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伴 孝介 副院長の独自取材記事

伴整形外科

(横浜市磯子区/磯子駅)

最終更新日:2024/02/28

伴孝介副院長 伴整形外科   main

JR根岸線・磯子駅から徒歩2分、好立地にある「伴整形外科」。1991年に現院長である伴孝(ばん・たかし)先生が開業し、30年以上にわたり近隣の患者を支えてきた歴史ある医院だ。2015年からは息子であり、現副院長の伴孝介(ばん・こうすけ)先生が加わり、2人体制での診療を行っている。孝介副院長のモットーは、患者と二人三脚で歩める医院であること。リハビリテーションの際のストレッチなどは、まず自分が実践し、しっかりと正しい方法を伝えるための努力を惜しまない。また小さな子どもの診療においても、不安を抱える保護者に寄り添っていく姿勢を大切にしているので、些細なことでも相談しやすいだろう。若い世代から高齢者まで、幅広い層に頼られる医院にしていきたいと語る孝介副院長に、診療に対する思いを聞いた。

(取材日2023年11月13日)

リハビリはまず自分が実践し、患者にレクチャー

2015年より孝介先生が診療に参加され、その後どのような変化がありましたか?

伴孝介副院長 伴整形外科  1

当院に来る前は、聖マリアンナ医科大学病院に所属しており、人工関節の手術など股関節を専門にしていたんです。当時いらした先生のご退職を受け、父の要望もあって、2015年に当院に移ることにしました。それから月日もたち、今は父が院長、私が副院長という体制で、2人でしっかりと相談し合いながら診療をしています。最近の変化で言えば、近くに大きなマンションができるほか、新型感染症の流行を受けてリモートワークが増えた影響で、比較的若い世代が磯子に定住し来院されるようになったことでしょうか。20~30代の患者さんも増え、今まで多かった高齢の患者さんとも合わせると幅広い患者層になっていますね。ただ、これもリモートワークの影響か、体を動かす機会が少なくなりつつあるようで、運動不足による首・肩の凝りや腰痛といった悩みが目立つようになっています。

患者さんの主訴について伺います。

やはり膝や手、腰の痛みを訴えられる方が多いですね。特に、高齢者の膝の痛みは軟骨のすり減りを伴うものがあるので、慎重に対応していく必要があります。軟骨のすり減りを防ぐためには、3つのポイントがあります。体重を増やさないこと、筋力を保つこと、冷やさないこと。私は軟骨をすり減らさないようにしながら筋肉を動かすことができる水中ウォーキングをよく勧めています。水中だと浮力が発生しますので、膝の軟骨にかかる負担が少なくなり、同時に水圧によって筋力がつきやすくなるんです。こうしたお勧めの方法をお伝えすることで、スポーツクラブに通いながらリハビリテーションをするという患者さんも増えていますね。もちろん日頃から、軟骨に非常に負担をかける正座やしゃがむ動作も控えたほうがよいでしょう。階段の上りや下り坂でも自重によって痛めてしまうので、手すりを使ったり歩幅を小さく歩いたりするよう意識してください。

こちらで行っているリハビリテーションとはどのようなものですか。

伴孝介副院長 伴整形外科  2

温める、電気を使うなどの物理療法が中心です。治療を行うたびに、痛みが強くなっていないか、少しでも楽になっているかなどを細かくヒアリングして、以降の治療の方針を決めていくようにしています。大事なのは医院でリハビリテーションをするだけでなく、自宅でもストレッチや軽い運動・体操などをすること。でも口頭や資料で説明されるだけではわかりにくいと思うので、まずは私が実践してみせて、一緒に体を動かして覚えていただいて帰ってもらうようにしています。自宅で間違った方法を覚えてもいけませんので、ちゃんとできているかは細かくチェックして、正しい方法を覚えてもらうようにしています。また、肩凝りや腰痛など、筋肉の緊張が原因で痛みが出てしまう方には、ウォーターベッドを利用して、水圧でマッサージを行うことも可能です。

患者の立場に立って、共感を大事にした診療を

先生が診療で大事にしていることは何ですか?

