鶴岡 大督 院長の独自取材記事
つるおか歯科クリニック
(京都市上京区/今出川駅)
最終更新日:2026/06/17
堀川中立売交差点から西へ向かうと、すぐに「つるおか歯科クリニック」の紺色の“のれん”が目に入る。2023年に開院した地域密着型の歯科医院で、子どもから高齢者まで幅広い年代の患者が通う。院長を務めるのは、長身と爽やかな笑顔が印象的な鶴岡大督(だいすけ)先生。同院の基本姿勢として、悪くなったところを治療するだけでなく、悪くならないように予防すること、歯をできるだけ長く良い状態に保つことをめざす。患者ごとに異なる口の中の状態や生活スタイルに合わせた、一人ひとりに寄り添う診療も同院の特色だ。「地域のお口の健康に貢献したい」と語る鶴岡先生に、予防に注力する理由や診療姿勢、地域の歯科医療にかける思いなどを聞いた。
(取材日2026年4月22日)
悪くなる原因を取り除くことが大切
予防を大切にされていると聞きました。

歯科医院は虫歯など、問題が起こった時に受診するところというイメージがいまだ強く残っています。患者さんが歯の痛みを訴えておられるので、歯科医師も一生懸命治療します。しかし、手遅れになって最終的に歯を失うこともあり、「こうなる前にできることがあったはず」と後悔するわけです。それなら、どうすれば虫歯にならずに済むのか、歯を失わずに済むのかを、患者さんと一緒に考えていきたいという強い思いから、予防を前面に打ち出しています。しっかり診て、問題の原因を見極め、その原因を取り除くための治療やケアを提供することで、再発予防をめざすのが当院の基本スタイルです。
悪くなる原因を明らかにすることが必要なのですね。
当院の治療は、MTM(メディカルトリートメントモデル)という考え方が基本になっています。患者さんのお口の状態を詳しく把握して、起こり得るリスクを予測し、リスクを回避するための予防プログラムを計画・実践するという考え方です。例えば、小さな虫歯があった場合、旧来の治療では単純に削って詰めればそれで終了です。しかし、虫歯が再発するたびにこうした治療を繰り返せば、最終的に抜歯に至ってしまいます。再発するのは、対症療法だけで、根本からの改善になっていないからです。患者さんの困っている症状の軽減を図ることは、大切です。しかし、問題の原因を明確にして取り除く、それがより大切だということを、患者さんにもぜひ知ってほしいと思います。
原因を取り除くために、私たちにできることはありますか?

悪くなる原因がわかっていないと、痛みなどの症状の治療が終わればもう歯科医院に通わなくなります。歯磨きなども少し手を抜いてしまうかもしれません。しかし、歯を守るためには、患者さんに意識や行動を変えていただくことが必要です。そのためには、原因をしっかりと説明し、ご自身のお口の状態や問題が起こるリスクを知っていただくことが欠かせません。例えば、当院で歯磨き指導を受けた方が、帰り道に新しい歯ブラシを購入し、ご自宅で鏡を見ながらブラッシングする。それだけでも確実に、お口の健康を守る意識や行動の変化の現れですし、プラスの効果が期待できるはずです。もちろん、私たちも研鑽を重ね、精密な検査やデータ収集、治療技術などでお応えしなくてはなりません。皆さんの大切な歯を長期にわたって守る。それこそが私たちの歯科診療の目的です。
精密な治療で再発リスクを抑える
患者さんと接する際に心がけていることは?

