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土屋 博司 理事長の独自取材記事

ハートクリニック浦安

(浦安市/浦安駅)

最終更新日:2025/07/29

土屋博司理事長 ハートクリニック浦安 main

浦安市猫実2丁目の一角、大三角線沿いにあるのが「ハートクリニック浦安」だ。2022年、土屋博司理事長が前医院を継承する形で新規に開業した。土屋理事長は、それまで杏林大学の心臓血管外科で重篤な心臓・血管疾患の手術に携わってきた。命に関わる大きな病気を診てきたからこそ、医師人生の後半は、そんな事態に陥らないよう予防医療に徹していきたいと考えたそうだ。診療の際は、心疾患を引き起こす主な原因である高血圧や糖尿病、動脈硬化などについてグラフやイラスト、写真を多用したスライドを使いながら患者が理解しやすいよう説明している。予防医療への思いやクリニックの特徴などについて聞いた。

(取材日2024年3月19日/情報更新日2024年7月5日)

重篤な疾患に至らないよう予防医療に専念

開業への思いについて聞かせてください。

土屋博司理事長 ハートクリニック浦安1

開業するまで大学病院で心臓血管外科医として急性心臓・大動脈疾患の治療に従事しておりました。中でも急性大動脈解離はたいへん重篤な病気であり、発症するとその場で約半分の方が亡くなられます。Stanford type Aの急性大動脈解離を発症した場合、救命するには緊急手術しかございません。心臓手術には医師、看護師、人工心肺技師、といった多数の医療従事者が必要です。一方、近年の日本国家予算に対する医療費は40%を超え、2022年度は46兆円にも上り国家予算を圧迫しています。今後、医療費を抑制し、患者さまの体の侵襲を減らすには、予防医学の確立が必須だと考えております。予防医学とは「病気になってから治療を受けるのではなく、病気になりにくい体作りを推進し、健康維持を目的とする」という考え方です。私の医師人生の後半は、地域の患者さまの予防医療を行い、健康管理に従事したいと考えております。

浦安を選んだのはどんな理由があったのですか。

医院開業には新規開業、継承開業の2つがございます。医師人生の半分を超えた頃、予防医学に意識し始め医院開業も考えるようになりました。20年以上大学病院で勤務医として働いていたため、医院経営はまったくの素人であり、スムーズな医院開業には後者が適していると思いました。その頃、浦安でご開業されていた山本医院の管理者でいらした山本先生がご勇退されると伺い、継承候補者として手を挙げたところ、幸いにも山本先生により任命いただきました。私の実家は千葉の船橋にあり、大学通学にも東京メトロ東西線を使っていたため、なじみのある地域に社会貢献できればとの思いで、この地で開業することを決心いたしました。

診療内容も幅広いですね。

土屋博司理事長 ハートクリニック浦安2

そうですね。長年医師を行っていると、自然といろんな疾患に出会うと思いました。以前私は、心臓血管外科医はスペシャリストと考えておりました。日本胸部外科学会心臓血管外科専門医を得るには、日本外科学会外科専門医の取得が必須です。外科専門医は腹部臓器、肺臓器疾患、心疾患、乳腺疾患、小児外科、末梢血管疾患、甲状腺疾患、救急医学、麻酔学といった幅広い手術経験と周術期治療の知識が要求されます。心臓血管外科専門医として働くようになると、手術前に心臓機能の評価はもちろんのこと、CT・MRIで脳領域・頸動脈、肺・腹部臓器の正しい評価が求められます。体のどこかに腫瘍があるのに人工心肺装置で心臓手術を行うと、腫瘍が進行する恐れがあります。よって、心臓血管外科医はジェネラリストが求められると考えるようになりました。この経緯から幅広い診療を行っております。

病気に対する理解を深めることが大切

診療方針について教えてください。

土屋博司理事長 ハートクリニック浦安3

どのような患者さまでも断らずに診ることを信念に治療を行っています。しかし、緊急性が高く、明らかに当クリニックを受診することにより患者さまの有益性が下がると判断した場合は、勇気をもって大きな病院を受診することを推奨します。そのような場合は順天堂大学医学部附属浦安病院、東京ベイ・浦安市川医療センター、公益財団法人がん研究会有明病院にご紹介しています。勤務医時代は、もう少し早い搬送が必要だったと感じることもあれば、そうでない症例も多数経験しました。患者さまを搬送される側、搬送する側の両立場の経験から、患者さまが最も適切な医療機関での治療を受けられるよう努めたいと思います。

