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森 武男 院長の独自取材記事

ホームドクターこつこつクリニック

(江戸川区/葛西駅)

最終更新日:2025/04/14

森武男院長 ホームドクターこつこつクリニック main

江戸川区東葛西にある「ホームドクターこつこつクリニック」は、2023年に開業した在宅医療専門のクリニックだ。同院から半径16km圏内が訪問エリアで、江戸川区を中心に葛飾区、江東区、浦安市、市川市が含まれる。森武男院長は整形外科を専門とするが、地方の公立病院では夜間の内科救急にも対応するなど幅広い診療経験があり、患者を全人的に診る主治医としての力を高めるため努めてきた。同院ではそれらの経験を生かしながら、整形外科や内科を中心に診察。また、他の診療科の診察も重要と考え、2025年1月からは眼科にも対応している。今回は森院長に、在宅医療への思いや同院の取り組みなどについて聞いた。

(取材日2025年2月14日)

整形外科、内科に加えて眼科の診察も開始

かわいらしいクリニック名ですね。

森武男院長 ホームドクターこつこつクリニック1

私がこれまで整形外科診療に長く携わっていたこと、今後は訪問診療で定期的に、まめに患者さんにお会いしに行こう、この2つの意味を込め「こつこつ」と名づけました。訪問診療のクリニックを開業しようと思ったのは、父が開業した診療所で訪問診療も行っていたので手伝っていたということもありますが、これまで整形外科の医師として患者さんの体をより多く診察してきた経験を生かしたいと思ったからです。整形外科は首から下の体全部を診る科で、骨や筋肉は表面積や重量など体の中で大部分を占めています。それだけ診る範囲も広いのです。小児科での診察経験もありますが、お子さんの診断では被ばくの心配があるため画像検査を控える必要があり、とにかく体を触ってその反応を確認することが重要となります。このように患者さんの体に直接触れて、よくお話を聞きながら丁寧に行う診察を、在宅医療の中で行いたいと考えたのです。

訪問診療はとてもニーズが高まってきていますね。

訪問診療というと、内科や緩和ケアなどのニーズが高いイメージですが、整形外科に通われている方も少なくありません。整形外科の患者さんのお悩みの多くは生活の質に直結するものなので、整形外科診療に長く専門的に携わってきた私のような医師が取り組む意義は大きいと思っています。また、訪問診療では眼科、婦人科、皮膚科、精神科、耳鼻科などの診療科もとても重要です。ご高齢の方はこれらの疾患を併せ持っている方も多く、通院できなくなったときに、それらの疾患に対応できる体制を整えることも必要と考えています。

その一歩として眼科の診察を始めたのですね。

森武男院長 ホームドクターこつこつクリニック2

2025年1月から、眼科にも対応しています。きっかけは眼科の医師との出会いです。当院の存在を知った先生から、ぜひ一緒に訪問診療をやりたいとお声がけいただきました。ご高齢になると白内障や緑内障、糖尿病の合併症である糖尿病網膜症などを発症しやすくなります。眼科疾患が進行すると通院もますます難しくなってくると思います。ですので、ご自宅でも眼科の検査ができるように眼底観察のできる単眼倒像鏡や、角膜・結膜・水晶体などを確認できる携帯式の細隙燈顕微鏡、眼圧を測る眼圧計などをそろえました。眼科の医師は内科の研修を受けていますし、より詳細な内科の診察については私と連携しながら行っています。

礼節の上に成り立つ訪問診療

心電計などの検査機器も増えたそうですね。

森武男院長 ホームドクターこつこつクリニック3

さまざまな機器をお持ちして整形外科の専門知識を持つ医師が訪問するということも、当院の特徴です。胸部エックス線撮影装置についてはAIも搭載していて、見逃しを減らすことにも役立っています。ご高齢の方は誤嚥性肺炎が多く、問題になっていますので、早期に発見し治療できるよう尽力しています。ポータブルの心電図検査装置も新しく導入しました。動悸や胸の痛みがあると狭心症や心筋梗塞を心配なさいますが、検査して何も問題がないとわかれば安心できると思います。エックス線撮影装置と心電図検査装置はかかりつけ医として必要不可欠ですし、すぐに負担も少ない検査ができるのが大きな利点です。心電計を導入したことで、自治体の長寿検診にも対応できるようになっています。

訪問診療を行う上で、気をつけていることなどありますか?

