便秘症や長引くおなかの不調
一人ひとりに合わせて改善に取り組む
内科・消化器内科 ひらた医院
(京都市山科区/東野駅)
最終更新日:2023/07/14
- 保険診療
内視鏡検査や超音波検査を受けても異常が見つからない慢性的な腹痛や下痢。いわゆる機能性消化管障害と呼ばれ、病院で解決されず、我慢しながら日常生活を過ごしている人も少なくない。その多くはストレスによって引き起こされるほか、食事や気温の変化なども影響するため、治療には時間を要するケースがあるという。そこでコミュニケーションを重視した粘り強い診療で機能性消化管障害治療に取り組んでいるのが、「内科・消化器内科ひらた医院」だ。「患者さんがどこに困難を感じているかを想像しながら、少しでも症状が改善できるように向き合っていくことが大切」という平田育大院長に、機能性消化管障害の症状や具体的な治療法などについて話を聞いた。
(取材日2023年6月30日)
目次
ともに試行錯誤をしながら症状の改善方法を探る、機能性消化管障害治療
- Q検査をしても異常がないおなかの症状。悩む人も多いと聞きます。
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A
慢性的な腹痛や下痢などの症状があるものの、内視鏡検査などを行っても胃や腸に異常が認められないというケースは少なくありません。若い現役世代に多い慢性症状で、すぐに満腹感を感じてしまう、胃もたれが続く、食後に胃が痛むなど、さまざまな症状を訴えられます。日常生活に影響を及ぼしてしまいますが、原因を特定したり、効果が見込める薬を見つけたりするのに時間がかかるため、医療機関を受診せずになんとかやり過ごしているという方も少なくないのではないでしょうか。また、ご高齢になると便秘に悩む方が増えてきますが、最悪の場合、命に関わることもあるため、いつものことだからと我慢せずに医療機関を受診することが重要です。
- Qそのような症状を機能性消化管障害というと聞きました。
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A
そうですね。検査で原因がとらえられない、長く続く胃腸の不調はこの機能性消化管障害に含まれます。消化器が過敏に反応することによって、腹痛や下痢などの症状を引き起こします。これは、一般的な胃薬といった薬では症状の改善を図ることが難しい病気です。原因として一番わかりやすいのがストレス。けれど患者さんにお話を聞いてみると、ストレスに心当たりがないというケースがほとんど。必ずしも頭で感じるストレスと、体が感じるストレスは一致しません。そのため治療を行うにあたっては、その原因を探りつつ、効果の見込める治療薬を見極めていく必要があります。
- Qどのように診療を行っていくのでしょうか?
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A
まずはがんや炎症など、症状を起こしている病気が隠れていないかを内視鏡検査や超音波検査でチェック。その結果、機能性消化管障害が当てはまれば、症状に応じてゴール設定を行い、どう解決していくかを患者さんと一緒に考えていきます。薬に関しては胃腸薬ではなくどちらかというと神経の調整を図るような精神科の薬を使うことも多く、お互いの信頼関係が大切になります。ですから患者さんとしっかりコミュニケーションを取っていくことが欠かせませんし、その分時間もかかります。異常が見当たらず診療に消極的になる医療機関も多いのですが、患者さんが困っている以上、かかりつけ医として解決すべき問題だと感じています。
- Q漢方薬も治療に活用されていると伺いました。
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A
西洋薬は何かを取り除くことは図れるのですが、何かを補う、底上げするという役割が苦手なんです。例えば体を温める、体力を上げる、過敏性を抑えるという、調子を整えていくような働きは漢方薬のほうが上手です。漢方薬が治療の糸口になることもあり、また症状を和らげることを図るだけでなく、体全体の調子を底上げすることも期待できますからね。一人ひとり症状の程度や原因が違いますから、オーダーメイドの治療が必要になりますし、薬に関しても選択肢があればさまざまなアプローチを検討することが可能です。ある種、機能性消化管障害自体が説明のつかない難しい領域だからこそ、こちら側もさまざまな手立てを準備しておく必要があります。
- Q先生はなぜこの治療に注力されようと思ったのでしょうか?
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A
私自身、大学病院や基幹病院で勤務してきて、消化器内科の医師として救急の現場で内視鏡検査などに長く携わってきました。大きな病院では逆に対応が難しく、救われていない機能性消化管障害に悩んでいる人がたくさんいることを知りました。症状を我慢して日常生活を過ごしている人、受診しても治療がうまくいかない人が多く、こうした患者さんたちのサポートをしたいと考えました。もっと多くの患者さんの力になりたいというのが開業のきっかけでもありますし、この病気で救われていない患者さんたちの受け皿になるというのが、地域のかかりつけ医の使命。話すだけで気持ちも楽になると思いますので、まずはじっくりとお話をしましょう。