柳瀬 哲至 院長の独自取材記事
紙屋町やなせ皮ふ科クリニック
(広島市中区/本通駅)
最終更新日:2026/04/02
広島市中区紙屋町・本通商店街に位置する「紙屋町やなせ皮ふ科クリニック」。理事長を務める柳瀬哲至先生は「広島大学病院」や東京「虎の門病院」をはじめ、広島市内や尾道市の総合病院などで研鑽を積んできた。皮膚科診療において難治性疾患から皮膚外科手術まで、数多くの症例に向き合ってきた皮膚科の専門家である。自身も幼少期からアトピー性皮膚炎に悩まされた経験を持つ柳瀬院長。その経験があるからこそ、常に患者の立場に寄り添う診療スタイルを大切にしてきた。診療内容は、専門とするアトピー性皮膚炎や乾癬の治療をはじめ、皮膚のできものの手術、医療脱毛や美容医療と多岐にわたる。「来院されるすべての患者さんに笑顔になっていただきたい」という想いのもと、日々診療に向き合っている柳瀬院長に、同院の特徴や治療について聞いた。
(取材日2026年1月10日)
自身が悩んできた経験が、患者視点の治療の原点
皮膚科をめざした理由を教えてください。

私が皮膚科医を志した背景には、幼少期から私を苦しめてきたアトピー性皮膚炎があります。子どもの頃、風邪でクリニックを受診した際にも「先に皮膚を診てもらったほうが良い」と医師に心配されるほど症状が重く、総合病院や皮膚科に通院する日々を過ごしていました。アトピー性皮膚炎の患者にとって、肌のかゆみは常にあるもので、それが当たり前だと思っていました。私も医学生を経て医師になった後でさえ、病態の本質を理解するまでは長くかゆみとの闘いが続いていましたし、今でもスキンケアを継続しています。こうした自身の経験があるからこそ、同じように慢性的なかゆみや苦しみを抱える患者さんの気持ちに寄り添える医師になりたいと考え、皮膚科を志しました。
ご自身の経験があるからこそ、患者さんの気持ちを特に重視されているのですね。
かゆみと同様に、やはり患者さんに一番大きな負荷となるのは「見た目」の問題だと考えています。特に思春期は、アトピー性皮膚炎であれニキビであれ、円形脱毛症であれ、外見が気になること自体がより大きなストレスになります。常に強い精神的な負荷がかかり、自分に自信が持てなくなってしまうことにもつながりかねません。しかし、症状が良くなり、かゆみが治まって、自分の肌や外見に自信が持てるようになると、状況は大きく変わる可能性があります。当院では重症度に応じた各種の積極的な治療を行っています。少しでも気になる症状があれば、「これくらいで受診していいのか」と迷わず、早めにご相談いただけたらと思います。
どのような悩みで来院される方が多いですか?

かゆみや皮膚炎、ニキビ、円形脱毛症、皮膚のできものなど、症状は多岐にわたります。比較的軽い症状で受診される方もおられますし、美容皮膚科に関するご相談もあります。ほくろ除去やピアスホールの形成、医療脱毛、しみ、肌をさらに整えたいといったご要望も多いですね。いずれにしても「疾患を治したい」「肌をきれいにしたい」というのは誰もが持つ思いだと考えています。それぞれのご希望に合わせた最適な治療方針をご提案し、一緒に進めていけたらと考えていますし、それを実現するための知識の習得は惜しみません。
幅広い専門性をもって皮膚疾患に向き合う
気分が落ち込んだ状態で来院される患者さんに対して、診療の際にどのようなことを心がけていますか?