まずは人として、あいさつと礼儀を大切にしています。そんなこと、と思われるかもしれませんが、礼節をわきまえていない人間に命に関わる医療を委ねることはできないでしょう。また診療の現場ではさまざまな医療器具を用います。今は使い捨てのものも増えていますが、そういったものを散らかさないようにすることにも気をつけます。そして一番重要なのが患者さんご本人やご家族とのコミュニケーションですね。案外、病気とは関係のない雑談から重要な要望や必要なことがわかったりするものなのです。医学的なところは医療に携わる者として、ある意味できて当然だと思っているので、どれだけ信頼していただけるか、なんでも言っていただける関係になれるか、というところに重きを置いています。

診察ではどのようなことを行うのですか?

森武男院長 ホームドクターこつこつクリニック4

患者さんが今困っていることについてよくお聞きした上で、整形外科の専門的な知識や経験を生かして治療計画を立てます。手術が必要となる場合は、手術を依頼する病院にお渡しする主治医意見書や、リハビリテーションを行う理学療法士さんに向けた指示書も作成します。こうした書類も、患者さんごとに必要なことは何かを見極めながら具体的にわかりやすく作成するよう心がけています。また、基本的な内科疾患の診療も重視し、それにプラスして患者さんにとって今必要なことや今後必要になることを見通して、関係各所へ具体的に指示するようにしています。そのためには患者さんがうまく伝えられない課題や要望、時として患者さんも意識していなかった問題点を察することができなければいけません。私たちが目標とする医療は、言われたことを提供するのではなく、患者さんの考え、生活環境、趣味などから必要なことをくみ取って提供できる医療です。

「こつこつ流」を大切に、着実かつ丁寧な診療を

院内のスタッフや多職種の連携についてはいかがでしょうか?

森武男院長 ホームドクターこつこつクリニック5

当院は少数精鋭で運営していて、スタッフとは常にコミュニケーションを図っています。この4月からは医師が増えますので、より一層連携を深めていきます。ケアマネジャーさんや理学療法士さん、介護士さんなどとの連携も重要で、さまざまなコミュニケーションツールを用いて情報共有しています。特に理学療法士さんとは、リハビリについて逐一連絡を取り合っています。理学療法士さんから届いた患者さんの状況に応じて次回の訪問を早めるなど、臨機応変に対応しています。多職種の人々が関わる中では、皆が患者さんを良い方向へ導くため尽力する同じ仲間だというスタンスが大切だと思います。また、ご家族の中で患者さんご本人以外のキーパーソンが誰なのかを把握することも重要ですね。ですので、まずはしっかりお話を伺っています。

これまでのさまざまな経験が、今の診療に生かされているようですね。

幸運にもそうですね。小児科ではお子さんとも仲良くなれましたし、救急科の外来も経験しました。大学病院ではフットアンドアンクルという膝より下の部分をリーダーとして診ていました。大学病院は、患者さんにとっていわゆる最後の砦であり、難症例の患者さんも紹介されて来られます。そんな緊張感とプレッシャーの中での診療は、やりがいも大きいものでした。一番は父のもとで経験を積んだことでしょうか。全人的、患者さんを人として診て主治医としての力を高めることは、ずっと継続して意識しています。地方病院に勤務していた時代には幅広い疾患に対応していました。言葉が出にくい失語症の方もおられ、筆談や身振り手振りなど言葉以外によるコミュニケーションも学びました。そうした経験の集大成が、今の診療につながっていると思います。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

森武男院長 ホームドクターこつこつクリニック6

一番大切なことは患者さんにとって害となることはしない、ということ。お薬も処置も、患者さんにとって利益になる面が大きいから行われるのです。また、患者さんの希望をくんだケアや看取りの方法は、それぞれの患者さんごとにつくり上げるものだと思っています。当院の受診の入り口は整形疾患であるかもしれませんが、その後は全人的に診ています。これからも生活の質を維持・向上をめざしながら生涯にわたって診療する「こつこつ流」の訪問診療をさらに広げていければと思っています。患者さん一人ひとりに適した医療をこつこつと着実に、丁寧に提供いたします。ぜひご相談ください。

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