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袋 秀平 院長の独自取材記事

ふくろ皮膚科クリニック

(横浜市港南区/港南台駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR港南台駅から徒歩圏内、バスなどの利用にも便利な鎌倉街道沿いにあるのが、この地域で数少ない皮膚科「ふくろ皮膚科クリニック」だ。2009年にリニューアルされたきれいなクリニックは、大きな窓から入る日差しで明るい雰囲気。入口は段差もなく、待合室の一部にキッズスペースが設けられるなど、多様な年代の患者に配慮されている。「肌、髪の毛、爪など、目で見える部分の違和感は、まず皮膚科にご相談ください。専門の診療科が持つ最新知識、豊かな経験から、ご納得いただける説明や治療ができると思います」という袋 秀平院長。質問に対してわかりやすい言葉を選んで答え、真剣に応対する姿から、患者に信頼される丁寧な姿勢が感じられた。生活の質の向上をめざして、高齢者の施設や自宅に往診するなど地域医療にも貢献する袋院長に、このクリニックでの治療方針などをお聞きした。
(取材日2012年3月7日)

目に見える部位に異常があったら皮膚科へ

どんな症状の時、皮膚科を受診すればよいのでしょうか?

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皮膚科で診る症状は、意外に幅広いのです。湿疹やかぶれのほか、髪の毛や爪、口の中なども皮膚が変化したものですから、皮膚科で診ています。目に見える部位に違和感がある時は、まず皮膚科においでください。お子さまがアトピー性皮膚炎になって、「小児科に診せるか、皮膚科に連れて行くか迷う」と聞いたことがありますが、私は年齢に関係なく、皮膚科の受診をお勧めします。特にアレルギーなどは、皮膚科の学会でも毎日のように新しい発見・発表が続いています。そうした情報をもとに、適切な治療を受けられるメリットは大きいでしょう。また、お薬の選び方や使い方に関しても、皮膚科ならではの注意や助言ができます。最近は使いやすさを考慮して、何種類かの塗り薬を混ぜてお渡しすることも多いのですが、混ぜる薬の種類、混ぜる手順によっては、効き目に違いが出ることもあります。皮膚病の薬に十分な知識がある医師なら、そうした問題を起こさない処方が可能です。

アレルギー治療での新しい発見を教えていただけますか?

例えばアトピー性皮膚炎のお子さまの場合、最近、薬を使ってしっかりと治すことの重要性が再確認されました。これは皮膚に付いた物質によって、新たなアレルギーが起きる「経皮感作」の仕組みが明らかになったからです。皮膚は体の内側から大事なものを逃がさず、外部から余計なものを入れない、バリアーの役目をしています。最近の研究で、そうした機能が低下すると、アレルゲンは皮膚から入ってアレルギーを引き起こす可能性があるとわかりました。そのためアトピー性皮膚炎は早めに、治療し、皮膚のバリアーを回復させることが重視され始めています。もちろん当院での治療は、一人ひとりの症状、体質をしっかりと診て、症状に応じたお薬を相談しながら使いますから、ご安心ください。また、当院では皮膚だけを診るのでなく、体全体とのつながりを考えて診察しています。症状を診て、万一別の病気が疑われたら、適切な診療科もご紹介しています。

そうした治療方針を決めるのには、聞き取りなどが重要ですね。

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ええ、特に初診の方はお話をしっかりうかがうため、20〜30分かかってしまうこともあります。また私からも病気や治療について、できる限り詳しい情報をお伝えしています。お聞きするのは、どのような時に症状が起きるか、今までどんな治療をしてきたか、といったこれまでの経緯。そして、どんな病気なのか、何が原因で起きたのか、このクリニックでどう治療していくかをお知らせしていきます。症状の緩和も大事ですが、患者さんに納得してもらったうえで、安心して治療に取り組んでいただくことも大事だと考えています。それだけに患者さんの多い日などは、お待たせする時間も長くなってしまいます。お子さま向けに、寝転んでもいいキッズスペースを作るなど、なるべくゆっくり過ごしていただける環境を考えています。

生活の質を向上させる、皮膚科医による地域医療

在宅医療に参加して、往診にも積極的とお聞きましたが。

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通院が難しい高齢の方を中心に、ご自宅や施設に往診しています。ただし積極的といっても、平日はクリニックでの外来診療が中心になりますから、今のところは休診日が往診日という形です。なかなかご依頼にお応えできないことも多く、心苦しいですね。往診に対応する皮膚科医が少ないようで、私が在宅医療で伺っている患者の主治医の先生方が、「皮膚科医の往診はふくろ皮膚科に」とご紹介してくださいます。そうした信頼にお応えできるよう、どういったご病気で在宅医療を受けられているのか、皮膚科では何を診るのかなど、主治医、ケアマネジャー、看護師に詳しくヒアリングして、患者さん一人ひとりにきめ細かな対応を心がけています。将来は、より多くの往診が可能な体制にするなど、地域医療にさらに深く関わりたいと考えています。

皮膚科医が在宅医療で診る症状は、何が多いのでしょうか?