患者さんへの説明ではスライドを活用しているのですね。

皆さまにご理解いただけるように、病状は画像をお見せしながら説明しています。もちろん、言葉での説明は最も大切ですが、画像の説明は印象に残りやすいと感じたからです。血圧、糖尿病、高コレステロールといった生活習慣病は、未治療だと重篤な病気になることを画像でわかりやすく説明することに努めています。時には患者さまから「怖い説明を受けた」との声もございますが、「大きな病気になると、患者さま自身も周りのご家族さまも大変になる」ことを認識していただくことが大切だと思っています。画像での説明は予防医学につながると考えております。

まず病気に対する知識を持つことが予防に大切なのですね。

土屋博司理事長 ハートクリニック浦安4

そうですね。もちろん、病気に対する知識を深めることも大切ですが、喫煙・飲酒量・運動量・ストレス量など、自身の生活習慣を把握することも非常に大切です。私自身もそうですが、20代に簡単に行えていたことが、40代の後半にはつらくなってきます。平等に人間は年齢を重ね、右下がりに体力が落ち老いていきます。その右下がりの矢印を少しでも上方に上げるには、病気や生活習慣に対する正しい知識を持つことが大切です。ほんの少しでも良いので「今日は30分歩いた。今日は粗食にした。サウナに入ってストレス改善した」等といった小さな目標を見つけ、日々体を労りながら生活することは大切だと思います。

こちらで受けられる検査について教えてください。

主にエックス線、採血、心電図、24時間心電図、SAS(睡眠時無呼吸症候群)、超音波(エコー)、上部内視鏡(胃カメラ)の検査があります。特にエコーは、超音波を専門に研鑽を積んだスタッフが在籍しており、力を入れています。上部内視鏡は2024年5月より新たに導入し、毎週火曜日に日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医による検査を実施しています。浦安市の胃がん検診にも対応可能です。実は、上部内視鏡検査は山本医院時代には対応していましたが、継承後は私の専門外で休止せざるを得ず、必要に応じて他院をご紹介していました。通院負荷軽減のためにも再開したいと思案していたので、念願がかなったといえます。また、毎週木曜日には日本糖尿病学会糖尿病専門医による外来も開始し、インスリン処方などより精密な管理が望めるようになりました。今後は1つのクリニックで各専門家が連携し合い、質の高い医療をめざしてまいります。

動悸がする、胸が圧迫されると感じたらすぐに受診を

ところで、先生が医師をめざしたきっかけはどんなことだったのでしょう。

土屋博司理事長 ハートクリニック浦安5

人のためになる仕事をしたいと思ったからです。人間は多くの場合生まれる時も最後の時間を迎える時も医師が携わっていることが多いです。医師は人に貢献できる職業と思い、工学系から医学部に入り直しました。心臓血管外科を専門にしたのは、患者さんの命を救うための手術に携わりたいと思ったからです。

ご自身は健康維持のために何かされていますか。

ランニングと水泳をしています。自身が健康でないと患者さんの健康を守ることは難しいと思います。「食事に気をつけ、十分に運動を行ってください」と患者さんに伝えても、医師が不摂生だと説得力に欠けると思います。また、私が体調を崩し臨時休診になれば、もし内服薬で安定している患者さまがいたとしても健康を害することになります。さらに開業して意識が変わったのは、自身の健康はもちろんですが、安全面にも気をつけるようになったことです。車の運転や、通勤時間に余裕を持ち電車に乗ることや、歩行時に自動車の位置などに気をつけるようになりました。

では最後に、今後の展望と読者へのメッセージをお願いいたします。

土屋博司理事長 ハートクリニック浦安6

地域の方々が重篤な疾患に至らないように予防医療に努めていきたいと思います。心疾患には胸部圧迫感、動悸といった症状がございますので、その症状を感じたら早めの診察をお勧めいたします。他にも体調が悪い、何科に受診すべきかわからない、といったことがあれば受診することを躊躇わないでください。当クリニックは正確かつ素早い診察を目標とし、緊急性や専門性が高いと判断した場合は高度医療機関にご紹介します。

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