松川 明寛 院長の独自取材記事
Glad Smil Dental Clinic グラッドスミルデンタルクリニック
(練馬区／地下鉄赤塚駅)
最終更新日：2024/07/25
地下鉄赤塚駅または下赤塚駅から歩いて5分ほどの距離にある「Glad Smil Dental Clinic グラッドスミルデンタルクリニック」。交通量の多い国道254号沿いに見えてくる欧文の看板が目印。キラリと光る健康的な歯と大きく開いた口の形を重ね合わせたロゴマークが、歯科クリニックであることを示している。松川明寛院長は常に正直な人だ。言葉を万人に飲み込みやすいように丸めるのではなく、歯科医師としての見解を真っすぐに伝えるが、それでいてとがった印象は少しもない。尋ねられたことに正確に答えようと言葉を重ねる松川院長に、クリニックの特徴や今後の展望について聞いた。
（取材日2024年5月30日）
来る人を「幸福な笑顔」にできるクリニックをめざして
印象的な院名の由来についてお聞かせください。
「Glad Smil」はデンマーク語で、翻訳すると「幸福な笑顔」という意味になります。「患者さんにこうなってほしい」という理想を外国の言葉に置き換えたらどうかなと思い、英語ほど浸透していないけれど何となく意味を想像できて、男性名詞と女性名詞の区別がない言語ということで、デンマーク語にしました。クリニックには、笑顔でニコニコしながら来る人はあまりいないと思うんです。皆さん歯が痛いとか噛めないとか、見た目が気になるとか、何かしら悩みを抱えていらっしゃいますから、表情が暗くなりがちなんだと思います。ですが、来る時は笑っていなくても、治療を終えて、帰りに気持ち良く笑えたらすてきですよね。そんな願いを込めた名前が「Glad Smil」です。
中に入るとウッディーな内装が目を引きますね。
壁や床は自然を意識したものにしようと思って、天然の素材というわけではありませんが、木目を多く取り入れることにしました。お口の中の治療もある意味、歯をできるだけ自然の状態に近くしたいわけですから、自然をキーワードにするアイデアはすんなり出てきましたね。実はクリニックのロゴマークも、少し自然を意識したものなんです。口と歯を連想させる形の一部に自然が思い浮かぶグリーンをあしらい、さらにオレンジの部分があることで、大きく口を開けて笑っているようにも見えるデザインです。木目と調和するように緑も増やしながら、患者さんにとって居心地の良い空間をつくっていけたらと思っています。
どのような方が通われているのでしょうか？
近隣にお住まいの方が多いです。開業前の内覧会から当院に関心を持ってくださったり、すぐに予約をしてくださったりした方もいました。やはり初診は説明などで時間がかかるものですから、開業してしばらくは慌ただしかったですね。開業から1年がたち、患者さんとの信頼関係もできてきたように思います。治療が順調に進み、メンテナンスに移行された方も増えてきて、最近では一人ひとりの患者さんにしっかりと向き合う時間がつくれるようになりました。
患者が自分で口の中を手入れできるように手助けしたい
現在、注力していることがあればお聞かせください。
これは開業以来変わらないのですが、患者さんにはお口の中の手入れを自分でできるようになってほしいと思っています。それを手助けするのが私の役割です。一番は、歯ブラシの使い方。幼稚園など人生の早い段階でブラッシングの方法を教わったきりで、中には大人になってもクリニックに一度も行ったことがないという方もいるようです。実はこれが落とし穴。子どもの時に習う虫歯対策のための磨き方と、大人に身につけてほしい歯周病予防のための磨き方は違うんです。もし気づかないうちに歯周病が悪化してしまうと、認知症や動脈硬化といった全身疾患にも影響を及ぼしかねません。歯を失うことになれば食事もおいしく食べられませんし、噛むことによる刺激も損なわれます。そうならないために、大人の患者さんの場合は最初に歯の磨き方をチェックして、日頃の手入れの質を上げるところから診療を始めるようにしています。
「患者さん自身にもっと予防への意識を持ってほしい」というお考えなのですね。
