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自宅でもケアが受けられる
新時代の訪問診療の在り方とは

いのうえ在宅診療所

(堺市西区/上野芝駅)

最終更新日:2023/06/14

いのうえ在宅診療所 自宅でもケアが受けられる 新時代の訪問診療の在り方とは いのうえ在宅診療所 自宅でもケアが受けられる 新時代の訪問診療の在り方とは
  • 保険診療

超高齢社会となり、在宅医療や訪問診療のニーズがますます高まりつつある現代。高齢で通院が困難になった人はもとより、病気や障害があっても自宅で過ごしたいと希望する人が増えているという。その一方で、家族の介護負担や急変時の不安などから、在宅を選択できずに迷っている人も多いのではないだろうか。「皆さんが想像する以上に、訪問診療でできることはたくさんあります」と、優しい口調で話すのは「いのうえ在宅診療所」の井上稔也院長。幅広い医療知識や豊富な経験、多職種との連携など、あらゆる手立てを駆使し、患者と家族のサポートに全力で取り組んでいる。そんな井上院長に、訪問診療の意義やメリット、看取りまで見据えた同院での取り組みなどをじっくり解説してもらった。

(取材日2023年5月29日)

患者と家族の日常生活から看取りまでを在宅医療でサポート

Q訪問診療とは何かを教えてください。
A
いのうえ在宅診療所 目標は日常生活をより健康で質の高いものにすること

▲目標は日常生活をより健康で質の高いものにすること

訪問診療は在宅医療の一つで、患者さんのご自宅や施設などを医療者が定期的に訪問し、適切かつ計画的な医療サービスを提供する診療です。緊急時に医師が臨時的にお伺いする往診も行っております。病院やクリニックへの外来通院が難しくなった方や、手術や退院後にご自宅で療養したい方など、対象となる患者さんの背景はさまざまですが、いずれにしても日常生活をより健康で質の高いものにすることが一番の目標となります。訪問できるエリアの目安ですが、当院の場合は診療所を中心に半径5km圏内です。その範囲内にお住まいなら病状にかかわらず、定期的な通院が困難なケースであれば誰でもご利用いただけます。

Q訪問診療では、どのようなサービスが受けられますか?
A
いのうえ在宅診療所 在宅医療でも幅広い医療行為の提供が可能

▲在宅医療でも幅広い医療行為の提供が可能

訪問診療では医師が定期的にご自宅へ伺い、診察や検査、薬の処方や健康管理などを行います。「自宅で点滴は受けられますか?」「薬はもらえますか?」といった質問をよくいただきます。在宅では大した医療は受けられないという先入観があるようですが、今は重い症状に対する処置から苦痛の緩和、床ずれの予防や治療まで、幅広い医療行為の提供が在宅で可能です。また、ケアマネジャーや訪問看護師といった他職種と連携し、安心して療養できる環境を整えていきます。中には社会との接点をすっかりなくしてしまっている患者さんもおられますが、そうした方へ訪問診療を行うことで孤立を防ぐ意義も大きいといえるでしょう。

Q通院さえできれば外来受診を続けたほうがいいのでしょうか?
A
いのうえ在宅診療所 定期的に訪問し、適切かつ計画的な医療サービスの提供を行う

▲定期的に訪問し、適切かつ計画的な医療サービスの提供を行う

外来通院と一口に言っても、中には大変な思いをして通っている人もおられます。ご家族もそのために仕事を休んだり、車いすを運んだり、毎回タクシーを呼んだりと、無理な通院が大きな負担の連鎖を招いている場合があります。その負担を軽減できれば余裕が生まれ、ご家庭での介護の質の向上につながっていくかもしれません。また、かかりつけの先生が往診に対応していなければ、ちょっとした急変でも救急車を呼ぶことになってしまいます。訪問診療を受けていれば、こうした緊急時にも対応してもらえるので大慌てする必要はありません。安心してご自宅で暮らせる時間を、患者さんに少しでも長く楽しんでいただきたい。それが私の一番の願いです。

Qこちらで行っている訪問診療の強みを教えてください。
A
いのうえ在宅診療所 ケアマネジャーや訪問看護師などの他職種と連携し、環境を整える

▲ケアマネジャーや訪問看護師などの他職種と連携し、環境を整える

私は救急の現場に携わっていたこともあって内科も外科も幅広く対応し、床ずれの処置、胃ろうや気管切開チューブなどの交換、緩和ケアにも習熟しています。また、別の医師と2人で24時間365日、夜間や休日にも対応できる体制を整えています。もう一つ、在宅医療で絶対に欠かせないのは多職種との連携でしょう。ケアマネジャーや訪問看護師、ホームヘルパー、薬剤師といった各分野のエキスパートたちと、状況に応じたさまざまな方法で連絡を取り合いながら迅速に対応します。みんなで知恵や力を結集し、広い視野で支援していくことが何より重要ですね。

Q「お看取り」も訪問診療の大切な役割とお聞きしました。
A
いのうえ在宅診療所 患者の置かれている環境や背景を常に考えて、診療にあたる

▲患者の置かれている環境や背景を常に考えて、診療にあたる

人生の最期を住み慣れた自宅でと考える人が年々増えています。そのためのサポートも訪問診療の重要な役目といえるでしょう。当院は後期高齢や終末期の患者さんが多く、お看取りにも対応しています。ご家族にも最期の時をご自宅で一緒に過ごしていただき、穏やかな雰囲気の中で看取っていただきたいと思っています。もちろん、中には今まさに病気と闘い、抗がん剤治療に通いながら自宅で訪問診療を受ける患者さんもおられます。闘病中の患者さんも、多くの支えを必要としています。そのような方の苦痛を緩和し、適切な医療を提供することで力になりたいと考えています。

ドクターからのメッセージ

井上 稔也院長

訪問診療で特に感じるのは、病気だけを診ていたのではわからない、その方の置かれている環境や背景を常に考える必要があることです。どうすれば、その患者さんやご家族にとって良い医療が提供できるのか。難題であると同時に、それを解いていく作業は一方で大きなやりがいでもあります。正解は決して一つではありません。選択肢の一つとして、訪問診療のことを皆さんにもっと知っていただければと思います。特に大きな病気がなくても、高齢で足腰が弱って通院が苦痛ならもちろん対象となります。お困りの方、興味のある方には内容をしっかりと説明させていただきますので、その上で選択肢として検討されてはいかがでしょうか。

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