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恒遠 剛示 院長の独自取材記事

つねとう痛みのクリニック

(大阪市住吉区/長居駅)

最終更新日:2023/08/08

恒遠剛示院長 つねとう痛みのクリニック main

阪和線、大阪メトロ御堂筋線の長居駅から徒歩5分程度の便利な場所にある「つねとう痛みのクリニック」は、2023年2月に開院。院長を務める恒遠剛示(つねとう・たかし)先生は、大阪市立総合医療センターや兵庫医科大学病院、おおさかグローバル整形外科病院などの麻酔科・ペインクリニック部で研鑽を積んできたエキスパートだ。神経ブロック注射と「痛みの出にくい体づくり」のためのリハビリテーション、服薬を組み合わせた痛みの治療を提供している。自らも腰痛に悩み、神経ブロック注射に出会ったという恒遠院長に、ペインクリニックが対象とする症状や診療方針、同院の特徴の一つでもあるリハビリについて話を聞いた。

(取材日2023年3月7日)

痛み緩和にとどまらない「痛みの出にくい体づくり」へ

「痛みの治療」を行うペインクリニックとはどんなクリニックでしょうか。また、どんな痛みが対象ですか?

恒遠剛示院長 つねとう痛みのクリニック1

ペインクリニックは主に神経ブロック注射・服薬・リハビリを組み合わせて、痛みの軽減と痛みが出にくい体をめざすクリニックです。肩凝りからくる頭痛、四十肩・五十肩、慢性的な腰痛、変形性膝関節症や変形性股関節症といった下肢の痛みなど、運動器の痛みが診療対象となります。また、帯状疱疹による疼痛や神経痛、血管が詰まり歩きにくくなる閉塞性動脈硬化症、手指の血管が拘縮する膠原病など、血液循環が正常に働いていないために出る虚血性の痛みも。さらに、いわゆるぎっくり腰や寝違えなどの急性の痛みもペインクリニックの領域です。捻挫や骨折などの外傷は整形外科領域ですが、治療後に関節が硬くなり可動域が狭まったことが原因で痛みが起こる場合は、ペインクリニックの受診をご検討ください。

2023年2月にオープンされたばかりですが、開院のきっかけは何だったのでしょうか。

勤務医として痛みの治療を提供していた際に、すぐに痛みが再発するため頻繁に受診される患者さんを目の当たりにし、「これで正しいのだろうか」と疑問を感じたのがきっかけですね。他にも何かできることがあるのではないかと悩んでいた時に、現在当院に在籍している理学療法士と知り合い、「リハビリ」というアプローチもあるのだと気づきました。「痛みを取ったら終わり」ではなく、「痛みの出にくい体づくり」のためのリハビリを提供したい。そんな理想を実現するために開院に至りました。

診療方針について教えてください。

恒遠剛示院長 つねとう痛みのクリニック2

患者さんの希望や期待と治療における限界が乖離しないよう、患者さんと治療のゴールをすり合わせることを大切にしています。例えば身の回りのことができる10mほどの範囲を動きたいと考えるご高齢の方と、マラソンが趣味の60代の方なら、痛みの改善を図りリハビリを行うという基本は同じでもそれぞれの目標に適したアプローチが必要となります。痛みが軽減できれば良いのか、関節の可動域を広げたいのか、スポーツを楽しみたいのかなど、まずは治療の目標を伺ってから治療方針を定めています。そして、治療後のリハビリの重要性もわかりやすくお伝えするよう心がけています。また、素早い痛みの緩和が見込めるからといって、慢性的に神経ブロック注射や服薬に頼らないようにも注意しています。

神経ブロック注射の後は、リハビリで体の状態キープを

神経ブロック注射とは、どのような治療ですか?

恒遠剛示院長 つねとう痛みのクリニック3

神経が過剰に興奮している状態である「痛みのある箇所」に、神経ブロック注射で局所麻酔薬や抗炎症薬を打ち、血流の改善と痛みの緩和をめざす治療です。神経ブロック注射自体の痛みを懸念する患者さんもいますが、当院では採血に使用するものより細い針や、痛み止めを使用して痛みに配慮しています。また、安全性と確実性を重視してエックス線装置や超音波装置で確認しながら実施。私自身も神経ブロック注射を受けた経験があり、患者さんの不安に共感できると思うのでまずはご相談ください。頻度は患者さんによって異なります。神経の興奮を抑えるための薬の効果が薄れても、血流の状態を維持できれば痛みが少ない状態のキープが期待できます。しかしまた腫れてくれば痛みが再発するため、血流の状態を維持するためにも、リハビリによって体を動かし基礎代謝量の向上を図ることが重要です。

