歯が痛くなる前に受診する
定期的なメンテナンスの重要性とは
つるおか歯科クリニック
(京都市左京区/今出川駅)
最終更新日:2024/07/16
- 保険診療
- 自由診療
多くの人にとって歯科医院は、「歯が悪くなってから行くところ」というイメージが強い。問題を自覚しない限りは歯科を受診しないと考えている人が、今も決して少なくないのが現状といえるだろう。こうした中で、特に予防重視を掲げて取り組んでいる一人が「つるおか歯科クリニック」の鶴岡大督院長。歯を失う根本的な原因に迫る歯科予防プログラムをベースに、痛くなってからではなく、歯が痛くならないために通うクリニックを掲げて患者の意識向上に力を注ぐ。今回は同院の考え方や診療の一部を紹介しながら、予防歯科や定期メンテナンスの流れを追ってみた。
(取材日2023年6月8日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qこちらのクリニックのコンセプトは何でしょう?
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A
「痛くならないために通うクリニック」をコンセプトにしています。というのも、歯科は歯が痛くなってから行くところ、悪くなるまで受診する必要はないと考えている方は少なくありません。しかし、痛みを感じてからだとすでに悪化した状態なので、治療の選択肢は減ってしまいます。実際にこれまで「もっと早くに治療を受けておけば良かった」と後悔されている患者さんにも数多く出会いました。だからこそ、当院は患者さん一人ひとりが気軽に相談できる場所にしたいなと。患者さんとともに、日常生活の中でお口の健康について考えることができるようなクリニックにしていきたいです。
- Q患者と一緒に治療方針を立てることを大切にしているそうですね。
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A
はい。患者さんにご納得いただかない限り、治療を始めることはしません。初診ではお口全体の検査を行いますが、患者さんにはしっかり情報を共有し、お口の現状を知っていただくようにしています。さらに、患者さんの生活習慣やセルフケアのことなども詳しくヒアリングした上で、患者さんと一緒に治療方針を立てていく流れです。中には、「先生に全部お任せします」という患者さんもいますが、最後に決めるのはご本人です。わからないままの状態で治療を受けると、自分の歯を守っていく方法を知ることはできませんよね。治療前に原因などを明確にした上で、意識を変えるべきところは変えて、治療に向き合っていくことが重要だと思います。
- Qほかにも、貴院における予防歯科の特徴などはありますか?
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A
初診の患者さんには時間をかけて多様な検査を行い、口腔環境を正しく把握していただくことから始めます。また、子どもの患者さんには成長過程で気をつけたいこと、虫歯になりやすい部分などもお伝えし、将来的なリスクの低減をめざします。このように包括的な観点から予防歯科に取り組んでいますが、トラブルを未然に防ぐだけでなく、いざという時に豊富な治療の選択肢を提供できるようにしています。当院は一般歯科や矯正歯科、口腔外科と幅広く対応しており、より専門的な治療が必要な場合は、外部の歯科医師をご紹介することも可能です。私自身も研究グループや勉強会に所属し、自己研鑽に努めていますので、ぜひ安心してお任せください。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1データ収集と大まかな診断
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初診では、まず問診票を記入。痛みなどの主訴がある場合はもちろん、口の中で気になっていること、過去の他院における受診の経緯や感想なども、なるべく丁寧に伝えることがスムーズな受診の手がかりとなる。診療スペースでは、最初にエックス線写真や口腔内写真、顔貌写真などを撮影。続いて歯周ポケットの深さを調べるプロービング検査や、虫歯を検知するためのカリエスチェックなどの歯周基本検査が歯科衛生士によって行われる。
- 2歯磨き指導やスケーリング、唾液検査を実施
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基本チェック後は、歯科衛生士による歯磨き指導とスケーリング。スケーラーという器具を使い、歯の表面に沈着したプラーク(歯垢)や歯石などを丁寧に除去する。また、同院では希望者に唾液検査を実施。自費診療だが、自分の口の中の状態を数値で知ることができるため、意識を高めるためにも積極的に推奨しているという。所要時間は5分程度。実施前の2時間は摂食禁止なので、予約時に確認しておきたい。
- 3唾液検査の結果説明
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唾液検査の結果は、その場ですぐに判明。口の中の虫歯菌の数、酸性度や酸に対する唾液の抵抗力をはじめ、歯茎の白血球の数は炎症の度合、タンパク質の量は原因菌の数、アンモニアの量は口臭に比例するなど、さまざまなリスクが確認できる。また、次回の受診時にもう一度調べることで、メンテンナンスや自宅でのケアの再評価も可能。基本検査を含め、こうして前後を比較しながら線上でとらえていくことが歯科では重要だという。
- 4治療計画の立案
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検査結果で治療が必要と診断された際に大切なのは、自分の口の中の状態を正しく理解し、今後の治療計画について歯科医師と一緒に考えていくことだという。その上でも、治療に入るまでのプロセスが非常に重要なポイント。虫歯や歯周病、不正咬合などの病名を知るだけでなく、なぜそうなったか、ならないためにはどうすればいいか、歯科医師の説明をしっかりと聞き、自分のこととして原因に取り組む姿勢が何より大切といえるだろう。
- 5治療開始とケアの継続
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治療は本来、メンテナンスによって原因を止めた上で始めるのが理想的。まだ歯石や炎症が残っている場合は、まずそれを取り除くことが優先事項となる。ただし、一定の数値まで達さないと治療しないというのではなく、メンテナンスと同時進行で治療を行っていくケースも同院では少なくないという。さらに治療前後の写真を残し、口腔内の変化を患者とともに確認。治療後も患者が定期的に歯科を受診する動機へとつなげている。
自由診療費用の目安
自由診療とは唾液検査/2000円