歯を抜くか、抜かないか
迷った時に重要なのが適切な診査・診断
成城世田谷歯科
(世田谷区/成城学園前駅)
最終更新日:2023/05/12


- 自由診療
虫歯や歯周病が悪化した結果、もはや抜歯するしかない、などと言われたらショックも大きい。可能な限り歯を抜かずに済ませたいが、本当のところはどうなのだろうかと悩む人も多いだろう。できるだけ歯を残すことに重きを置いて治療を行っている「成城世田谷歯科」の望月力院長は「歯を抜くか抜かないかについては、まず歯や骨の状態を適切に診査・診断することが重要です。その状態によっては、歯を抜かずに治療することも可能です」と話す。同院では、歯を失う大きな要因である重度の歯周病には歯周組織再生療法によって対応している。また、同院には、抜歯の必要性についてセカンドオピニオンを求めて訪れる患者も多いという。抜歯するかしないかの判断基準や、抜歯せずに行う治療などについて望月院長に聞いた。
(取材日2023年5月1日)
目次
できるだけ歯を残すことを重視した治療に注力。抜歯の一因となる重度の歯周病には歯周組織再生療法を実施
- Qこちらでは歯を残すための治療にこだわっていると伺いました。
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A
▲歯を残すことにおいて、定期的な検診やクリーニングが重要となる
はい。当院ではできる限りご自身の歯を残す治療を行っています。ご自身の歯、天然歯に勝るものはないですから、できる限り歯を削ったり抜いたりすることなく、健康な歯を残すこと、それが歯科医師としての一つの使命だと考えています。天然歯は食べ物の食感や噛み心地などを感じられ、おいしく食事が楽しめます。天然歯を残すことの大切さは歯科医師だけでなく、患者さんたちにも意識していただきたいと思っています。普段から定期的に歯科医院に通っていただいて口腔内のチェックやクリーニングを受けて、将来、抜歯が必要になる事態に陥らないよう虫歯や歯肉炎、歯周病を予防していただきたいですね。
- Q抜歯するか否かの判断に迷う歯の状態を教えてください。
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A
▲抜歯の判断基準について話す望月院長
虫歯の場合、重度に進行して歯茎から上の歯がほとんど残っておらず、かぶせ物の土台が作れなくなっている状態です。また、歯の根っこの治療である根管治療を受けて、その後何回も再発を繰り返すといった状態も考えられます。歯周病では、歯茎がひどく腫れている、痛くて噛めない、さらに悪化して歯を支えている骨が溶けて歯がぐらついているといった時も抜歯が検討されます。このような状態の時、歯を抜くか抜かないかの判断は、歯科医師の歯科医療に対する考え方や診査・診断力、治療の技術力などによって異なってきます。
- Qこちらでの判断基準についてお聞かせください。
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A
▲患者へのわかりやすい説明を心がけ、治療を進めていく
当院ではできるだけ歯を残すための治療をしていますが、明らかに悪い歯を残すのは良くありません。抜歯を検討する歯はダメージを受けている歯で、本来の機能が失われていることが多く、残すことで他の健康な歯に悪影響を及ぼすことが考えられます。長期的な視点や口腔内全体への影響を考えて歯を抜くメリットが歯を残すデメリットよりも上回った場合に抜歯を優先します。しかし、最終的に抜歯するかしないかを決めるのは患者さんです。ぐらぐらしている歯でも患者さんが残したいと希望すれば抜かずに治療をしています。ただ、歯科学的な判断基準と患者さんの判断基準にはギャップがあることも事実で、その差を少しでも埋めていくことも大切です。
- Qこちらで行っている重度の虫歯や歯周病の治療について伺います。
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A
▲歯の細部まで確認するため、マイクロスコープを用いる
まずは診査・診断を適切に行い、その症状に即した精密な治療を行っていきます。例えば重度の虫歯で土台がない場合、歯を引っ張り出して歯茎の中の歯根を露出させてそこに土台を作る方法や、逆に歯茎を下げて歯根を露出させて土台を作る方法もあります。また、それほど進行する以前の虫歯で神経まで細菌感染が広がっている場合、できるだけ神経を残す根管治療を行っています。重度の歯周病では、溶けてしまった歯槽骨の再生を促すための歯周組織再生療法や、歯肉の中の奥深くにある歯石を除去する歯周外科治療などを行うことで、歯の保存に努めています。
- Q迷った時のセカンドオピニオン先としてどんな点が大切ですか。
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A
▲口腔内を健康に保つため、最善を尽くす
歯の状態や治療方法についてきちんと説明し、メリットだけでなくデメリットについても説明してくれるかどうか。また、口腔内写真などの記録を取ってそれをもとに説明しているかどうか。写真などの記録によって経過観察を行い、その結果を治療にフィードバックしているかも大切です。さらに、治療の際、マイクロスコープや拡大ルーペなどを使って精密な治療をめざしているかといった点もポイントですね。もし今受けている治療で不安や疑問点があれば、このような視点でセカンドオピニオン先を探してみると良いと思います。ただ、歯科医師との相性も重要ですから、ご自身の性格に合う歯科医師を見つけるのが一番と考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周組織再生療法/7万7000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。