頴川 博芸 院長の独自取材記事
浅草橋西口クリニックMo
(台東区/浅草橋駅)
最終更新日:2025/05/26

オフィス街としての顔を持ちながら、高架下に店舗が軒を連ねる浅草橋駅。その西口改札を出てすぐ右手に「浅草橋西口クリニックMo」はある。ガラス張りの印象的な外観、エントランスにはロゴマークが大きく配され、気軽に入りやすい雰囲気だ。内科、外科、皮膚科など全身を診る総合診療を実践する同院を率いるのは、頴川博芸院長。順天堂大学医学部附属順天堂医院の消化器・低侵襲外科や越谷市立病院で消化器外科の医師としてキャリアを積みながら、訪問診療も学んできた。その経験を生かし、外来診療と訪問診療の双方で手厚い医療を提供している。今回は頴川院長に、同院の特徴や訪問診療について話を聞いた。
(取材日2025年3月27日)
内科、外科、皮膚科など、全身を診る総合診療を実践
こちらのクリニックの特徴を聞かせてください。

内科、皮膚科、泌尿器科、外科と幅広く全身の症状を診られることが最大の特徴です。特に私が専門とするのは消化器外科で、胃や食道に関する疾患に加え、虫垂炎や胆嚢炎、胆石症、鼠径ヘルニアなどの治療もこれまでに手がけてきました。軽い切り傷の縫合を含む外傷処置もできますし、当院で対応できない場合は近隣の大学病院にスムーズに紹介可能です。大きな病院に行くべきか判断が難しい時には、気軽に相談していただきたいですね。私が順天堂大学医学部附属順天堂医院で非常勤医師として内視鏡検査を担当していますので、内視鏡検査が必要かどうかの適切な判断もできますし、内視鏡検査が必要な患者さんを私自身がそちらで診察することもできます。長く専門としてきたのは外科ですが、外科診療は内科的なことも含め全身を診る必要がありますから、これまでの経験が当院の総合診療に生かされていると思います。
こちらにはどのような患者さんが多く来院されますか?
駅前という立地のためか、20代から50代のいわゆる働き盛りの世代がお仕事帰りにふらっと寄ってくださることが多いように感じています。日中はご年配の方もいらっしゃいますね。診療科ごとの患者さんの割合は、ほぼ均等に近い印象です。外科処置をできる体制も整えているため、粉瘤や軽い切り傷で受診される患者さんもいらっしゃいますね。私の専門は消化器外科ですが、ウイルス性の胃腸炎や発熱といった内科的な症状はもちろん、花粉症など季節によって増えるニーズにもしっかりと対応しています。
立地や診療時間など、通いやすさも魅力ですね。

お仕事帰りに受診される方のニーズに応えるために、平日の診療時間は19時までとし、土曜日の午後も13~18時に診療しています。また、急な体調不良にも柔軟に対応できるよう、完全予約制は取らず順番に診療するシステムです。浅草橋駅の西口改札を出たらすぐ右手に見えるという立地条件に加えて、間口も広くガラス越しに院内の雰囲気もうかがえるので、初めての方でも気軽に来院いただけるのではないでしょうか。
訪問診療は専属スタッフが24時間365日対応
訪問診療にも注力しているそうですね。

患者さんのすべてを診るためには、ご自宅での過ごし方や普段の食事内容など、患者さんの生活を知る必要があると感じ、訪問診療に取り組むようになりました。患者さんを自分の手で最後まで治療できるのが外科医の醍醐味(だいごみ)である一方、ずっとフォローできるわけではないことが気がかりで、病院に来ていない時の状態がわからないことにもどかしさを感じていたのだと思います。訪問診療には24時間365日対応しており、私を含め、専門分野が異なる複数の医師で診療にあたっています。医師間でお互いに相談し合える環境があるのも利点ですね。近隣に訪問診療を専門とするクリニックさんも多い中で、外来診療にも対応しているのも当院の強みだと思います。通院から訪問診療へのシフトもスムーズですし、その逆もまたしかり。外来診療と訪問診療それぞれに専属のスタッフを配置し、両方に対して手厚い医療が提供できる体制を整えています。
こちらの訪問診療では、どのようなことを診てもらえるのでしょうか?
軽度のものはもちろん、がんの終末期や認知症、看取りにも対応しています。外来で泌尿器科と皮膚科を標榜しているので、床ずれの管理も得意とする分野ですね。訪問診療をしていて感じるのは、爪トラブルが多いということ。巻き爪や陥入爪のほか、水虫も多く見受けられます。訪問診療では治療が難しい場合は、来院いただいて対応することも可能です。また、往診にも柔軟に対応しています。定期的な訪問診療の契約をしていないと往診には対応してもらえないイメージがあるかもしれませんが、そうではないんですよ。先日も近くのホテルに泊まっている方からご依頼がありましたし、「家族皆が新型コロナウイルス感染症にかかってしまって病院に連れていけない」というご相談をいただいたこともあります。ご自宅での診察後、連携する薬局から薬を届けてもらうこともできますから、「発熱したけど一人暮らしで病院に行けない」など、急な体調不良もご相談ください。
訪問診療を行う医師として、患者さんや患者さんを取り巻く方々と接する際に気をつけていることは?

