報共有しておりますので、安心してご相談いただければと思います。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

2023年10月に開業し、当初はどうしたら地域の皆さんのお役に立てるか日々模索していたというのが正直なところです。ですが、私をはじめスタッフ一丸となって全力投球してきたことで、幸いにも1周年を迎えることができました。新たに口腔外科診療も開始し、さらに地域の皆さまのお口の健康維持にご協力したいと考えています。小さなお子さんからご高齢の方まで、幅広い世代に歯科医療を提供できる体制を整えていますので、気軽に一度、皆さまのお口のお悩みを相談にいらしてください。この地で地域医療に貢献できるよう、精いっぱい頑張りたいと思います。