循環器系疾患につながり得る生活習慣病
定期的な健康診断を推奨
千森医院
(桜井市/桜井駅)
最終更新日:2024/07/26
- 保険診療
多忙などを理由に、健康診断を受けるのをためらったり、診断結果で「要受診」と出ても放置してしまったりする人も多いのではないだろうか。しかし、自覚症状がほとんどない生活習慣病は、予防と早期発見こそが重要なのだとか。「生活習慣病を放置しておくと、心筋梗塞や脳卒中といった循環器系疾患を引き起こす恐れがあります」と警鐘を鳴らすのは、「千森医院」の千森義浩院長。同院では、高血圧や脂質異常症などの一般的な生活習慣病をはじめ、300人に1人程度が発症するともいわれる家族性高コレステロール血症(FH)の早期発見・治療にも注力。今回、健康診断の重要性や治療のこと、日常生活上のアドバイスなど、詳しく教えてもらった。
(取材日2023年11月21日)
目次
生活習慣病は早期に発見し、コントロールしていくことが大切
- Q生活習慣病の予防と早期発見に力を入れているそうですね。
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A
当院は内科と循環器内科を標榜し、高血圧や脂質異常症などの生活習慣病の予防やコントロールにも取り組んでいます。生活習慣病は自覚症状のないまま進行し、心筋梗塞や脳卒中といった循環器系疾患を引き起こす恐れがある病気です。生活習慣病の早期発見こそが、循環器系疾患の予防にもつながると考えます。しかし、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響を受けて、健康診断の受診率は低くなってきたのではないでしょうか。私は働く人のメンタルヘルスのご相談にも応じる経験を積んできましたが、改めて健康診断の重要性を伝えていきたいと考えています。
- Q家族性高コレステロール血症の早期発見にも熱心なのだとか?
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A
家族性高コレステロール血症は遺伝的にコレステロール値が高くなってしまう疾患ですが、放置しておくと動脈硬化を引き起こす恐れがあります。その結果、40代や50代で心筋梗塞や脳卒中を発症したり、若いうちに命を落としたりする恐れもあるのです。しかし、自覚症状はほとんどありませんので、自身が家族性高コレステロール血症であることが判明した場合、その親や子どもも検査を受けることを推奨します。血液検査や遺伝学的検査のほか、「アキレス腱と肘に黄色腫ができている」「悪玉コレステロール値が180以上」といった所見とガイドラインによって診断します。なお、現在は10歳頃からの治療開始を推奨する流れになってきています。
- Q家族性高コレステロール血症の治療について教えてください。
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A
一般的な飲み薬のほか、早期に発見できた場合は治療効果が期待できる注射もあります。また、進行している場合は、LDLアフェレーシスという腎臓病の人工透析のような治療を行います。当院の患者さんでLDLアフェレーシスが必要な場合、連携先の総合病院を紹介させていただきます。近年は家族性高コレステロール血症の治療薬の開発も進んでいますし、早期に治療に取りかかることで病気のコントロールを図ることが望めます。
- Qこちらの患者層についてもお聞かせください。
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A
当院は私の父が開業し、約40年間にわたって地域に密着した診療を行ってきました。それを私が受け継ぎ、2023年8月にリニューアルオープンしたばかりです。現在は、父の代からの患者さんも多いですが、私の知り合いなどにもお越しいただいています。既に高血圧や動脈硬化症、家族性高コレステロール血症など、生活習慣病の患者さんも増えてきました。生活習慣病全般に言えることですが、患者さんとは長いお付き合いになります。しっかり寄り添っていきたいですね。
- Q日常生活で気をつけるべきことなどはありますか?
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A
生活習慣病が重症化することのないように、当院では食生活や運動の指導も行っています。「野菜を食べましょう」「運動をしましょう」など、患者さん一人ひとりに合ったアドバイスをしていきたいなと思っています。また、生活習慣病はコントロールしていくことが大切ですので、薬を自己判断で中止することだけはやめていただきたいと思います。気になることがあれば、何でもお気軽にご相談ください。