伴孝介副院長 伴整形外科  3

できるだけ患者さんの立場に立って診療するということですね。痛みがどれほどかは、患者さんご本人にしかわかりません。でもどれだけつらいかをきちんと受け止めて、そのつらさに共感して少しでも改善できるようにしたいんですね。例えば、薬一つ出すにしても、きちんと説明して受け入れてもらえる状態にもっていかなくては、結局自宅で飲まなかったということになりかねません。患者さんの気持ちを推し量りつつ、必要だと思えることは深く説明していき、治療を日常的なものに落とし込んでもらうように努めています。そのために、まずはリハビリテーションをして良くならなかったら薬を使うなど、治療の道筋をいくつか提示し、患者さんに選んでいただきます。膝の痛み軽減のために体重をコントロールする必要があれば、「私も体重増加に気をつけますから、一緒に頑張りましょう」と二人三脚で歩んでいこうと励ますことも心がけていますね。

「診る・診られる」の関係ではなく、「一緒に治していく」という姿勢なのですね。

はい。例えば大学病院などでは、多くの患者さんを効率良く診ていかなくてはいけませんので、とにかく忙しくなりがちですよね。どうしても説明に割く時間がなくなってしまいます。検査をしても患者さんが説明をうまく理解できなかったりすると、結果的に「患者ではなく、病気を見ている」という診療になってしまうと思います。私は地域医療に携わる立場としては、やはりそういう形にはしたくないと考えています。自分の病気のことを深く理解できないと、納得できる治療にはつながっていきません。同時に、自分の症状について医師が親身になって説明してくれないと、説得力がないと患者さんは感じてしまうと思うんです。医師と患者の信頼関係がいかに重要か、そのことを当院に来てあらためて痛感しています。

ご自身の強みを診療にどのように生かしていますか?

伴孝介副院長 伴整形外科  4

股関節で悩んでいる方や手術後に不具合を感じている方にとって、しっかりと対応したり説明したりできる環境になっていると思います。また、磯子区の整形外科はとても横の連携が強いので、もし手術などが必要になったときの紹介体制も整っているのは、この医院で働いていて「すごい」と気づかされるとことですね。ほかに、漢方薬の勉強も重ねてきていますので、他科の兼ね合いで漢方薬を飲んでいる患者さんには、重複しないように別の種類の漢方薬を勧めるなどもできます。今飲んでいる薬についてのご相談も受けることができます。

2人の視点で患者の違和感を探っていく

子どもの患者さんも増えていると聞きましたが、何か工夫をなさっていることは?

伴孝介副院長 伴整形外科  5

一番は、病院は怖いところじゃないという雰囲気をつくってあげることですね。絵本やぬいぐるみを置いてみたり、ちゃんと診療できたらおしゃれなシールを貼ってあげたり、折り紙で作った手製の雑貨をあげたりとか、ささやかでもうれしいと感じることを積み重ねるようにしています。あとは、子どもだけでなく、保護者であるお父さんお母さんの不安に向き合うことも大事だと思うんですね。例えば、2歳くらいの幼児が足を引きずって歩いていても、自分でどこがどう痛いと言い表すことはできません。ですので、お父さんお母さんにどのようなことを気をつけてほしいか、どのような状態をめざして治療するか、しっかりと説明して不安を払拭して差し上げたいと思っています。

先生の診療を見て、院長であるお父さまはどうお感じなのでしょう。

どうでしょうか(笑)。私が医師になる前、父が仕事をしている姿はほとんど見たことがなかったんです。家では厳しい父でしたが、一緒に仕事をするようになると、患者にはとても優しい、良い先生だったんだと気づかされました。こまやかなところまで気を配っていますし、何より父を慕って来院する患者さんの姿を見ていると、私もその姿に学ぶべきことが多くあると気づかされます。現在は、お互いに一人の医師として相談し合うことも多くあります。2人の視点がありますから、一人では気づけなかった違和感にも気づきやすくなっていますね。

読者へのメッセージをお願いします。

伴孝介副院長 伴整形外科  6

患者さん目線に立った医院というスタンスを、これまでもこれからも大切にしていきます。診療とは直接関係のないことでも、お気軽にご相談ください。例えば、歩いていて息切れしやすいとか、手先や足先の冷えがつらい、目がかすむなどの相談でも、そこから発見できることも少なくありません。ストレッチの仕方を復習したいという目的での来院も歓迎しています。困っていることや疑問、不安はお一人で抱えないようにしてくださいね。一緒に考えていきましょう。

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