生理不順や更年期障害など
女性のさまざまな悩みに応える漢方治療
シュシュレディースクリニック 戸田公園
(戸田市/戸田公園駅)
最終更新日:2023/03/24


- 保険診療
頭痛、肩凝り、冷えなど、どことなく調子が悪いといった状態や、生理痛や月経不順など月経にまつわる症状などを経験したことのある人は多いのではないだろうか。このような病名のつかない症状や、「これって病気なの?」と思うような不調の改善に有用だとされているのが漢方だ。西洋医学が普及する以前、日本では漢方が一般的な医療として広く親しまれていた。現代医療の中では、西洋医学では対応が難しい、不定愁訴や未病へのアプローチ法として注目されている。そこで、産婦人科の医師で漢方に深い知識を持つ「シュシュレディースクリニック 戸田公園」の前出喜信院長に、漢方の特徴について詳しく聞いた。
(取材日2023年3月1日)
目次
頭痛や肩凝り、冷えなど複数の症状による体調不良、女性特有の症状にも用いられる漢方
- Q漢方にはどういった特徴がありますか?
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A
▲不定愁訴の改善に有用な漢方治療
漢方診療の特徴は、視覚を使って患者さんの動作や状態を観察する「望診」、聴覚と嗅覚を使って患者さんから発せられる音や臭いから診断する「聞診」、自覚症状や生活習慣、病歴を聞いて情報収集する「問診」、患者さんの体に直接触れて診察を行う「切診」の「四診」という診察方法で、漢方でいうところの診断である「証」を決めることで、治療法が決定されます。また、日本独自の漢方の考え方として「気・血・水」理論というものがあり、このバランスの崩れを整えるような漢方薬で治療を行うのも特徴です。
- Q具体的にはどういった症状に処方されるのですか?
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A
▲漢方について日々勉強を続けている前出院長
検査で異常が表れないが、原因不明の体調不良が続く状態は誰でも経験したことがあると思います。例えば、天気の悪い時の頭痛や肩凝り、冷え、めまい、胃もたれといった症状から、喘息やアトピー性皮膚炎といったアレルギー症状、肌荒れ、ニキビなどの皮膚症状など、漢方はさまざまな症状に対して有用性が確認されています。女性特有の症状では、生理痛、生理不順、生理前の不調のほか、更年期にみられるイライラ、のぼせ、発汗、不眠といった症状などにも有用です。また、現時点では病気ではないけれど、そのまま放置していると病気になる可能性がある状態の「未病」にアプローチし、自己の治癒力を補佐していく役割で処方することもあります。
- Q月経困難症や更年期障害などの症状にも用いられるのですね。
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A
▲患者個々の状態に合わせた治療を提供
日本では西洋医学が普及するまで漢方が主流でした。もともと日本人に合った治療法であり、特に女性との相性がいいといわれています。西洋医学では、検査をしてどういう病気かを診断し、その病気に対して集中的に治療するための薬を処方しますが、東洋医学では「四診」や「気・血・水」のバランスをみて適した漢方薬を処方します。長年西洋薬を飲んでいるけれど、なかなか症状が良くならないという場合では、漢方薬を併用することで西洋薬の種類や量を減らすことも期待できます。当院ではご本人の希望も考慮しながら、西洋医学と東洋医学どちらか一方に偏ることなく、それぞれの良い点を生かして治療をさせていただいています。
- Q漢方薬のメリット・デメリットや副作用について知りたいです。
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A
▲ウェブ予約は10分ごとの枠での予約が可能
漢方薬は数種類の生薬で構成されていますが、そのほとんどは普段の食事やスパイスの原料になっているものです。例えば、「桂枝」はシナモンで、「葛根」はクズの根です。したがって、メリットは大きな副作用が出にくいことです。しかしながら、食物アレルギーのある方は注意して処方する必要があります。そして、肩凝りには「葛根」、冷えには「桂枝」、「生姜」が役立つといったように、いくつかの生薬で構成されている漢方薬を服用することで、複数の症状へ一つの漢方薬で同時にアプローチできるというメリットもあります。デメリットは、長期的に服用していると悪影響が出ることもありますので、定期的に血液検査を行う必要があります。
- Q市販の漢方薬も増えていますが、選ぶポイントはありますか?
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A
▲自分の体質や体調、症状に合った漢方を選ぶには受診が近道と話す
基本的にはドラッグストアなどで購入するときは、お薬の説明やお店のポップを読んで自分に合ったものを探すのが良いでしょう。飲んでみて効果が感じられない場合はご自身に合っていない可能性もありますから、漢方内科の診療を行っているクリニックの受診をお勧めします。お話を聞いてそれをもとに症状に合った漢方薬を出すのは薬局の薬剤師さんでもできますが、脈を診たり、おなかを触ったりする診察行為ができるのは医師だけなので、自分の体質や体調、症状に合った漢方を選ぶには受診することが近道になると思います。当院では将来的には、エキス剤の漢方薬よりも効果の期待できる煎じの漢方薬も取り扱いたいと思っています。