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千森 義浩 院長の独自取材記事

千森医院

(桜井市/桜井駅)

最終更新日:2024/07/08

千森義浩院長 千森医院 main

桜井駅から徒歩10分、桜井市役所に程近い住宅街の一角にある「千森医院」。先代院長だった父が亡くなり閉院していた同院を千森義浩院長が受け継ぎ、2023年8月にリニューアル開院した。約40年間地域に愛されてきた同院の外観や内装はほぼそのままに、温かな雰囲気で患者を迎え入れている。千森院長は、近畿大学医学部を卒業後、近隣の病院で内科・循環器内科の医師として研鑽を積んできた。2012年には、大阪大学大学院医学研究科にて医学博士号も取得。予防医学にも詳しく、これまで培った知見を生かし、病気の治療はもとより生活習慣病の予防にも注力している。地域住民の健康のために尽力していきたいと語る院長に、病気の予防、そして健診の重要性について聞いた。

(取材日2023年8月30日)

地域住民の健康を守るために、父の医院を引き継ぎ開院

開院のきっかけを教えてください。

千森義浩院長 千森医院1

この医院は、父が約40年間にわたり守ってきた医院です。当時、私は大阪に拠点を置いていましたが、毎週水曜日だけ、こちらで診療を担当していました。昨年、急に父が亡くなり閉院していましたが、1年がたった今、地域の患者さまのお役に立ちたい、私の医療知識を還元していきたいという思いで、リニューアル開院することにしたんです。子どもの頃から父が医師として働く姿を見て育ちましたので、こうなることは必然だったのかなと思いますし、これも一つの親孝行かなと思っています。父も喜んでくれていると思います。

こちらの医院の特徴についてお聞かせください。

当院は、内科と循環器内科を標榜しています。地域の基幹病院や大学病院などで内科・循環器内科の勤務医を長く務め、狭心症、心筋梗塞、心不全、脳卒中の患者さまの治療にあたってきましたので、その経験を生かした診療を行っています。この地域は、昔から住んでいらっしゃる方が多いことから、患者さまもご高齢の方が多く、間断のない医療を提供することが重要になってきます。一方で、官庁や商業施設などが近くにあり、この地域で勤務している方もたくさん来院されますので、働き盛りの若い方の生活習慣病を早く見つけて、悪化しないようにするための予防医療にも注力したいと考えています。地域のかかりつけ医として、健診を通じて早期発見・早期治療の大切さを啓発していきたいと思っています。

具体的には、どのような治療が受けられますか?

千森義浩院長 千森医院2

循環器内科では、心臓や血管の病気を幅広く診療します。循環器内科というと、カテーテル治療のイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、それは一部の治療にすぎません。狭心症、心筋梗塞、心不全、不整脈、また動脈硬化症や動脈瘤など、その診療範囲は多岐にわたります。一方内科では、風邪などの一般的な症状をはじめとする急性疾患に対応しています。さらに、生活習慣病などの慢性疾患の治療やコントロールも行っています。「この症状だと何科にかかったら良いかわからない」という方も、お気軽にご相談いただきたいと思います。また、各種健診にも対応します。

自覚症状がない病気は、健診結果が判断材料に

先生の専門分野について教えてください。

千森義浩院長 千森医院3

動脈硬化症を専門としています。動脈硬化症は生活習慣病と直結する病気で、脂質異常症や、糖尿病、高血圧症が原因となります。そのため当院では、治療だけでなく、生活習慣病の予防にも力を入れています。また家族性高コレステロール血症(FH)も、動脈硬化の原因となります。家族性高コレステロール血症は遺伝性疾患で、40代や50代で心筋梗塞を発症したり、まだまだこれからという若い方が急に亡くなったりする危険性があります。もしご家族にそのような方がいらっしゃった場合は、一度検査のために来院されることをお勧めします。

どのような症状が出たら受診するべきなのでしょうか。

生活習慣病は自覚症状がないままに進行する病気なので、ご自分での判断は難しいと思います。発症を未然に防いでいくには、健診がとても重要な役割を果たします。健診のデータには、何かしらの異常が現れていることが多いのです。ですから、健診で異常が見つかったり要再検査になったりした場合に、見過ごしたり、忙しいからと後回しにしたりせず、できるだけ早く医師の診察を受けるようにしていただきたいと思います。また、胸が痛い、動悸がするなど、いつもと違う症状を感じた時も早めにご相談ください。自己判断で放っておかないことが何より大切です。

定期的な健診の受診は大切だということですね。

千森義浩院長 千森医院4

そうですね。特に、50歳以上の方は、エコーやⅭTなどの画像を使った健診は、ぜひ受けていただきたいと思っています。当院では、生活習慣病予防のための健診をはじめ、特定健康診査、法定健診を受けつけています。生活習慣病予防健診は、生活習慣病である糖尿病、高血圧症、脂質異常症など、重大な病気につながる生活習慣病の予防と早期発見を目的にしています。また、特定健康診査は、国民健康保険に加入している40歳から74歳の方を対象とした健診で、主にメタボリック症候群に着目した検査です。健診だけでなく、健診結果を見て不安に思われることや、今後の対応についての疑問点などにもお答えしています。

健診結果のコメントを見過ごさず、早めの来院で予防を

診療のモットーをお聞かせください。

千森義浩院長 千森医院5

「患者さまお一人お一人に寄り添った診療」をモットーにしています。一人ひとりの患者さまに、丁寧に向き合っていきたいですし、患者さまのことを第一に考えた診療をしていきたいと思っています。日常の診療では、安心して来院いただけるように感染症対策を徹底するなど、患者さまの安全にも配慮しています。当院では発熱患者さまのための外来も設置し、リニューアルの際も、感染症の疑いがある患者さまと一般の患者さまの動線を分けるために、出入り口を別にするなどして動線の見直しを行いました。今はまだ開院したばかりで少しバタバタしていますが、そんな中、患者さまの「ありがとう」という言葉はたいへん励みになっています。

ご多忙の中、息抜きはどのようにされていますか?

千森義浩院長 千森医院6

もともと体を動かすことが好きで、中学・高校とテニスを、大学時代は5000メートル陸上をやっていましたし、山登りに行くこともありました。最近の趣味は、心身の健康のためにと6年前に始めた弓道で、現在四段です。以前から和の文化にふれたいと思って興味を持っていたんです。矢をただ的に当てるだけでなく、礼儀や体配を大切にするというのも弓道に惹かれた理由です。例えば健診の時、側弯が見られる方には「天井からつるされていると思って立ってみてください」とアドバイスをするのですが、実はこれは弓道の教えでもあるんです。ですから、趣味が仕事にも少し役立っているなと思います。

読者へのメッセージをお願いします。

実は私自身、健診で異常が見つかり、手術を受けた経験があります。健診結果を放置しないで、早めに対処することの大切さを実感する機会になりました。自分で経験したからこそ、患者さまには「健康診断のデータを放置しないで、要受診、要再検査、要精密検査と書かれていたら必ず受診してください」と声を大にしてお伝えしたいと思います。また、健診結果に書かれている医師のメッセージにも、きちんと目を通していただきたいですね。生活や仕事に支障を来すような病気になる前に、まずは当院にいらしてください。皆さんに健康に長生きしていただきたいと思っています。2025年問題が目前に迫っている今、改めて自身の健康により目を向けていただきたいですね。

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