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池田 賢一郎 院長の独自取材記事

はたのだい耳鼻頭頸部クリニック

(品川区/旗の台駅)

最終更新日:2024/02/20

池田賢一郎院長 はたのだい耳鼻頭頸部クリニック main

東急池上線・大井町線の2路線が利用できる旗の台駅、その東口の目の前にある医療・商業施設3階に2023年1月にオープンしたのが「はたのだい耳鼻頭頸部クリニック」だ。ブラウンを基調としたシックなインテリアに彩られた院内は、広々とした空間。一般待合室には発熱者専用の隔離待合室やキッズスペースも併設されている。休診日に迎えてくれた池田賢一郎院長は10年以上近くの「昭和大学病院」に勤務し、医局長も務めたという経歴の持ち主だ。「長く親しみ、育てていただいたここ品川区旗の台で皆さんのニーズにお応えし、地域の一員として貢献していきたい」と笑顔で話す。クリニック休診日も「昭和大学病院」での診療を担い、この日も診療後に時間を取ってくれたという池田院長に、クリニックにかける想いなどを聞いた。

(取材日2023年2月16日/更新日2024年2月14日)

脳と目を除く首から上のすべてを診る耳鼻頭頸部診療

開院おめでとうございます。まずはご経歴と開院に至った経緯を伺えますか。

池田賢一郎院長 はたのだい耳鼻頭頸部クリニック1

ありがとうございます。医学部を卒業後昭和大学横浜市北部病院で研鑽を積み、同院や昭和大学藤が丘病院で勤務してきました。2012年からこの近くにある昭和大学病院本院に移り、耳鼻咽喉科・頭頸部腫瘍センター講師、医局長などを歴任。さまざまな頭頸部腫瘍などの診療を中心に手がけてきました。頭頸部腫瘍診療で培った専門性を広く地域に還元したいといった思いから、2023年1月に当院を開院。大学病院時代の患者さん方と長く良いお付き合いを続けながら、病気の早期発見・治療に力を尽くして、長く育てていただいたこの土地に恩返ししていきたいと考えています。

クリニック名に「耳鼻頭頸部」をつけたのはなぜですか。

「耳鼻科」「耳鼻咽喉科」といった表現には慣れていても「耳鼻頭頸部」というワードにはなじみがないという方も多いでしょう。しかし、耳鼻咽喉科は耳、鼻、喉の病気に限らず、鼻腔・副鼻腔、口腔から咽頭・喉頭(喉)、唾液腺、甲状腺など幅広い部分の病気を扱います。少し前に女性歌手が舌がん罹患を公表し話題になりましたが、この舌がんも耳鼻咽喉科の領域です。とはいえ、一般の方で舌がんが耳鼻咽喉科領域であることをご存じの方は多くない現状があります。こうした現状を変えるべく、2021年に従来の「日本耳鼻咽喉科学会」は「日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会」へと学会名を変更。当院もこの流れにならってクリニック名に「耳鼻頭頸部」をつけました。脳と目を除く首から上のすべての部分を診る科であると覚えておいてください。

頭頸部腫瘍を専門とされているそうですね。

池田賢一郎院長 はたのだい耳鼻頭頸部クリニック2

先にふれた舌がんをはじめ、歯肉がんや咽頭がん、喉頭がんなど、発生頻度は高くないものの頭頸部にはさまざまな悪性腫瘍が発生します。また、甲状腺や耳下腺、顎下腺などの良性腫瘍や、腫瘍ではない頸部の腫れも。そうしたすべてを専門的に診ています。耳鼻咽喉科専用の内視鏡で腫瘍の早期発見が可能であるほか、週に1度は大学病院での外来も担当していますので、リスクが見つかった方は大学病院にご紹介し、紹介先でも私が継続して診察や治療を担うこともできます。