主治医としての自覚を持つよう意識しています。訪問診療が必要な患者さんの受診には、ご家族や施設の職員の方にもかなりの負担がかかります。私たちが介入する以上は、できる限りその場ですべてを完結して差し上げたい。たとえ専門外の訴えであっても、必ず自分の中で判断してプランを立てた上で解決策を提案するようにしています。もちろん引く勇気も大切で、臨機応変な対応が求められますが、ご家族のニーズはちゃんと受け止めたいと思っています。土曜日にも訪問診療を行っているのも、「平日は仕事が忙しいから土曜日の方がありがたい」というご家族のお声が多いためです。また、「訪問診療は月2回」という固定観念があるように感じますが、それは義務ではありません。安定している方なら月1回でもいいですし、金銭的に厳しい場合は状況を見ながら頻度を決めればいいと考えています。そういった点も、患者さんやご家族に合わせて柔軟に対応しています。
人と人として接する、患者に寄り添った診療を大切に
院内設備には何か特徴がありますか?

急な体調不良や、健康上の気がかりに対応するプライマリケアを実践する場として、超音波検査機器や心電図計を導入し、速やかに検査をして症状の原因を探るための体制を整えています。また、お忙しい皆さんの受診への負担を少しでも軽減するため、ウェブ予約・ウェブ問診のシステムや、キャッシュレス決済も可能な自動精算機も導入しています。さらに、性感染症検査や新型コロナウイルス感染症のPCR検査、血液検査など一部検査の結果は、専用アプリでも閲覧できる体制です。検査の結果を聞くためだけに診療時間に合わせて受診するのは負担の大きいものですし、良好な結果であればアプリでの閲覧で十分といえます。また内装にもこだわり、院内にはビビッドな色使いの絵画が飾られていて明るい空間になっていますし、エントランスにもロゴマークを大きく入れて、気軽に入りやすい雰囲気にしています。
診療方針を聞かせてください。
医師と患者という関係だけではなく、人と人として接することでしょうか。医師とスタッフで力を合わせてクリニックの雰囲気をより良くし、患者さんにとってハードルの低いクリニックをつくりたいと思っています。大学病院は高度な治療ができるのが魅力ですが、もっと身近な存在として患者さんに接したいという気持ちがあり、大学病院を飛び出して当院の院長に就任した経緯があるんです。患者さんの様子に合わせながらではありますが、世間話なども交えながら、常に患者さんに寄り添った診療を続けていきたいですね。
今後の展望や読者へのメッセージをお願いします。

外来診療と訪問診療、どちらも大切にしながら、インフラのような存在として地域に根づいていければうれしいです。そのためにも、設備の拡充や人員の強化など、引き続き診療体制の充実を図っていきたいと考えています。実は今、自立支援医療機関の指定を受けられるよう準備をしているところなんです。ケアマネジャーや訪問看護師から自立支援の問い合わせも多いため、精神疾患の診療にもしっかりと取り組める体制を整えていきたいと考えています。当院は内科、外科、泌尿器科、皮膚科を標榜していますが、どの診療科かにとらわれず、何かあれば相談に来ていただきたいですね。「何科に行けばいいんだろう?」という時こそ、まずは相談してください。きっと何らかのお力になれると思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは新型コロナウイルス感染症のPCR検査/1万円