八木 優子 院長の独自取材記事
グラーツデンタルケア
(杉並区/西荻窪駅)
最終更新日:2022/12/15
西荻窪駅から徒歩1分、商店街の中に「グラーツデンタルケア」はある。2016年に「リョウデンタルオフィス」の分院として開業した同院には、院長の八木優子先生を中心に矯正治療と審美歯科の経験が豊富なスタッフがそろっている。健康と美しさの両立をコンセプトとしている同院では、健康な歯を削らない長い目で見た審美歯科診療を実践。口腔環境の総合的な検査も行っている。どんなときも予防の視点を大切にする八木院長に、それぞれの治療の特徴、予防に対する考えなどを詳しく聞いた。
(取材日2022年11月29日)
削らない審美歯科診療、健康と美しさの両立を追求
クリニックのコンセプトについて教えてください。
コンセプトは、「健康と美しさを実現する」です。当院では、基本的に健康な歯は削らずに、美しさも追及しています。これまでの審美歯科では、治療の過程で歯を削ることがつきものでした。しかし、削った歯はどうしても弱くなってしまうので、予防的な視点からするとデメリットといえます。そこで、予防歯科を重視するという軸からブレないようにしながら、美しくなることを実現しようという想いでこのコンセプトを掲げました。いろいろな治療の根本に予防の考えがあります。患者さんが当クリニックから帰られた後に、どれだけスマイルが続くかを大切にしたいですね。
こちらでは、カウンセリングを重視しているとお聞きしました。
矯正治療を終えた方や結婚式やイベントごとの前に来院される方もいらっしゃいますので、より患者さんのニーズを正確に知るため、丁寧なカウンセリングを行っています。例えば、ホワイトニングなら色味が変わった後、矯正治療なら正面だけでなく横顔のシミュレーションなどもお出しして、患者さんの相談に応じてかなり詳しくお話しさせていただいております。カウンセリングを綿密に行って、患者さんと一緒にゴールをめざすことを重要視しています。
患者さんの主訴は、どのようなことが多いのでしょうか?
主訴は「きれいになりたい」という方が多いです。特に矯正治療と色調改善や歯の形・見た目の改善を重視した、ジルコニアべニアを歯に接着させる審美歯科を希望され、遠方からも多くいらっしゃいます。また、歯を削らない審美的な治療も研究されており、良い治療法であれば積極的に取り入れられるようにしています。そこで重要なのは、患者さんの気持ちをしっかりお聞きし、その要望がどの治療法で実現できるかを考えることです。専門的な技術を持つ歯科医師が対応し、複数の選択肢をご提案しますので安心してご相談いただきたいですね。もう1つ多い主訴が予防です。当院では、基本のメンテナンスが終わった方へ、歯の1本1本を予防するための、専門家による歯面清掃(PMTC)などを含むオリジナルプログラムもあります。審美歯科や矯正歯科を専門に扱う医院ではありますが、3歳から70代まで幅広く来院してくださるのは当院の大きな特徴の一つですね。
一人ひとりに合った総合的な歯科検診を行う
ホワイトニングの開発に力を入れているとお聞きしています。
ホワイトニングに関しては2016年に開業する以前から、スタッフとともに研究をして独自に開発にも取り組んでいます。従来のホワイトニングは、高濃度過酸化水素を歯につけて漂白していたのですが、濃度の高いものを使用すると、痛みが出る、冷たいものがしみる知覚過敏になるリスクがありました。そのため、知覚過敏でホワイトニングを諦めていた方に向けて、当院で対応できることはないかと研鑽してきました。もしお悩みの方がいらっしゃればご相談していただければと思います。
総合的な歯科検診についても聞かせていただけますか?
