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高橋 潤一郎 院長の独自取材記事

ジェイ内科・脳神経内科クリニック

(我孫子市/我孫子駅)

最終更新日:2024/07/04

高橋潤一郎院長 ジェイ内科・脳神経内科クリニック main

「訪問診療に特化したクリニックです」。そう小気味良く話すのは、「ジェイ内科・脳神経内科クリニック」で院長を務める高橋潤一郎先生だ。パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患や、筋ジストロフィー、認知症など、通院が困難な患者に訪問診療・訪問リハビリテーションを実施。「脳神経内科医が行う訪問診療」を軸に、一般内科から消化器内科、循環器内科、皮膚科まで幅広くカバーしている。さまざまな不調に対し、多くの人が「もう年だから」と思いがち。しかし、決して諦めないでほしいと院長は言う。必ず不調に至った原因があり、特に脳神経内科領域の疾患には改善が望める可能性があると力を込める。そして「脳神経内科医こそ訪問診療を行うべき」だと真剣なまなざしで言いきる高橋院長に、その理由と在宅医療にかける想いを中心に話を聞いた。

(取材日2023年6月19日/情報更新日2024年6月25日)

訪問診療・リハビリテーションに特化したクリニック

クリニックの特徴を教えてください。

高橋潤一郎院長 ジェイ内科・脳神経内科クリニック1

当院は在宅医療に特化したクリニックとなっています。開院から1年たちましたが、多くの訪問依頼を受けており、ありがたいことにご家族の方にも心強く感じていただけているようです。というのも、脳神経内科医が訪問診療を行っていること自体、とても珍しいと思います。しかしながら、訪問診療を必要とする人は、ご自身で通院できない方となりますので、どうしても高齢の患者さんの割合が多くなりますし、足腰が弱っている疾患の主な原因は神経が関係していると考えられます。また、高齢の方以外で病院に自力で通えない方というのは、脳梗塞、脳出血を起こした方が多いですから、そうなると訪問診療が必要な方というのは、ほとんどが神経が関係している病気の方になるのです。

ニーズが高いにもかかわらず、訪問診療を行っている脳神経内科の医師が少ないのはなぜなのでしょう。

大きな理由としては、訪問診療を希望する医師が少ないことが挙げられます。やはり医師がご自宅へお伺いして医療を行うのは、外来で行う医療とは違うさまざまなリスクや負担が考えられ、どうしてもほかの診療科を専門にする医師が多くなってしまうのが現状です。しかし、誰かがやらなければ患者さんを救えませんので、自分が率先してやっていこうと思い立ちました。

駅前に移転されて、診療体制で変わったところはありますか?

高橋潤一郎院長 ジェイ内科・脳神経内科クリニック2

これまでは訪問診療や訪問リハビリに対応していましたが、外来でも相談の窓口を広げていく予定です。例えば神経疾患の専門的な診療です。痙縮(筋肉が緊張しすぎて、手足が動かしにくかったり勝手に動いてしまう状態)などといったさまざまな症状に関しての相談ができるようにしたいと考えています。完全予約制ではありますが、他では相談できなかった専門的な分野でのお悩みに真摯に向き合えたらと思っています。

頭からつま先まで、全身をくまなく診る診療スタイル

診療はどのように行っているのですか?

高橋潤一郎院長 ジェイ内科・脳神経内科クリニック3

私が行っている診療のメインは神経疾患になりますので、目で見て原因を突き止めることを主とし、身一つで診察できます。これが重要で、エックス線を撮ったり、採血したりしなくても、診療ができるのがポイントです。そして全身を診て何の病気か答えを導き出します。例えば、原因不明の遺伝による神経疾患と診断されていた方でも、しっかり全身を診ると実は違う病気が隠れていたということもあるので、頭からつま先まで全身をとことん診る。それが私の診療スタイルです。また、訪問リハビリテーションも実施していまして、我孫子市で15年ほど勤めていたベテランの理学療法士と一緒に患者さんのご自宅を訪問しています。医学的な知識も豊富ですし、我孫子エリアの医療施設などさまざまなことを熟知していますので、非常に助かっています。

現在、担当されている患者さんはどのような疾患をお持ちの方が多いですか?

