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井上 英樹 院長の独自取材記事

ぜんそくと肺のクリニック

(荒川区/日暮里駅)

最終更新日:2022/12/27

井上英樹院長 ぜんそくと肺のクリニック main

日暮里駅から徒歩3分の好立地にある「ぜんそくと肺のクリニック」。2022年11月に新規開業したクリニックで、患者がなるべく負担なく受診できるよう、予約システムや必要な検査設備を備えている。呼吸器内科と内科の専門家である井上英樹院長は、喘息に限らず、さまざまな症状・疾患に丁寧に対応。検査結果だけでなく患者本人としっかり向き合い、一人ひとりとの対話やわかりやすい説明を大切にする。さらに「咳などを病気と自覚していない方や、気のせいと思ってしまう方はとても多いです」と話し、悪化する前の受診を積極的に呼びかける。そんな井上院長に、開業への思いやクリニックの特徴、診療時の工夫などについて聞いた。

(取材日2022年12月7日)

快適な受診環境を整え、病気の早期発見・治療をめざす

なぜ開業しようと思ったのですか?

井上英樹院長 ぜんそくと肺のクリニック1

大学病院レベルの診療をクリニックで実施し、早めに治療介入することで入院せずに暮らせる患者さんを一人でも増やしたいと考えたためです。私はかつて複数の病院で勤務し、喘息が悪化して救急科外来を受診したり入院したりする方を数多く見てきました。しかし本当に皆さんの病気を治すのならば、クリニックレベルで早期に発見・治療し重症化を防ぐ必要があります。さらに、大学病院などは待ち時間が長く患者さんに負担をかけてしまいますので、いずれは開業して多くの方を助けたいと考えました。日暮里を選んだのは、周辺エリアに呼吸器内科専門の医師が少なかったため。18年以上の臨床・研究経験を生かし、咳や痰でお悩みの患者さん、治療に難渋されている先生方のどちらもサポートできたらいいですね。

喘息は早期発見が難しいと聞きますが、その理由は何でしょう?

喘息は問診や聴診を何度か行い、治療の経過も見ながら総合的に判断しなければならない病気であることが一因です。さらに症状も日々変動し、調子が悪くても翌日には調子が良いケースもあるため、患者さんも「受診しなくていいか」と思いがちなんですよね。咳症状があっても日常生活を送れてしまうからこそ、受診が遅れたり診断がつきにくかったりするのでしょう。ただ、症状の変動を繰り返しているうちに呼吸の状態がだんだん悪くなり、気づいたときには重度の喘息というケースも少なくありません。当院の主な患者さんは20~40代の働き世代で、喘息や咳によって仕事のパフォーマンスが低下してしまうと社会経済学的にも損失ですので、治療を通して症状の改善、さらには社会貢献ができたら幸いです。

新規開業のクリニックとのことで、内装などのこだわりも伺います。

井上英樹院長 ぜんそくと肺のクリニック2

院内にダウンライトを取り入れ、床を木目調にして落ち着いた雰囲気にしました。また、忙しい患者さんの受診負担が減るよう、予約・受付・問診・決済・次回予約を一つのアプリで完結できるシステムを導入しています。呼吸機能検査のための設備も充実させ、肺活量を測定する装置や気道の炎症を測る呼気一酸化窒素(NO)測定器のほか、一部の呼吸器クリニックにしかない、モストグラフという呼吸抵抗を調べる機械も置いているのが特徴です。これらを活用してより精度の高い診断を実施し、結果を踏まえて適切な治療へつなげます。例えば喘息なら、咳が強い、炎症がひどい、呼吸困難が多いなどの症状に応じて、特性の異なる20種類以上の吸入薬を使い分けます。

呼吸器内科・内科全般に対応し、説明の際に動画も活用

診療方針や強みについて教えてください。

井上英樹院長 ぜんそくと肺のクリニック3

喘息は私の得意分野であり、わかりやすさを重視して院名にも取り入れたのですが、喘息以外の方にも来ていただきたいと考えています。私は「肺は心臓や脳と同じくらい主要な臓器」という理由で呼吸器内科の医師を志しました。この科では必然的にさまざまな病気を診療しなければならず、これまで肺がんに対する化学療法やターミナルケア、肺炎といった感染症、難治性の間質性肺炎などを経験しました。そこで全身を診る、つまり総合的に診る力をつけた自負がありますので、開業医として診療する上でも武器にできるかと思います。さらに呼吸器内科全般に加え、日本内科学会総合内科専門医として内科全般も診療するのが当院の方針です。新型コロナウイルス感染症の後遺症にも対応していますので、感染後の咳や痰、息苦しい、体がだるいといった症状があればぜひお越しください。

診療の際に心がけていることは?