副鼻腔炎から花粉症、めまいまで幅広い相談に対応

どのような主訴の方が受診されていますか。

池田賢一郎院長 はたのだい耳鼻頭頸部クリニック3

小さなお子さんの風邪による鼻水・鼻詰まりや耳垢除去から、副鼻腔炎とそれに関連して起こる喘息のコントロール、めまいなど、十人十色の主訴でご受診いただいています。頭頸部腫瘍の治療後で、フォローアップのために来院される従来の患者さんも多いですが、専門に限らずどのようなお悩みにも対応していきたいと考えています。直近では、発熱で新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの感染を疑って受診される方や、花粉症の方も多いですね。電話予約制の発熱の外来では、PCR検査も導入しており、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザ、溶連菌などの感染症の鑑別を行います。専用の隔離待合室を2ブース設け、一般の外来とは完全別動線で診療していますので、安心して受診いただけると思います。

上咽頭の炎症にはBスポット治療(上咽頭擦過療法)を行っているそうですね。

はい。上咽頭の炎症から起こるさまざまな症状に長くお悩みだった方など、この治療により一緒に改善をめざしていければと思います。口腔、鼻腔から綿棒を挿入し、上咽頭に薬剤を塗布するといういわば単純で昔からある治療であり、一度は廃れかけた方法でもあるのですが、当院では積極的に提供しています。

花粉症の診療についても教えてください。

池田賢一郎院長 はたのだい耳鼻頭頸部クリニック4

抗アレルギー薬の処方から、鼻粘膜の表面に照射するレーザー治療、減感作療法など、幅広い治療を実施できる体制です。花粉症で受診される方にはこれまでと今の症状を確認し、どの程度の治療を求めていらっしゃるのかを聞いて、ニーズに応える対応を行っています。薬だけ欲しいという方もいらっしゃいますし、レーザー治療を受けたいという方もいらっしゃいます。

めまいの診療も行っていらっしゃいますね。

ひと口に「めまい」と言いますが、三半規管の変調に由来する「vertigo」や脳・不整脈などにより起こる失神直前の「presyncope」、「dizziness」など、さまざまなものがあります。糖尿病性のものや、足・腰の不調からくるものも。そうした原因が突き止められず、十分な説明もないままにとりあえず薬だけ出されてしまうというケースがよくあるようです。めまいという症状は不安を駆り立てるもの。だからこそ当院のめまい診療では、患者さんの不安を解消する説明に力を入れています。重心動揺計などによる検査を実施するほか、必要に応じて連携している医療機関でのMRI検査なども実施して原因診断を行い、患者さんにめまいの原因を理解していただいた上で必要な治療を進めるのです。投薬と並行してリハビリテーションの資料なども作成してお渡ししています。

大学病院の人との縁も大切に、愛着ある地域に貢献を

耳鼻咽喉科の医師を志されたきっかけは何ですか。

池田賢一郎院長 はたのだい耳鼻頭頸部クリニック5

子どもの頃はパイロットになりたかったのですが、視力が低下してしまい断念しました。父が整形外科の医師、母が薬剤師という環境で育ったので、姉は理学療法士で弟も整形外科の医師・獣医師と、医療の道に進むのが自然な流れだったように思います。身近な人が乳がんで苦しんだのを目にした経験から、がん治療を希望。当初は外科志望でしたが、視覚以外のすべての感覚器を扱い、老若男女すべてを診られる点に惹かれて耳鼻咽喉科を専門としました。頭頸部腫瘍では初診から治療まで一貫して担当でき、患者さんやご家族と長く付き合える点も魅力だと感じています。

これまでのキャリアで心に残っていることはありますか。

医局での人とのつながりでしょうか。大学病院では5年半ほど医局長をやりましたが、当初は先輩から教わることが多くても、いずれ後輩から学ぶことが増えてくるようになるのです。プライベートな時間を共有することもあり、楽しく過ごしています。培った絆は開業後の現在でも生きていると実感しますし、他科を含めたドクターとのつながりには心から感謝しており、大切にしていきたいですね。

今後の展望と読者へのメッセージをお願いします。

池田賢一郎院長 はたのだい耳鼻頭頸部クリニック6

長く付き合って信頼できるスタッフとともに、駅前の便利な場所での開業がかないました。スペースにも余裕を持って診療できているので、将来的にはドクターを増員し、二診体制としてそれぞれの得意分野を生かすといった拡充も考えています。頭頸部腫瘍が専門ではありますが、実は赤ちゃんを含むお子さんの診療も得意です(笑)。どなたでもお困りのことがあれば、まずはお気軽に足をお運びいただければと思います。

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