パーキンソン病の方が多いです。ご家族の方から直接ご相談を受けることもありますが、基本的には患者さんを担当されているケアマネジャーさんからのご依頼となります。しかし、こうした求められている医療分野でありながら、医師の数が足りないという現状がある。ではどうしたら良いか。ここがとても重要で、現在訪問診療を担っている医師は高齢化しています。担当できる患者数が限られてきますので、若い医師の力が必要なんです。そこでインターネットを用いて患者さんの情報を電子カルテに送信し、次の計画を立てるといった医療モデルの構築が解決の足がかりになると考えました。自分がその先駆者になり、若い医師に発信していきたいと考えているんです。

専門家の診療が受けられると、ご家族の方も安心されるでしょうね。

高橋潤一郎院長 ジェイ内科・脳神経内科クリニック4

ニーズがあるのは確かですから、在宅医療を必要としている人に当院の情報がしっかり伝われば、今まで届いていなかった場所にも医療を届けることができると確信しています。寝たきりの原因は、脳卒中、認知症、老衰がほとんど。この3つが全体の3分の2を占めるんですね。言い換えれば、訪問診療が必要な患者さんはこれらの疾患に該当するといえるのです。そして、これらの疾患はすべて脳神経内科の分野。いわば、訪問診療は脳神経内科のスペシャリティーなのです。私は脳神経内科医こそ訪問診療を行うべきと考えますし、訪問診療が必要な患者さんにとって本当に必要なケアは何であるかを突き詰めていきます。

自分が先駆者となり、必要な地域に在宅医療を広めたい

先生が医師を志したきっかけを教えてください。

高橋潤一郎院長 ジェイ内科・脳神経内科クリニック5

小学生の頃は宇宙飛行士や科学者に憧れ、SF作家の本などを読んでいましたが、中学生になって、牛の脳組織が病原体に侵されスポンジ状になる「狂牛病(牛海綿状脳症)」の流行に関心を持ちました。実はその時に神経内科の医師になろうと決意しました。高校生になってもその気持ちは変わらず、大学は東京慈恵会医科大学へ進学しました。大学卒業後は同大学の大学病院の脳神経内科に入局。臨床では、かっけなどを調べるときに打腱器(だけんき)というハンマーを用いるのですが、まさに自分の手技一つで診断することができるのです。目で見て原因を突き止めることができる。そんなところに魅力を感じました。

卒業後さまざまな診療科を回られたと思いますが、脳神経内科への想いはまったく変わらなかったのですか?

脳の分野は未開拓地というか、新たな発見がたくさん起こり得る世界ですので、とても面白味を感じました。日々の臨床でもそれを実感できるので、それは脳神経内科ならではだなと。また、症状を手がかりに病態を探るのを症候学というのですが、診察でパズルのように答え合わせができるのも魅力です。私は6年間大学病院で研鑽を積ませてもらい、2022年には国立精神・神経医療研究センターで論文を書きながら、週に1回ほど非常勤として我孫子市で外勤もしていました。医療が届いていない過疎地に外勤している年配の先生もいらっしゃるのですが、年齢的に担当できる数が限られてきますので、体力のある若い医師が必要だと感じたんです。オンライン診療も増えているとはいえ、高齢者が簡単に利用できるまでには至っていません。ならばここで自分が訪問診療をやろうと思い、現在に至っています。

では、最後に今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

高橋潤一郎院長 ジェイ内科・脳神経内科クリニック6

今後は、自分がパイオニアとなり先ほどの医療モデルを実現することが一番の目標ですね。そうすれば、若い医師が必ずついてきてくれると思うので。「脳神経内科医が行う訪問診療」というのを我孫子市だけでなく、2年くらいの間に野田市、柏市、松戸市まで拡充し、訪問診療が広範囲で円滑に行えるシステムを構築したいと考えています。在宅医療における業務効率化を図り、患者さんの満足度も向上させる。その仕組みをブランディングすることで、より多くの医師を確保でき、より多くの患者さんへ最適な医療をお届けできると考えています。この記事を目にして訪問診療を学びたいと思われた脳神経内科の先生がいらしたら、いつでもウェルカムですのでご連絡ください。そして、「手足が震える」「足腰が弱って病院に通えない」「物忘れがひどい」といった方は、脳神経領域の疾患である可能性が高いため、年だからと諦めずに医師の診察を受けていただきたいです。

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