そこでこちらの医院の特徴の一つである「痛みの出にくい体をめざすリハビリ」が必要なのですね。

ええ。広々としたリハビリルームを設け、現在は週1回理学療法士に来てもらい、痛みの緩和を図った後のフォローとして体の動かし方やセルフストレッチなどの指導を行っています。例えばご高齢の方で腰の痛みを神経ブロック注射で緩和して背筋を伸ばすことを図ったものの、逆に背中が痛くなってしまうケースがあります。痛みの有無だけに注視するのではなく、適切なリハビリに取り組まなければ、結局また動けなくなってしまうこともあるんです。また老齢を理由に体の痛みを諦めてしまっている方も、まず痛みを軽減できればリハビリもしやすくなるでしょう。

痛みに対処してからだと、運動にも取り組みやすいですね。

恒遠剛示院長 つねとう痛みのクリニック4

従来の痛みの治療は、痛みが取れれば治療は終わりだということも少なくありませんでした。しかし実際は痛みの緩和を図った後に何をするかが重要です。当院の理学療法士は患者さんの治療のゴールはもちろん、年齢や性格、筋力・関節の状態などを見極め、テーラーメイドのリハビリを提供しています。また私が「このままリハビリのみで乗りきれるか、それとも神経ブロック注射が必要か」と迷ったときも適切なアドバイスをくれるのでとても頼りにしていますね。長らく神経ブロック注射でごまかしてきたような患者さんが、当院でのリハビリとご自宅でのセルフストレッチなどで、注射も服薬もなしに良い状態をキープし、痛みをコントロールできるようになるのが理想です。

医療用インソールの製作にも対応していると伺いました。

ええ。体のバランスを整え、痛みが出にくい体をめざすために医療用インソールの製作に対応しています。当院では従来のアナログな方法ではなく、3D足型測定器を用いて足のデータをデジタル化する方法に着目。足の形や足底圧を精密に測定することで、痛みや悩みの原因まで考慮した精度の高いインソールの製作ができるようです。また素材も進化しており、従来のものに比べて、非常に薄い形状にできるようになっているので、靴の中に入れて履いても窮屈に感じにくいでしょう。足や膝に痛みがある方や、歩きにくさを感じている方は、ぜひ一度相談しに来てください。

「痛み」はもちろん、「だるい」「重い」も受診を

診療はどのような流れで行われますか?

恒遠剛示院長 つねとう痛みのクリニック5

まずは当院でエックス線などの検査を行い、問診でお話を伺い、場合によっては近隣の医療機関で撮影してきてもらったMRIやCTなども総合して診ていきます。その後、さまざまな可能性を考慮しながら、神経ブロック注射・服薬・リハビリの3つの治療から必要なものを併用するなどして治療計画を立てます。「注射が怖い」「薬を飲みたくない」など、患者さんのご希望と現在の痛みの状況を合わせた上で、最良の治療をめざし立案しています。

リハビリの拡充が今後のテーマだと伺いました。

まもなくリハビリ用のエアロバイクを導入するほか、理学療法士が常駐する体制が整ったタイミングでさらなる拡充をしていく予定です。健康寿命延伸には、日頃からいかに適切に体を動かしているかが重要。諦めずに少しずつでも動かして基礎体力をつけておけば、病気やけがをしてしまってもその後の早期の社会復帰につながりやすいと考えています。また、体の使い方によって痛みをコントロールしやすくなるでしょう。ご自身の体の動かし方や、体の中で動いてない部分を把握して、「自分の体はこういう痛みが出やすい」「こうしたら痛みが軽減する」というのを理解していただければ、痛みとの付き合い方も変わってくると思います。

最後に、読者へのメッセージをお願いいたします。

恒遠剛示院長 つねとう痛みのクリニック6

痛みがあれば来ていただきたいのがペインクリニックです。現時点では認知度はあまり高くなく、「どこを受診しても治らない、原因不明の激痛」の場合に限り受診するといったイメージを持つ方もいますが、実は敷居は高くありません。肩凝りや腰痛などのほか、単に「腰がだるい」「足がむくむ」「肩が重い」などの受診も歓迎しています。というのも、実はその症状を放置してしまったがために、痛みへとつながってしまう可能性があるからです。手術後の痛みももちろん対応しますが、やはり手術前の段階で痛みを抑えたいというのが私の考え。まずはお気軽にご来院ください。

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