痛みへの不安や恐怖に配慮
静脈内鎮静法を用いた歯科治療
錦糸町ミント歯科クリニック
(墨田区/錦糸町駅)
最終更新日:2023/08/04
- 自由診療
歯科医院への強い不安や恐怖があり、治療をしなくてはいけないとわかっていても足を運べない人もいるだろう。「いわゆる歯科恐怖症の人でもリラックスして治療を受けてほしいと、当院では静脈内鎮静法(セデーション)を行っています」と、話すのが「錦糸町ミント歯科クリニック」の大田雅樹院長だ。静脈内鎮静法は、主に手腕の静脈から薬を投与して、半分眠ったような夢見心地の状態になることをめざし、治療を行う。歯科特有の痛みや不快な音が気にならない状態をめざすため、長時間にわたって口を開けているのが苦痛な人、虫歯や歯周病治療だけでなくインプラント治療を希望している人にも有用だという。日帰り処置で済む方法だが、手術前後にどのような注意が必要なのかなど、静脈内鎮静法を用いた歯科治療について詳しく話を聞いた。
(取材日2023年7月13日)
目次
治療時の痛みが怖い人、歯科恐怖症の人には静脈内鎮静法による歯科治療で、患者の不安払拭を図る
- Q歯科治療で痛みを少なくするには、どのような方法がありますか?
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A
歯科治療での痛みを軽減するための手法としては、注射による局所麻酔が一般です。そもそも「注射される瞬間が痛くて嫌だ」という人も少なくありません。これを少しでも解決するためには、注射の前に表面麻酔の薬を塗布する、注射の針を極力細くするといった方法があり、なるべく安心してもらえるよう声かけしながら無理なく進める配慮も欠かせません。患者さんに不安があると痛みもより強く感じるため、血圧が上昇したり、脈拍数が増えたり、不整脈になったり、過呼吸になったりするリスクもあります。歯科恐怖症の方がリラックスして治療を受けられたり、血圧の上昇などを防ぎながら治療できるように、静脈内鎮静法という手段があります。
- Q静脈内鎮静法について詳しく教えてください。
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A
静脈内鎮静法とは、患者さんの静脈に薬剤を投与して半分眠ったような状態をつくり出すことをめざす方法のことです。麻酔科の医師でなければできませんし、専門的な道具や生体モニターなども必要なので、一般的には大規模病院で行うものですが、当院のように町の歯科医院で行うところもわずかにあります。手腕や手首に入れた点滴から薬を投与すると1〜2分で眠気が訪れ、痛みや不快な音が気にならないリラックスした状態になることが望めるのが特徴ですが、全身麻酔と違って意識はあり、体の防御反応も保たれています。「口を開けてください」と言えば開けられる、そんな半分眠っているような状態で治療を受けることをめざします。
- Q静脈内鎮静法はどのような人に適した方法ですか?
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A
歯科医院にトラウマや不安があって、自分の口腔内に治療が必要だとわかっているが歯科医院が怖くてなかなか一歩を踏み出せない、そういった歯科恐怖症の方のストレスを軽減するために有用です。口を長時間開けているのが苦痛の方や、口の中に器具が入ると吐き気を催す嘔吐反射の強い方、インプラント治療になかなか踏み切れない方にも向いています。普段の歯科治療は問題なくても、インプラント治療に対して不安や心配事がある方もいらっしゃいます。また、当院では仕事柄なかなか通院できない方に、なるべく短期間で全顎治療をこなす短期集中治療も静脈内鎮静法で行います。翌日も普通に生活できることが望めるので、忙しい人にも適しています。
- Q静脈内鎮静法を受けるにあたっての注意事項をお聞かせください。
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A
食物の逆流リスクを避けるため、処置前は3時間前までに食事を済ませておきましょう。何を食べても問題ありませんが、満腹にならないよう腹八分目を心がけるのも忘れないでください。水分補給も直前は避けてください。処置後はすぐに覚醒する人もいますが、しばらくぼんやりしている人もいます。歩いて帰れるようになるまで、十分に院内で休んでください。徒歩または公共交通機関を利用するようにして、車、バイク、自転車など、ご自身での運転は厳禁です。当日は仕事や学校を休み、自宅で安静にすることをお勧めします。全身管理が大切で、一人ひとりにあった麻酔薬や精神安定剤を使用するため、事前に健康診断の受診をお願いしています。
- Q静脈内鎮静法を今後どのように活用していきたいとお考えですか?
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A
静脈内鎮静法による治療を、歯科恐怖症を克服して歯科医院に通院できるようになるきっかけにしたいと思っています。歯科恐怖症の方の口腔内は長年放置され、大変な状態となっていることも多いので、まず、静脈内鎮静法を用いた短期集中治療で改善を図るのが第一歩です。治療が終わった後も予防することが大切です。メインテナンスも希望があれば静脈内鎮静法下で行うなど、ゆっくりとアプローチしていきます。そして、いずれは静脈内鎮静法なしでもメインテナンスでき、歯科に対する恐怖心や緊張感を克服できるように協力していきます。歯医者に苦手意識のある方、緊張の強い方が、口腔内だけでなく精神面からも改善できるようにしていきます。
自由診療費用の目安
自由診療とは静脈内鎮静法による麻酔/8万8000円(税込)/1回 別途治療費、インプラント治療/38万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。