まず病態を詳しく説明し、具体的な治療内容をできるだけ丁寧にお伝えするように努めています。患者さんの了承が得られた実際の症例写真をお見せすることもあります。どの治療を、どのくらいの期間続ければ改善が見込めるのか。その道筋を最初に示すことで「それならやってみよう」と前向きな気持ちで取り組んでもらえたらと考えています。中には長期間治療を続けてもなかなか改善せず、相談に来られる方もいます。もちろん、それだけで必ず良くなる病気ばかりではありません。ただ、各疾患には重症度に応じた治療の組み合わせや、ガイドライン、さまざまな文献報告があります。そうした知見を踏まえながら、できる限りその方にとって最良の治療を考えるようにしています。
特に得意とされている診療分野はありますか?
これまでの臨床経験を通じて、特定の分野に限らず幅広い診療領域を高い専門性をもって診てきた自負があります。皮膚腫瘍や巻き爪などの皮膚外科手術、アトピー性皮膚炎や乾癬、脱毛症など、幅広く専門的に対応しています。以前は総合病院で部長として勤務し、多くの症例に向き合ってきました。特に難治症例については、今でも最新の知識を入手し研究会報告にも取り組んでいます。美容施術については、まだ自分が主体となり発表を行っている段階ではありませんが、関連する勉強会には積極的に参加し、わからないことがあれば文献を調べたりその分野の専門家に直接質問したりして知見を深めてきました。全国にすぐ相談できる専門家がいる環境は、これまで働いて、さまざまな場で発表し、経験を積み重ね人脈を築いてきた財産があるからだと考えています。
保険診療と自由診療で大きく異なる点はありますか?

一般的に、皮膚病と呼ばれるものの多くは保険診療の対象になります。自由診療との違いは「日常生活に支障があるかどうか」です。日常生活に支障はないものの「さらにきれいにしたい」という審美的な目的になると、自由診療で対応することになります。そのため、まずは通常の保険診療として受診していただき、「ここまでは保険で対応できます」「ここから先は、さらにきれいにする目的になるので自由診療になります」というかたちで、きちんと説明するようにしています。どんな治療を受けるべきかわからない場合は、まずは保険診療で受診いただければと思います。
日々学び続け、より良い治療を追求していく
こちらのクリニックならではの、対応できる治療について教えてください。

ありふれた皮膚疾患では、通常の塗り薬や飲み薬では不十分な方が一定数いらっしゃいます。当院では、そうした重症例に対する先進的な治療も取り入れています。生物学的製剤を用いた「バイオ治療」。これは、近年大きく進展してきた治療法で、当院でも必要に応じ取り入れています。ただし、重症度によりますし、定期的な検査が必要になることもあるため、誰にでも使える治療ではありません。当院では高度な専門知識を要する生物学的製剤を用いたバイオ治療にも対応しており、従来の治療で改善が難しかった患者さんにも新たな選択肢を提示しています。また当院では、新薬の治験に対応することもあります。重症な病状にお悩みの患者の皆さまの「光」となるような治療法を提示できたらと考えています。
ニキビ治療についてはいかがですか?
ニキビ治療については、当院で継続的に取り組んできた治療分野の一つです。実際に多くの患者さんにお越しいただいており、県外でも講演会にお呼びいただき研究発表の機会をいただきました。ニキビは重症度や患者さんのご希望によりさまざまな治療法がありますが、症状が重くなると治療が難しくなります。当院ではガイドラインに基づき、抗菌薬の適正使用と、その後の維持療法を大切にしています。また、仮に当院で行っていない治療法がその方にとって最適だと判断した場合には、無理に当院の治療を続けることはせず、他院での治療を勧めることもあります。自分のクリニックで治療を続けていただくほうが経営的には良いのかもしれませんが、それが目的ではありません。患者さんがよりきれいになりたいのであれば、よりふさわしい治療を受けることが大切だと考えています。
最後に読者へメッセージをお願いします。

私自身も常に学び続けながら、現時点で得られている知見の中で最善の治療を提供することを大切にしています。ただ、できるだけ最短で患者さんをゴールに導きたい、その思いは強く持っています。そのため、私もわからないことがあれば無理に判断せず、いつまでに調べてお伝えできるのかをきちんと説明しますし、自分でできる以上の治療が必要だと判断した場合には、適切な高度医療機関をご紹介します。できることはすべて尽くしたい。その上で、患者さん自身が前向きになれるような治療を、できる限り提供したいと考えています。そう考えるのは、私自身がこれまでにつらい思いをしてきた経験があるからかもしれません。ただ薬を出すだけではなく、患者さんの気持ちに寄り添う姿勢は、私たち医療者にとって大切なことだと考えています。スタッフも私自身も、その姿勢を忘れないよう日々気を引き締めて診療にあたっていきたいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはしみのレーザー施術(Qスイッチルビー 5mm)/1ショット2200円、ほくろのレーザー施術(2mmまで)/6600円~、医療脱毛(18歳未満)/4400円~、医療脱毛(一般)/5500円~、ピアスホールの形成(片耳)/4400円、ピアスホールの形成(両耳)/6600円

