米田 直道 院長の独自取材記事
よねだ歯科クリニック
(吹田市/吹田駅)
最終更新日:2023/08/09
吹田駅徒歩3分、飲食店2階にある「よねだ歯科クリニック」は2023年7月に開業。大阪大学歯学部附属病院などで研鑽を積んだ米田直道院長が、これまで培ってきた精密な手技と豊富な経験を武器に、一般歯科から難症例の根管治療、予防歯科までオールラウンドに対応している。一方で専門性の高い治療が必要だと判断した場合には無理をせず他院を紹介するなど「口のかかりつけ医」として、誠実な診療を心がけているという米田院長。これまでの経歴や開業の経緯、めざすクリニック像、患者への接し方や痛み・不安への配慮、自慢のスタッフや施設など、幅広く話を聞いた。
(取材日2023年7月28日)
病院勤務と研究で培った精密な技術を武器に開業
これまでのご経歴と開業までの経緯を教えてください。
高校1年生の時に参加したオープンキャンパスがきっかけで、細かい作業が好きな自分の特性を生かせると感じて歯科医師を志しました。大阪大学歯学部を卒業後は、大阪大学歯学部附属病院保存科に8年間、兵庫医科大学歯科口腔外科に4年間それぞれ勤務して経験を積み、自信を持って歯科治療全般ができるようになったと感じたことから、元々めざしていた“町の歯医者さん”になろうと決意しました。私は隣の摂津市出身で、よく訪れていた吹田で良いご縁があって、2023年7月、吹田駅徒歩3分の当地に開業する運びとなりました。
病院勤務時代はどのような治療をされていたのですか。
基本的な虫歯治療や根管治療を専門として研鑽を積み、現在もそれが最も得意とする分野です。大学院では、人間用の歯科治療器具を転用したり特注品を製作したりと試行錯誤しながら、ネズミの歯の根管治療をテーマとした研究に取り組み、学位を取得しました。2~3mmの大きさしかないネズミの歯の根管治療を繰り返し行ってきたため、現在の精密な治療への良い訓練になったと思っています。
どのようなクリニックをめざしていますか。
これまで培ってきた技術や経験を存分に発揮した丁寧な治療をご提供するととともに、予防にも力を入れて取り組み、患者さんの歯の健康を守っていくクリニックにしたいと考えています。そのためには精密な検査・治療が欠かせません。当院では裸眼やルーペだけでは見えにくい、狭く入り組んでいる歯の根っこを高倍率かつ明るい視野のもと治療するためのマイクロスコープを導入しました。マイクロスコープはより精密な根管治療を行うために、今の時代なくてはならないものだと感じています。また根っこの形などの詳細を把握できるよう歯科用CTも用意し、難しい根管治療の際には積極的に歯科用CTも使用して、より精度の高い治療につなげていきたいと思います。
障害者歯科の経験を生かし、全世代対応の診療の提供を
診療ポリシーや患者さんに接する際に心がけていることを教えてください。
患者さんに寄り添うことが一番大切なことだと考えています。私から治療方針や考えを頭ごなしに押しつけることなどはあってはならないこと。患者さんのご希望をくみ取りつつ、最良の治療の提供に努めていくことが私のポリシーです。患者さんに病態や治療などをご説明する際には、さまざまなツールを利用してなるべくわかりやすくお伝えするようにしています。例えば検査結果などは診察室のモニターに映して、正常な状態と比較するなど視覚的にもわかりやすい解説をできるよう心がけています。
小児患者についてはいかがですか。
私自身は子どもが生まれたばかりで、まだどう接していいかわからない部分があるのが本音です。でももともと子どもは大好きで、まずは怖がらせないように対応するということを大切にしています。まだ開業したばかりでアイデアは固まっていないのですが、治療の励みになるようおもちゃのプレゼントを用意することなども含め「歯医者さんは楽しいところだよ」と思ってもらえるような取り組みを充実させていきたいと考えています。また兵庫医科大学病院勤務時代は週1回ほど障害者歯科で診療を行うこともあったため、歯科治療の難しい方やハンディキャップのある方に対し、どう対応すべきかも学ぶ機会がありました。それらの経験も生かしていきたいですね。
痛みや不安への配慮で工夫していることはありますか?
治療前にしっかりとご説明して、できる限り不安を取り除けるよう努めるということが第一です。その上で、例えば麻酔をする際は表面麻酔を行い、痛みの少ない電動麻酔器を用いるなど痛みに配慮しています。麻酔は強圧かつ速いスピードで注入されることで痛みを感じやすくなるのですが、電動麻酔器は少量ずつゆっくりとコントロールしながら薬液を入れることができるため、入れ始めから痛みの軽減を図れるというメリットが期待できます。また良かれと思ったことが患者さんの不利益につながらないよう、できることは当院で行いながら、リスクの高い親知らずの抜歯や矯正治療は専門の先生にご紹介させていただきます。そうした判断を行うのも「お口のかかりつけ医」の役目だと考えています。
定期メンテナンスで健康維持を。予防歯科にも注力
予防の重要性について教えてください。
定期的にご来院いただき、悪くなりそうなところを早めに見つけて対応していくことが、歯を失う可能性を抑えることにつながると考えます。早期に発見できれば患者さんとゆっくり相談しながら対応することもできますので、手の施しようがない悪い状態になる前に来ていただくことが大切ですね。例えば詰め物が取れてしまったので数年ぶりに来院したという方を診察してみると、実は歯が割れていた、歯の奥までむしばまれていてもう抜かなければいけないといった状態であることも考えられるんです。皆さんお忙しいとは思いますが、少なくとも半年から1年に1回は来院していただき、お口の健康チェックを受けるというのが歯を長持ちさせるために必要であると強調してお伝えしたいですね。
自慢のスタッフさんや院内設備もご紹介ください。
開業する2~3週間前の準備段階から勤務してくれているスタッフたちはとても仲が良く、しっかりコミュニケーションを取りながら仕事をしてくれています。私たちスタッフの関係性は患者さんにも伝わるため、明るくて非常に良い雰囲気で診療が行えているのは当院の自慢といえますね。設備では個室が1つ、プライバシーを保ちながらも閉塞感がない半個室が2つあり、全チェアに感染症の飛散原因となる物質などを吸い取るための口腔外バキュームを設置しています。ワンポイントに取り入れた木目やおしゃれで可愛い丸い照明など、心落ち着く内装にもこだわりました。
今後の展望と、地域の方にメッセージをお願いいたします。
当院は2階にあり、階段のみとなっているため、足の悪い方などのご来院は難しいのが現状ですが、今後は訪問歯科診療の実施なども考えております。またお子さんは診療室に入るとどうしても緊張してしまうもの。楽しく通えるようなクリニックになれるよう、設備の改良も含めて検討中です。クリニックから足が遠のいている方も、一度お口を健康な状態にできたら、定期メンテナンスでのフォローで口腔状態を維持していくことが望めます。クリニック嫌いな方も少なくないとは思いますが、痛いところ・怖いところではないと思っていだけるよう努めておりますし、まずはふらっと来院していただいてクリーニングだけでも受けてもらえれば、当院の良さもおわかりいただけると思います。ぜひ気楽にお越しください。