通常の定期検診ではどうしても検査内容に限界があります。当院では、将来の虫歯や歯周病になるリスクや隠れた病巣を把握し、早期介入を可能にしていくため、総合的な歯科検診に力を入れています。検診では、唾液成分の分析、口臭のチェック、顕微鏡による細菌検査など多角的に口腔環境を検査します。口腔内の環境は、個々で異なるので、体質や特性を理解した上で、患者さんに合ったプログラムを提供しています。これは個人のリスクを把握して、適切なプロフェッショナルケアを行うスウェーデン式の予防です。ほかにも、この検診では、特殊なレーザーを当てて、跳ね返り方で小さな穴を発見していきます。虫歯で穴が空いてからだと、大きく削らなければいけませんが、もっと小さな穴の段階で予防すれば大きく削らなくても済むことが期待できますし、長期的にもお金や医療費の削減につながると考えています。
お話を聞いて、先生が予防の視点を大切にされているのがすごく伝わってきました。
超高齢社会において、食事が楽しめなくなったら、長く生きていく上で大きな喜びが欠けてしまうと考えています。いつまでもおいしく食べるためには、歯が絶対に必要なので、元気なうちに歯の大切さに気づいてほしいという思いが強いですし、それを訴え続けるのが私の役割だと思っています。私は矯正治療を得意とする歯科医師ですが、大学病院時代に矯正治療で歯並びを整えた方が歯周病になってしまって、私も患者さんもすごく悲しい思いをしました。その時、どんなに頑張って矯正治療をしても、予防を怠ると状態を保つことはできないと気づいたのです。また、私は外出が難しい近隣の高齢の方の訪問診療も行っていますが、その世代の方は予防歯科を受けていないので、歯がボロボロになってしまっている方が多いです。訪問診療の経験をもとに、予防歯科について発信し続けていかなければいけないと感じています。
患者の気持ちを見逃さない寄り添ったカウンセリング
なぜ、矯正治療を専門とする歯科医師をめざされたのでしょうか?
私自身、小さい頃に噛み合わせに不具合があり、矯正治療を経験しています。高校生の時に、歯と噛み合わせが大事だと痛感し、それから歯科医師の道を歩み始めました。大学病院時代には、難しい症例もたくさん経験し、人生を変えるくらいダイナミックな矯正治療に魅力を感じました。私自身、一般的な矯正治療でも、人生が変わるような経験をしましたしね。今は、子どもだけでなく大人になってから矯正治療を希望される方も多い時代です。そのため、当院では、型採りによるストレスを緩和するためにスキャナーを導入し、透明なマウスピース型装置を用いた矯正も行っています。生活スタイルや悩みによって矯正方法も選択できますよ。
患者さんと接するときに大切にしていることを教えてください。
この規模のクリニックだからできることでもありますが、カウンセリングも私自身が行っています。患者さんがどう思われているか、感じているかを考え、真摯に向き合うことを大切にしていますね。私が患者さんの家族だったら、どんなことを話して、どんな治療を提供するかを考えて行動しています。患者さんの気持ちを見逃さないように、クリニックに入ってくるところから、待合室で待っている姿まで見て「すごく深刻に悩まれているな」とか、いろいろなことを感じ取っています。患者さんが話しやすい雰囲気をつくる必要もありますからね。
最後に読者の方へメッセージをお願いします。
私は自身が生まれた愛する町で、熱意を伝えて貢献していけば、少しずつ皆さんに伝わって形になっていくのかなと考えています。私ができる範囲の中で、皆さんの歯を長く維持して美しさも追及するサポートがしたいです。今は、歯の健康を維持しながら美しくなることが可能な時代になってきています。皆さんももし、歯にコンプレックスがある場合は、理想の状態へ近づくことで楽しい未来が待っていると思います。気になることがあれば、いつでもご質問お待ちしております。今後も予防というコンセプトからブレないようにしながら、引き続き歯の健康の大切さを発信し続けていきたいと思います。
自由診療費用の目安
自由診療とは審美歯科:ホワイトニング/1万1000円~4万9500円、マウスピース型装置を用いた矯正:部分/44万円~、全顎/88万円~、成人矯正:全顎/81万円~、PMTC/1万1000円~、総合的な歯科検診/2万7500円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。