せきど脳神経外科クリニック

せきど脳神経外科クリニック

関戸謙一院長

医療トピックス

新薬も登場。軽度のうちに早期発見・治療を
家族が認知症にかかったら

せきど脳神経外科クリニック

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現在、日本国内で認知症発症者数はおよそ200万人。今後10年、団塊世代が70代になるとさらにその数は300万人に増え、65歳以上の13人に1人が認知症になるという予測も立てられている。つまり、親や家族が認知症にかかるということは、誰にでも起こりうること。決して対岸の火事ではないのだ。そこで、認知症の患者をこれまで数多く診療してきた「せきど脳神経外科クリニック」の関戸謙一院長に、認知症の基礎知識、病気の兆候、現在行っている治療について、さらには予防や、看護する家族の心構えについて伺った。(取材日2012年1月16日)

待望の新薬登場で、治療の選択肢が広がった認知症治療。結果を左右するのは早期発見、早期治療。

ひとくちに認知症と言っても、いろいろな種類があるそうですね。

20462 mt 1 q1 1329272594 ▲アルツハイマー型認知症と脳血管性認知症の合併症が最も多い はい。認知症はいくつかの種類に分類されます。なかでも、一番多いのが一般にアルツハイマー病と言われるアルツハイマー型認知症で、単独で2割、さらに脳血管性認知症と合併したものをあわせると、全体の6割以上を占めます。脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などが原因で起こるものですが、アルツハイマー型認知症は、異常たんぱく質(リン酸化タウ)が脳内に沈着・蓄積する「アミロイド変性」と呼ばれる現象によって脳細胞が死滅し脳が萎縮して起こる病気です。

最初に現れる兆候はどのようなものですか?

20462 mt 1 q2 1329272594 ▲アルツハイマー型認知症はMRIではっきりと脳の萎縮が見てとれる まず記憶障害ですね。これは、人の名前がとっさに出てこないといった、老化によるもの忘れとは明らかに違うものです。認知症の記憶障害では、新しい出来事が憶えられなくなります。昔の出来事はよく憶えているのに、ほんの3分前に話したことが憶えられないのです。もうひとつの特徴は、体験全体を忘れてしまうこと。例えば、どこかに出かけたとしますね。そこで何をしたかを忘れるのでなく、出かけたこと自体がすっぽり記憶から抜けてしまうのです。時間と場所の記憶も衰えます。私はよく診察で「今年は平成何年ですか?今日は何日ですか?」とお聞きするのですが、認知症が進むとこの質問に答えることができません。これはひとつのチェックポイントとして憶えておいてください。

認知症にはどのような治療を行うのですか?

20462 mt 1 q3 1329272594 ▲「長谷川式簡易知能評価スケール」で病気の有無、度合いを検査 薬による治療を行います。日本ではこれまで、認知症の治療薬は「アリセプト」のみでしたが、2011年にガランタミン、メマンチン、リバスチグミンの3つの新薬が認可され、治療の選択肢が増えました。これらは、海外ではすでに認可されていただけに、待ちに待った感がありますね。なかでもリバスチグミンは貼り薬タイプで、薬を飲み込めない方に薬を嫌がるひとにも使うことができます。例えば軽度の人はガランタミン、リバスチグミン、中度以上の型にはメマンチンと、認知症の上々軽度、中度、重度、それぞれの状態に適したものがありますので、患者さんの症状を状態や症状に応じてこれらの薬を処方します。

認知症でも早期発見・早期治療は大切なことなのですね。

20462 mt 1 q4 1329272594 ▲従来のトンネル型に比べ圧迫感が少ないオープン式のMRIを完備 認知症は、今の医学では完治させることができませんが、早期に治療を始めれば薬によって進行のスピードを緩めることができます。重度になると使える薬も限られ、効果を持続させることも難しくなるため、ぜひ軽度のうちに治療を始めていただきたい。しかし現実には、病院に来られた時点で、すでに中度・重度になっているケースが非常に多いんです。なぜかというと、まずご本人がなかなか病院へ行きたがらないんですね。自分が認知症であると診断されるのが怖いのです。またご家族も「なんか様子がおかしいな」と思っても、「自分の親は認知症じゃない、単なる老化による物忘れだ」と信じたい気持ちがあるものだから、つい病院へ行くことを先延ばしにしてしまう。そうやってなかなか検査できないでいるうちに2、3年過ぎ、ここに来たときにはかなり進行してしまっている。その2,3年ぶん早く治療を開始していれば、重度になるのを食い止めることができたかもしれないのです。認知症は、いかに早期の段階で病気に気付き、治療を開始するかが重要といえます。

認知症を予防することはできますか?

20462 mt 1 q5 1329272594 ▲「認知症専門医や治療経験の多い医師を選びましょう」と関戸院長 生活習慣病対策と同じように、食生活に気をつけ、適度な運動を適するように心がけましょう。認知症はアルツハイマー型認知症と脳血管障害による脳血管性認知症が大くを占めると、先ほどお話ししました。脳血管障害とは、高血圧や高脂血症、糖尿病などがもとで脳梗塞や脳出血によって起こる脳の機能が損なわれること。ですから、これらの生活習慣病にかからないよう、若いうちから節制し、毎日の生活習慣に配慮すれば、脳血管性認知症の予防となり、認知症にかかるリスクを減らすことができるでしょう。

ドクターからのメッセージ

関戸謙一院長

ご家族に認知症の疑いがある場合、まず病院に本人を連れて行き、検査・診断を受けることを最優先してください。本人が嫌がる場合でも「健康診断を受けにいこうよ」「一緒に脳ドックでも受けない?」となんとか説得して検査を受けさせて欲しいですね。検査して何も異常がなければ安心ですし、万が一認知症だと診断されても、早期発見・早期治療はその後の病気の進行緩めることに繋がります。この病気で大事なのは、ご本人が明るく前向きに生きること。認知症だからと大騒ぎしたり、悲観的にならず、まわりの家族が明るくポジティブに支えてあげて欲しいと思います。またご家族も、全部ひとりで抱えようとしないでください。あなたが病気になったらそれこそ大変ですから。行政や介護サービスなど他人に委ねられることは委ねて、どうやったら自分がらくになるのかを考えましょう。診療ではそういうアドバイスもしているんですよ。

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