小山田 和弘 院長の独自取材記事
金沢八景駅前ハートクリニック 循環器内科・内科
(横浜市金沢区/金沢八景駅)
最終更新日:2025/03/03

再開発により、さらに機能性を増した金沢八景駅。潮風香るこの街には、学生から高齢者まで幅広い世代が集い、活気にあふれる。そんな駅前のビル5階にある「金沢八景駅前ハートクリニック 循環器内科・内科」は、2022年に小山田和弘院長が開業。横浜市内の総合病院で長く循環器診療を手がけ、狭心症や心筋梗塞のカテーテル治療など、命を預かる循環器内科の現場において、豊富な実績を持つベテラン医師だ。「20年以上住み慣れた横浜の街で皆さんのお役に立てる場を設けることができ、うれしく思っています」と話す小山田院長に、開業から2年が経過した同院の現状や展望を聞いた。
(取材日2024年11月21日)
循環器の気がかりを気軽に相談できるクリニックに
開業からちょうど2年がたつとか。

日々やらなければならないことが山積みで、あっという間の2年間でした。おかげさまで多くの患者さんにご来院いただいていますが、金沢八景というハブ駅に近いためか、遠方からわざわざ電車で通われる方も少なくないのに少し驚いています。お話を伺うと、「ずっと気になっていたが近くに相談できる場所がなく、思い切って来た」という方が多く、改めて循環器の気がかりを気軽に相談できる、当院のような場所の存在意義を実感します。循環器疾患は突然死に結びつけられやすいこともあり、不安を抱える方が世代を問わず多くいらっしゃるのですね。特に若い世代では問題がないケースがほとんどですが、「何でもない」とわかってほっとすることも、患者さんにとっては大きな意味のあることです。「今まで聞けなかった」とおっしゃる方も多いので、初診時からお顔を合わせてしっかりとお話を伺うことを大切にしています。
駅近のビル内ながら、明るく広々として居心地が良いですね。
ありがとうございます。出身は東京なのですが、約20年にわたり、みなとみらいの「けいゆう病院」に勤めており、住まいも近くに構えています。総合病院の勤務医として寝食以外のすべての時間を医療に捧げるような時期もありましたが、いずれは慣れ親しんだ横浜でクリニックを構えて地域に貢献したいと考えてきました。医局の関係で静岡の病院に新幹線通勤をした時期もあり、富士山など美しい車窓の風景に癒やされながらも、やはり開業は横浜でという思いを強めたものです。5階を選んだことで思っていた以上に光が入り、「便利だけれど圧迫感には耐える必要あり」という一般的なビル診療のイメージには当てはまらないと自負しています。患者さんにはお見せできないのが残念ですが、スタッフの休憩室では窓から海を望むことができるのですよ。感染症専用の入り口と待合室や、自動精算機など、この時期のクリニックに求められる機能も備えることができました。
診療面での特徴を伺います。

20年を超える循環器内科での経験を生かし、2つの柱を設けての診療を実践しています。一つは、虚血性心疾患などを引き起こす原因ともなる、生活習慣病の管理です。地域におけるゲートキーパーとして、循環器を中心とした検査でリスクを早期に発見し、適切な治療へとつなげています。もう一つの柱が、病診連携による循環器疾患治療後の患者さんのフォローアップです。総合病院時代にはカテーテル治療も多く経験してきました。総合病院からカテーテル治療や外科手術を受けられた患者さんのご紹介を受けることも増えています。中には入退院を繰り返していらっしゃる方もあり、そうした方が地域で安心して暮らせるようサポートしていきたいですね。
不安に寄り添い、「来て良かった」と思われる診療を
循環器内科を軸とされるということでしょうか。