私が診ている患者さんは、褥瘡(じょくそう)いわゆる床ずれが多いですね。ご家族が床ずれを起こす原因をご存じなくて、非常に重くなっている場合もあります。実は床ずれは、健康な方でも一晩でできるほど一般的な病気。寝たきりの方は、少しケアを怠ると、すぐ床ずれになります。逆に一定の条件を整えれば、ある程度まで改善は見込めます。主なポイントは3点あって、圧力が原因になるので除圧をすること。血行をよくして、栄養状態を整えること。そして適切なスキンケアをすることです。ただ、これをご家族だけで判断し、実行するのはとてもたいへんです。皮膚科医が在宅医療に参加していれば、どこを重視すべきかきちんとお伝えできます。ケアマネジャーと相談して、介護保険制度のなかでどのサービスを使えばよいのか、ご家族の方にアドバイスも可能です。床ずれのつらさが減ることでご本人の生活の質が向上し、周囲の方の負担も減るのは、非常にうれしいですね。

特に在宅医療での注意点はあるのでしょうか?

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ご病気によっては合併症を起こしやすい場合などもあります。例えば糖尿病をお持ちで、足先の感覚がなくなっているような場合、ご本人は足の痛み、血流障害などはわからないのです。私も注意深く診るのはもちろん、ご家族の方に「毎日足を見て、触って、確認してください」とお願いしています。何か変化があれば、すぐに連絡してもらうためです。また足の爪を切る場合も、ご本人は感覚がないので、傷付けてもわかりません。周囲の人に切っていただくのがいいでしょう。傷は感染症のもとになるので、十分に注意が必要です。

新たな出会いも生まれる、大学時代からの交流

この地域で開業されるきっかけは何でしたか?

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もともと母の実家や親類に医師が多く、自分も「何となく人を助けられる仕事に就きたい」と思って、医学部を選んだんです。でも最初は開業は意識していませんでした。皮膚科は外科、内科の両面からアプローチできて、顕微鏡で組織を見る病理学的な面も持ち合わせている点が、興味深かったですね。しかし卒業後に勤めた総合病院は、キャリアを積むほど仕事が忙しくなり、自分が考えていた「患者さんとじっくりお付き合いして、納得していただく医療」の実現が難しくなってきたのです。そんな時、この付近に皮膚科クリニックが少なく、地域の方も困っていらっしゃると、開業のお誘いがありました。港南台というエリアには、昔からの団地や住宅地に高齢の方がお住まいで、さらに新しいマンションには小さいお子さまをお持ちのご家族も増えています。皮膚科の患者さんの年齢層は非常に幅広いので、そうした多様な年代の医療ニーズにもお応えできると思って開業を決めました。

往診などでお忙しいようですが、休日のご趣味などは?

実は最近、月1回程度ですが、大学時代に入っていたコーラス部の合同練習会に参加しています。私は大学卒業後に社会人合唱団で活動した時期もあって、東京都のコンクールで審査員特別賞も取ったのですが、仕事が忙しくて合唱はご無沙汰でした。一方で大学の部活は部員数減少などで、少し元気のない状態が続いていたようで、卒業生のなかから「みんなで協力して、活動を盛り上げよう」と声が上がり、世代を超えて交流するコーラス部定期演奏会を行うことになりました。公演では私も合唱で参加するほか、指揮者を務める予定です。練習では60歳から現役大学生まで一緒。ずっと歌っていない人もいて、たいへんですよ。卒業したのが東京医科歯科大学という小規模な大学だけにまとまりがよく、こうした集まりで世代を超えた交流が生まれるのも楽しみにしています。

そうした音楽のご趣味は、以前からお持ちだったんですか?

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昔から音楽は好きでしたが、高校時代はコーラスではなく、ディープパープルなどのハードロック系のコピーバンドをやっていました。そういえば神奈川県皮膚科医会の40周年記念イベントで、余興でバンドをやらせていただいたこともあって。次は50周年でもやろうと盛り上がりました(笑)。昔から好きなバンドの来日コンサートも楽しみです。長く活動しているバンドの演奏を見ると、「自分もまだまだ、これからがんばろう」という励みになりますね。

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