地域に必要とされる診療を拡充
総合診療を行うクリニック
くらしケアクリニック城東
(江東区/亀戸駅)
最終更新日:2024/07/24


- 保険診療
多くの医療機関にアクセスでき、症状に合わせて専門的な診療を受けられるのは東京の魅力の一つだが、それゆえに患者は自分で選択する労力が必要となる。忙しいときやいくつかの症状を抱えているときは、クリニック探しに苦労するのではないだろうか。そこで頼りになるのが、幅広い病気に対応するかかりつけクリニックの存在だ。江東区亀戸に2023年6月開業した「くらしケアクリニック城東」は、病気だけではなくさまざまな困り事を相談できる総合診療、家庭医療の分野を専門とする田中顕道先生が院長を務めるクリニック。風邪などの内科的な疾患から、子育てや介護の相談、訪問診療まで担っている。地域との連携も密に行っているという田中院長に、総合診療とはどういったものなのか、どのようなときに頼るといいのか、じっくり教えてもらった。
(取材日2024年7月2日)
目次
病気の治療から子育て、介護の悩み、メンタル面の相談まで対応。総合診療の強みを訪問診療にも生かす
- Q総合診療とはどのようなものなのでしょうか?
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A
▲地域の「かかりつけクリニック」として幅広く対応可能
専門分野として確立しており、専門とする医師になるには、大規模病院や町の医療機関などで実施される訓練を受けることが必要です。主治医として病気や健康問題、それを取り巻く生活面の問題まで対応し小児から高齢者まで年齢も区切りなく診療します。この臓器は診る・診られないというのがなく何でも対応します。そう聞くと「全部の病気を診られる医者はいないでしょ」と思われるかもしれません。もちろん私だけですべての病気のすべての段階に対応できるわけではないので、そのような場合はプライマリケアの「継続性」や「責任性」、「地域志向性」を発揮して、地域の医療や福祉資源の状況を詳しく把握し責任を持って必要な場所へ引き継ぎます。
- Q総合診療を行う医師がいるクリニックの特徴は何でしょうか?
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A
▲院内は広々としており、日光が差し込む明るい空間になっている
まず、患者さんを断らないというのが特徴です。風邪などの一般的な内科症状から、メンタル面の不調や子育て、介護のことなど基本的には何でもご相談いただけます。例えば内科では相談しにくい、整形外科や皮膚科の領域もカバーしていますので、診療科を分けて受診する必要がなくなります。総合診療を行う医師に求められるのは、地域のニーズに応えることなんです。地域の方の困り事が、私たちが対応すべきこと。地域の方の困り事を解決するために、設備を拡充することもあります。介護に関しては、どんな訪問看護師さんやケアマネジャーさんがいるのかを知っていますし、公的な支援へつなげることもできます。
- Q実際、どのような方が来院されますか?
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A
▲診察室はスペースがあり、車いすやベビーカーでも入れる造りに
風邪や生活習慣病などの内科診療でいらっしゃる方が多いですが、同時に介護や育児に関するご相談のために来られるケースもあります。当院には保健師やケアマネジャーの資格を持つスタッフもいますので、気軽にご相談いただきたいです。ご高齢の方でいくつかのクリニックにかかっていたのを、当院にまとめたいという方や、ワクチン接種や健康診断など予防医療が目的でいらっしゃる方もいます。また、メンタル面の不調を感じて来院されるケースも。当院ではメンタル面の悩みにも、もちろん対応します。患者さんご自身で「こんなことを相談したら駄目かな」と制限せずに、率直にご相談ください。
- Q訪問診療において、総合診療を行う医師がいるメリットは?
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A
▲地域の病院や介護事業者と連携・協力し訪問診療を行っている
訪問診療と外来での診療の違いは、その場である程度の解決を求められることにあります。病院の外来ではわからなければ、別の先生をすぐに呼んで一旦入院して検査をするということも可能ですが、訪問診療は15~30分の間で方針を決めなければなりません。そこに、幅広い病気を診られる総合診療を専門とした医師のいるメリットがあると思います。また、ご自宅での看護に欠かせない多職種との連携も得意としているところです。「地域志向性」をもって、この地域の医療機関やケアマネジャーさんたちと連携して対応しています。私は直接ケアマネジャーさんに電話することもよくあるんですよ。
- Qどういった方が訪問診療をご希望されますか?
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A
▲患者のニーズに合わせた対応を心がけていると語る
年齢や病気に関わらず、移動が難しい、歩けない、病院まで行けても待つことができないなど、通院が困難な方が希望されます。通院はできても診察が5分ほどで終わってしまい、医師と話せないことに悩んでご希望されるケースもあります。訪問診療であれば15~30分ほどお時間を取れますし、場合によってはもう少し時間を設けることも可能です。主に認知症やがん、自宅での医療機器管理が必要な方などが対象となりますが、当院は地域で必要とされれば、それに合わせて受け入れる体制を整えます。例えば、在宅で輸血による治療をしたい方がいるが、病院から紹介する先がないといったときにも、対応できるようすぐに体制を整えることに努めます。