まずは患者さんのキャラクターに合わせることです。最初に勤めた歯科医院では気合が入りすぎて、誰にも全力で接しすぎると指摘された記憶があります。常に元気いっぱいというだけでなく、患者さん一人ひとりにとって心地良い距離感やコミュニケーションの取り方を考えることも、大切な配慮の一つだと感じています。また、患者さんのご希望やご要望をしっかり伺うことも大事ですね。中には「先生に全部お任せします」という方もおられますが、ご自身のお口のことですから、最後に決めるのは患者さんです。わからないままに治療を受けても、原因や対策を知らなければ、また問題が起こることは目に見えています。そのためにも、できるだけわかりやすい説明を心がけ、患者さんが理解しないまま治療が進むことがないように注意しています。
治療の際に重視していることを教えてください。
できる限り治療の精度を高めることです。虫歯を削って、詰めるという基本的な治療でも、精密な処置を行うことで、虫歯の再発リスクが大きく低減できます。そうした取り組みの一つがダイレクトボンディングで、治療のために歯を削る量を少なく抑えられる点が大きなメリットです。当院では、削りすぎや虫歯の取り残しがないようにするため、そして土台の歯との間にできる限り段差が生じないようにするために、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使って精密な処置を心がけています。段差があると、汚れがたまりやすく、その部分から細菌が侵入して虫歯の再発につながるからです。さらに、治療する部分以外を、ラバーダムというゴム製のカバーで覆うことで、唾液の侵入をシャットアウトします。唾液に含まれる水分は詰め物の接着低下を招き、虫歯の再発につながってしまいます。
時間と手間がかかりそうですね。

マイクロスコープやラバーダムを使わずに、ダイレクトボンディングを行うことは可能です。詰め物を詰める前の下処理も、最近は技術が進化してより簡略な方法で済ませられます。しかし、歯科医師としては、治療の精度を向上させるために自分が納得できる素材や方法を使いたいですね。実際のところ、丁寧な治療は持ちも違います。私たちがめざすのは、健康な歯をできるだけ長く残して、歯の寿命をできるだけ延ばすことです。それを実現するためには、再発のリスクをできる限り少なくすることが必要で、精密な治療が欠かせません。もちろん、使用する材料や治療法が限定される保険診療では、理想的な治療が提供できないこともありますが、できる範囲で精度の向上に努めています。
歯を大切にする意識と習慣を根づかせる
先生のご経歴を教えてください。

京都市内の生まれで、中学生まで京都で過ごしました。子どもの頃は甘いものが好きで、よく虫歯になったものです。歯科医院へ行くと1時間も待たされる上に先生は怖いので、すっかり歯科嫌いになってしまいました。ところが高校生の頃に通った歯科の先生が優しくて、しっかり説明してくれる上に治療の際もあまり痛みを感じませんでした。何より、一緒に治療していこうと寄り添ってくれることに感銘を受けました。うちは祖父も父も耳鼻咽喉科の医師でしたが、その先生に出会ったことで、歯科医師になろうと決意したのです。大学ではテニス部に入り、その大会で出会ったのが、以前の勤務先だった宮田歯科医院の宮田匡人院長です。京都に戻って宮田先生のもとで働くことになりましたが、要求されるレベルが高いので最初はドキドキでした。最終的には副院長を務めさせていただき、今でも尊敬する先輩の一人です。
予防中心の歯科医院ではスタッフさんの役割も大きいですね。
まさにそのとおりです。小さなお子さんから年配の方まで、誰もが気軽に通える歯科医院をモットーにしており、患者さんがどのようなことでも相談しやすい雰囲気でお迎えする姿勢を大切にしています。また、予防ケアの中心となる歯科衛生士については、専門的な知識や技術を持つ歯科衛生士を講師にお招きして、定期的に院内セミナーを開催しています。座学だけではなく、技術のレクチャーや実際の診療場面での指導もあり、日常の業務や各自のスキルアップにつながる時間です。また、院外の勉強会などの参加サポート制度や各自のモチベーションアップのための取り組みも実施しています。
先生は何かスポーツをされていたのでしょうか?

勤務医時代はビーチテニスに夢中でした。必死に練習したおかげで日本代表にまでなって、イタリアでの世界選手権にも出場したのですよ。チームの仲間と海辺のリゾートマンションを借りて、男子ばかりで自炊生活をしたのは楽しい思い出です。ビーチテニスのおかげで世界中に知り合いができ、海外へ行くとガイドも引き受けてくれますが、彼らが来日した際は京都中を案内して回らねばなりません(笑)。
読者や地域の方々へのメッセージをお願いします。
予防の大切さ、原因から取り除く歯科治療の大切さを広めることは簡単ではないかもしれません。しかし「歯を大事にしたいならつるおか歯科クリニック」と、地域の方に言っていただけるよう頑張っています。気になることがあればいつでも気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とは矯正/44万円~、インプラント治療/55万円~、セラミックを用いた補綴治療/8万8000円~、ダイレクトボンディング/5万5000円~