検査のみにとらわれず、問診で患者さんから症状やお悩みを詳しく伺うようにしています。当院はアレルギー科も標榜していますので、ペットを飼っているかなど生活の様子を聞く場合もありますね。検査結果をお伝えする際も雑談を交えてお話しし、仕事内容や家族背景を把握しながらコミュニケーションを深めています。あとは話のきっかけを増やす努力として、動画共有サイトで当院や私のことを発信しています。薬の使い方も動画で説明しているため、患者さんはそれを見て予習ができ、診察時に聞いただけではわからない、もしくは忘れてしまう内容の復習も可能です。私に対する質問も事前に考えてこれるので、お互いの時間を節約しつつ、理解力も深められるんです。

説明されたことを動画でも確認できるのは非常に便利ですね。

井上英樹院長 ぜんそくと肺のクリニック4

治療をしても喘息などが改善しない原因として、クリニックや薬局での吸入指導が不十分なために、患者さんが吸入薬を正しく使えていないケースもあるんです。その点、当院では動画のほかに私と看護師、さらに近隣の薬局にも協力してもらって計3回の指導を行っており、その意味では最高のパフォーマンスを出せていると思いますね。看護師の吸入指導は、患者さんが診察時に言えなかったことを話せる場でもあります。呼吸器内科のクリニックには息苦しくてつらい方や、他院で治らず悩んで受診される方が多くいらっしゃいますので、看護師には患者さんの気持ちにも寄り添うようにと伝えています。そしてチームとしてしっかり呼吸器のケアができるよう、院内勉強会で私の知識や経験も共有しています。

できることに尽力し、患者を息苦しさから解放したい

先生が医師をめざした理由や、勤務医時代の学びも伺います。

井上英樹院長 ぜんそくと肺のクリニック5

工学部出身の父の影響もあり、小中学校の時は研究者になりたいと思っていました。しかし高校1年生の時に阪神淡路大震災に遭い、ボランティアを経験してからは「災害などが起きた際、直接人を助けられる仕事をしたい」と考え医師をめざしました。勤務医時代のターニングポイントの一つは、主治医として診療を始めた大阪府済生会中津病院での勤務。患者さんの受診を断らず、誰にでも分け隔てなく医療を提供する病院の姿勢に感銘を受けましたね。現在新型コロナウイルス感染症の後遺症を診ているのも、当時の経験が身にしみついているからこそかもしれません。発熱者の外来は物理的に難しい部分はあるものの、オンライン診療を行ったり自分なりにできることに対応し、患者さんを積極的に受け入れたいと考えています。

お忙しい中、お休みはどのように過ごされていますか?

大学時代は弓道部に入っていたのですが、今は体を動かす機会が減りましたので、趣味としてジムで筋力トレーニングをしています。ちなみに私は香川医科大学を卒業し、当時はいつもうどんを食べていましたね。実は妻も香川が出身のため、お盆や年末年始は毎年香川に帰っているんですよ。

今後、地域でどのような役割を果たしたいとお考えですか?

呼吸器疾患は、適切な治療を行ってもなかなか治りにくい側面があります。そのため一つのクリニックで長く治療を続けていると、患者さんも先生も不安になる瞬間があると思います。そこで当院が一度診察し、治療法に問題がない旨をお伝えできれば安心して治療を継続できるのではないでしょうか。患者さんにとっても近隣のクリニックにとっても役に立つ存在でありたいですね。

最後に読者へのメッセージをお願いします。

井上英樹院長 ぜんそくと肺のクリニック6

当院は呼吸器症状でお悩みの方を一人でも減らしたいと考えています。患者さんを息苦しさから解放し、「呼吸が楽になりました」と感謝していただけることが、呼吸器内科の医師としての何よりもの喜びです。今後も、どんな症状・病気であっても「ここに行ったら何とかなる」と頼ってもらえるクリニックにしたいですね。肺がんの疑いがある方や健診で異常を指摘された方にスムーズに対応できるよう、日暮里駅から徒歩数分の検診センターと連携し、胸部CTやMRI検査をすぐにご案内できる体制も整えています。ご自身では症状が軽いと思っていても実際はそうではないケースも少なくありませんので、何らかの呼吸器症状があれば自己判断せず気軽にご相談ください。

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