そのとおりです。私が危険視しているのは、自分で手入れできていない方が治療の途中で来なくなってしまうことです。しっかりとブラッシングの技術が身についていれば歯科治療を中断してしまったとしても、虫歯の箇所はどんどん深くなってしまうかもしれませんが、他の歯を守ることはある程度できるかもしれません。ですがそうでないのならば危険です。また、中には自分の手入れが甘くても「クリニックできれいにしてもらえばいい」という考えをお持ちの方もいらっしゃいますが、日々の生活の中ですぐに汚れはたまってしまいます。理想としては、やはり普段の手入れを適切に行った上で、なおかつクリニックでのメンテナンスにも定期的に通ってもらうことですね。
歯の手入れが身についていない方への治療はどのように進めていますか？
急患の方、痛みがある方の場合はすぐに応急処置をしますが、基本的には、お口の中のばい菌を除去できている状態になるまで、本格的な治療には入りません。このことは患者さんにあらかじめ説明しています。というのも、お口の中がある程度落ち着いてからでないと、せっかく麻酔をして歯型を採って詰め物をしても、再び悪くしてしまう可能性が高いからです。結局は患者さんの負担を増やすことにつながりかねません。当院では治療を急ぐより、まずは患者さんに毎日の手入れをマスターしてもらうことを重視しています。ホームケア用品も、プロの目から見て良い物を紹介しています。「何を使えばいいのかわからない」という方もぜひご相談ください。
クリニックでの定期的な歯のチェックを習慣に
改めて、クリニックの特徴を教えてください。
これといって変わったことはしていません。虫歯も歯周病も、大人も子どもも診て、入れ歯も外科的な処置も、審美面に配慮した治療やホワイトニングも全般的に対応しています。こちらから得意な治療をアピールするより、診療室で患者さんに適切な選択肢を示し、納得できるまで丁寧にご説明して、患者さんご自身に選んでいただくことを大事にしていますね。時には、歯科医師としての判断と患者さんの希望が一致しない場合もありますが、患者さんに深刻な不利益がない限り、こうしたいというお考えを尊重して治療にあたることを心がけています。
今後、充実させていきたい点はありますか？
光学印象など新たな検査・治療機器にも目を向けていきたいと思います。ただメリットもデメリットもありますから、患者さんの声も聞きながら慎重に見極めていきたいですね。当院ではインプラント治療には対応していませんが、これまでの経験を生かしてアドバイスを差し上げることは可能です。
ところで、松川院長はなぜ歯科医師になろうと思われたのですか？
こう言ってしまうと聞こえが良くないかもしれませんが、もともとは医師になりたかったんです。医大を受験しましたが落ちてしまい、合格していた歯科大学に入ることになりました。そういう経緯ではありましたが、臨床の機会が増えてくると、患者さんが笑顔になっていくのを見て歯科医師もいい職業だなと思うようになり、今ではすっかり自分の仕事としてなじんでいる気がします。歯科医師をしていると、よく「手先が器用なんですか？」と聞かれるのですが、特別に細かい作業が得意という意識はありません。ですが、例えば入れ歯を作る時も、自分の作品を生み出すようなこだわりはない代わりに、「患者さんができるだけ快適に長く使えるようにしたい」という気持ちは強く持っています。それが出来栄えにどれだけ反映しているかはわかりませんが、自分の携わった入れ歯で喜んでもらえたらうれしく思いますね。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
お口の中に違和感があったら、それは歯からのSOS。当院でなくてもいいので、定期的にクリニックに行って歯のチェックやメンテナンスを受ける習慣をつけてください。一人でも多くの方に「3ヵ月に1回は、クリニックに行く」習慣をつけてほしいですね。今はクリニックの数が増え、仕事や学校の行き帰りに、歯科医院を目にしない日はないと思います。忙しい中でも少し時間を割けば通えますから、ぜひ足を運んでください。それが歯を守るための近道です。
自由診療費用の目安
自由診療とはホームホワイトニング／2万2000円～、セラミッククラウン9万9000円
