野口 尊弘 院長、野口 仁美 さんの独自取材記事
さぎぬま泌尿器科・美容クリニック
(川崎市宮前区/鷺沼駅)
最終更新日:2024/12/04

東急田園都市線・鷺沼駅から徒歩3分ほどのビルの一室に「さぎぬま泌尿器科・美容クリニック」はある。清潔感あふれる院内は、白と茶色を基調にした落ち着いた雰囲気に、明るいオレンジが印象的だ。穏やかな話し方の野口尊弘(のぐち・たかひろ)院長と、明るい笑顔が印象的な事務長を務める野口仁美さんが、夫婦二人三脚で運営している同院。尊弘院長は大学病院の泌尿器科から、美容クリニックでの勤務を経て開業。そこには、泌尿器の病気に悩む男性患者への想いがあった。同院を開業するまでの経緯、開業から1年たって感じること、男性患者に配慮した日常診療の様子、患者へのメッセージなどを2人に聞いた。
(取材日2024年7月5日)
男性看護師が常駐し、男性患者の診療にも配慮
開業するまでの経緯を教えていただけますか?

【尊弘院長】帝京大学医学部を卒業後、同大学医学部附属病院や、順天堂大学医学部附属静岡病院の泌尿器科で幅広く診療してきました。中でも外科手術にやりがいを感じていたのですが、2人目の子どもが生まれて、妻の負担が大きくなり、家族の生活環境について考えたことが開業を決意した一つのきっかけです。他にもさまざまな理由で開業を考えましたが、理由の一つとして、大学病院の手術は治すことを第一の目標にしていましたが、自分としては、手術後の患部の審美的な見た目などにも注意を払った手術をしたいと感じていました。そのため、大学病院に勤務しながら、包茎手術の専門クリニックにも勤務して技術を磨こうと思ったのですが、そこで美容医療の有用性も感じ、そういった経験を生かして「泌尿器科・美容クリニック」というコンセプトで開業しました。
特徴的なコンセプトですね。
【仁美事務長】女性の私としては、世の中に女性専用車両やレディースデイといったサービスなどはあるものの、男性向けの利用しやすいサービスがなかなかないのはどうなんだろうか、という想いがずっとありました。また、女性に比べると男性更年期障害などはまだまだ周知されていない面があり、ご相談に来るのをためらってしまう方もいるのではないかとも考えています。そのため、男性の方に対しても配慮ができて、来院しやすいクリニックはできないだろうかと考えて開業に至りました。そのため、当院では男性看護師に常駐してもらうような工夫もしています。
男性看護師の方はどのように診療に携わるのでしょうか?

【尊弘院長】基本的には通常の看護師と同じく診療の補助です。ですが泌尿器科ですので、男性患者さんの患部を診察や検査するとき、女性看護師だとどうしても抵抗があり受診しづらいという方もいらっしゃると思います。その際の衣服の着脱など、男性患者さんのお手伝いを男性看護師が行いますので、抵抗感は少ないと思います。また、実際の診察や検査では男性看護師であっても席を外してもらい、患者さんが緊張しないようになるべく私一人で診るよう配慮しています。そのほかにも、当院ではプライベート枠というものを準備しており、完全予約制で院内に患者さんはその方だけ、という時間を用意しています。他の患者さんに会うことなく相談・治療を受けたいという方に配慮したサービスです。
男性も受診しやすい環境で診るさまざまな泌尿器科疾患
どのような主訴の患者さんが多く来院されますか?

【尊弘院長】泌尿器科に関するお悩み全般はもちろんですが、クリニックの特性や、これまでの私の外科手術経験もあり、包茎手術を希望される男性の方も多く来られます。その他にも、ちょっとしたできものやかゆみ、痛みなど、デリケートゾーンに違和感があるという方も。当院は年代問わずお越しいただいており、40代以降からシニアの方に関しては、頻尿をはじめとした尿のトラブル、健康診断の尿検査にて数値の指摘のあった方などもいらっしゃいます。また、介護の現場で社会的に問題となっている高齢者の包茎についても積極的に対応しており、介護を受ける前の包茎手術のご相談などもありますよ。
包茎の手術は、年代を問わず幅広く対応されているのですね。
【尊弘院長】日本人の多くの方は仮性包茎といわれており、一部の方は真性包茎や嵌頓(かんとん)包茎などの要治療となる方もいらっしゃいます。包茎によるトラブルは子どもから高齢の方まで年代問わず起こりやすく、炎症や痛みが出たり、皮をむいても戻らなかったりというケースもあります。包茎であると皮の内部を清潔に保つのが難しく、菌が繁殖して感染症や前立腺炎などにつながることも。先述した介護の現場での問題は、このような病気の面だけでなく、介護に携わる人の汚れや臭いに関する負担、介護される側の精神的な負担が生じるので、事前に包茎治療を行うことを当院としてもお勧めしています。
そのほか、力を入れている診療はありますか?

【尊弘院長】男性更年期の治療には力を入れています。元気がない、疲れやすい、または抑うつ気味であるとか、自覚症状はあるものの、必ずしも自分が更年期に当てはまるとお考えでない方も多いようですが、何か気になることがあれば、当院にご相談いただければと思います。また頻尿も、気になった時点ですでに何かしらの問題がある可能性があるので放置するのは良くありません。頻尿の原因としては、男性の場合前立腺肥大も考えられます。また、血尿などは、背後にがんのような大きな病気が隠れている可能性もあります。ほかにも精巣にしこりがある場合などは精巣腫瘍などが原因の場合があります。些細なことでも気になる症状があればお早めに来院していただければと思います。
病気の人を健康に、健康な人をより健康に
最近、性感染症に悩む患者さんも多いと聞いています。

【尊弘院長】梅毒の患者さんは全国的に増加傾向にあります。また、性感染症に関していうと、マイコプラズマ感染症も増えてきています。クラミジア感染症のような症状に似ているので、クラミジアの検査が陰性でも、症状が続いている場合などには検査が必要です。マイコプラズマ感染症は治療が難渋する場合もあり、早期発見が重要ですね。性感染症は陰部に症状が出るなどして、恥ずかしがって受診を悩む男性の方もいるかもしれませんが、先ほどもお話ししましたように、当院には男性看護師がおりますので、早めにご来院いただければと思います。
先生のプライベートについても伺います。休日はどのように過ごされていますか?
【尊弘院長】子どもが3人いますので、休みの間はずっと一緒にいて遊んでいます。ほとんどの時間を子どものために捧げている、と言ってもいいかもしれません(笑)。
【仁美事務長】夫は子どもに大人気で、特に一番上の娘は夫から離れようとしません(笑)。毎週末、必ず家族全員で一緒に出かけています。鷺沼の町はとても子育てがしやすいので、いい場所に開業できたと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【尊弘院長】当院では「病気の方を健康に、健康な方をより健康に」と考えています。体のことでトラブルがあればもちろん来院していただければと思いますが、何か違和感がある、少し気になる、などのレベルでもお気軽に来院していただいて、早期発見・早期治療につなげていきたいと思っています。スタッフ一同チームで診療にあたらせていただきますので、何かお悩みがあればぜひご相談ください。
【仁美事務長】私自身の感覚として、時代背景により、「男性は我慢強く生きなければならない」と思われている方が、特に中高年以降の方に多いように思います。ですが、少しでもつらいと感じることがあれば我慢しないで、すぐに受診していただければいいなと思っています。病気を抱えながら生活するというのはやはり大変なことだと思いますので、院長が言いましたように、早期発見・早期治療のためにも、お気軽に相談にいらっしゃっていただけたらと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは包茎手術/9万5000円~