長く診てきた循環器疾患の診療には力を入れたいと思います。しかし、同時に専門領域の垣根を越え、日常生活の中でよく見られる病気も幅広く診ていきたいとも考えています。私は日本内科学会総合内科専門医でもあり、日常起こりがちな諸々の内科的症状や健康診断結果を受けてのご相談にも幅広く対応できます。もちろん、息苦しさや動悸、胸の痛みといった循環器に起因すると思われる症状では、原因を探る検査の体制も整えています。また、「なんとなく健康に不安がある」「何科を受診すべきかわからない」といったケースも気軽にご相談いただければと思います。
どのようなご相談が多いですか?
循環器に関わる症状では、動悸、息切れや胸の痛み、むくみなどが中心ですが、近年増えていると感じるのはいわゆるスマートウォッチで不整脈が検出されたというご相談です。昨今は心房細動が起こるとアラートが鳴るデバイスも多く、頻回ではない症状も結構な精度で記録できるようになっています。実際に深刻な疾患が見つかることも少なくありません。反対に、問題ないことがわかれば安心もできます。進化を続けるそんなデジタルツールを活用すれば、クリニックでできることも大きく広がると感じています。最近は、リスクのある方に、こちらからツールの活用をご提案することもあります。循環器疾患や生活習慣病では、睡眠時間や食生活といった生活歴が症状を左右することも。背景を詳しく伺い、その方の生活パターンやどのように日々を過ごしているかを想像しながら診療するようにしています。
診療の際に心がけていることはありますか?

お帰りの際に「来て良かった」と思っていただけることを大切にしています。そのためには、予約から受付、診療、処方、薬の受け取りまでの一連の流れを心を込めて対応することが必要です。このことは一緒に働くスタッフにも開業前から繰り返し伝えており、クリニック全体で共有できていると感じます。診療後の最後の一言が重要と考えており、会計時などにふと漏らされた言葉があれば逃さず共有し、必要な対応につなげるようスタッフには伝えています。一緒にクリニックを育ててほしいという思いから、スタッフ募集の際には近くに住んでいて長く勤めてもらえそうな方を中心に選考しました。お互いの経験を持ち寄って、さまざまな意見を言い合える、良い雰囲気のチームになっています。
近隣クリニックや病院との連携を深め、地域医療に貢献
医師を志し、循環器内科をご専門に選ばれたきっかけは?

父が医師で、兄が医学部に進学していたタイミングで、やはりスキルを身につけて職に就きたいと医学部を検討するようになりました。その頃、内科診断学をストーリー仕立てで紹介する本を知り、面白そうと感じたことも後押しになりました。医学部ではアメフト部に所属し、楽しくてのめり込んでいましたから、ゼロベースで現場での仕事をスタート。力及ばずお叱りを受けたり、逆に励ましのお言葉を受けたりと、診療を通して患者さんやご家族から学ばせていただきました。各科を回る中、魅力を感じたのは「忙しい科」で、救急や当時骨髄移植を始めたばかりの血液内科も考えましたが、運と縁に導かれて循環器内科へ。カテーテル治療のスタートアップにも関わることができました。思えば、中学生の頃の吹奏楽部立ち上げをはじめ、組織として新規立ち上げに関わる機会が多い人生のように感じます。新しいことを始める現場は、常にワクワクしますね。
休日の気分転換には何を楽しんでいらっしゃいますか。
息子がいますので、現在は「趣味は子ども」といった感じです。大きくなったときに少しでも思い出してくれれば良いなと思いながら、家族でスキー場に行ったり、みんな温泉が好きなので出かけたりといった休日を過ごしています。小さく生まれた子でしたがずいぶん大きくなり、それにも関わらず抱っこを迫られるので、筋力トレーニングだと思って頑張っています。
今後の展望を教えてください。

当院でも優秀な超音波検査技師を迎え、週に二度検査日を設けて精密な心臓超音波検査を実施していますが、近くに画像検査専門のクリニックが開業されました。CTやMRIの検査を、電話1本で即日対応していただけるので、たいへん便利になったと思います。追浜の横浜南共済病院や能見台の神奈川県立循環器呼吸器病センター、福浦の横浜市立大学附属病院などにもなじみのドクターが多いので、横浜南部地域の高次医療機関とも良好なつながりを持ちながら、さらに地域医療に貢献していきたいですね。
ひと言メッセージをお願いします。
数あるクリニックの中から当院をお選びいただいた方に、「ここに来て良かった」と思っていただける診療を提供したいと考えています。流行を見ながら発熱の外来もしっかりと展開し、広く内科一般を診療可能です。帯状疱疹や新型コロナウイルス、RSウイルスなどの予防接種も実施していますので、ぜひご活用ください。